ときどき、南米から届くニュースには口をあんぐりとさせられることがある。
最近だと、女性ベビーシッターが幼児虐待し、その映像を見た近隣住民がベビーシッターに向かって集団で投石や跳び蹴りをしていた。いくら悪人とはいえ、明らかにやりすぎ。
そんな平和ボケした日本人からは想像も付かないような事件の裏側を、『タブロイド』はたっぷりと見せてくれる。元スポーツ紙出身で、オウム事件のエグい報道合戦も経験済みの筆者ですら、意表を突く展開に目がテン。刑務所内でのインタビュー、連続殺人犯の証言に沿ってTVレポーターが死体遺棄現場で遺体を掘り起こしちゃえば、例え重要事件の参考人になっても、裏で権力者にコンコンタクトをとれば即、無罪放免etc……。
これが実話をベースにしているからというから、さらにビックリ。しかも主演は、『ロミオ&ジュリエット』&『ムーラン・ルージュ』ですっかりキワモノ・キャラが定着したジョン・レグイザモ。日本で例えたら、寺島進主演で社会派サスペンスを作っちゃった感じ? 物語同様、勇気あるキャスティングにも拍手を贈りたい。
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