英題:UNITED 93
監督:ポール・グリーングラス
キャスト:コーリイ・ジョンソン、デニー・ディロン、タラ・ヒューゴ

2001年9月11日。アメリカン航空11便がハイジャックされ、ワールドトレードセンターへ追突するというショッキングな映像が世界に衝撃を与えていた。広がるパニックの最中、2機目のユナイテッド航空175便も追突した……。同日の朝8:00、ニューアークの空港で、「アイ ラブ ユー」と話し、静かに電話を切った中東系の男性。彼が乗り込んだ飛行機は、ユナイテッド航空93便。同便の機長は、妻と結婚記念日を祝うために、急きょ予定を変更して乗り込んでいた。こうして飛び立ったユナイテッド航空93便は、サンフランシスコに向かう途中、4人の中東系男性にハイジャックされる……
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2001年9月に起こったアメリカ国内における史上最悪のテロを映画化。9月11日にハイジャックされた4機のなかで唯一テロリストたちの目標物に衝突せずに墜落した、ユナイテッド航空93便に焦点を当てて描いた作品。テロからまだ5年、時期尚早と映画化を懸念する声も多く聞こえていたが、ポール・グリーングラス監督は、航空機がハイジャックされ、変えられない運命へと向かっていきながらも、犯人と対決しようとする乗客たちを淡々と描いた。いわゆるお涙ちょうだいもののヒューマンドラマではなく、人間の死を見つめたシリアスな作品としての仕上がりに遺族からは作品を支持する声が集まった。それでも、全米の映画館では、声を上げて泣き出してしまうほど衝撃を受けた人も少なくはないようだ。 |
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9.11の事件以降、この事件を題材に映画を撮ろうとする監督はほとんどいませんでした。題材があまりにも重過ぎるため、どの監督も二の足を踏んでいたのです。9.11のなかでも、もっとも物議をかもしたのがユナイテッド航空93便。乗客が機内から家族に連絡をしていたことで、事件の経過が伝わり、中でも犯人との対決をする覚悟を告げた後、機内で録音された「LET’SROLL!(やってやろうぜ!)」という乗客の叫び声は社会現象にもなったほど話題になりました。このユナイテッド93便の墜落は、乗客がテロリストと格闘した末の結果なのか、またアメリカの戦闘機により撃墜されたのか、真実はまだ闇に包まれたまま……。そんなユナイテッド93の物語を、リスクを考えず、人間の尊厳を真剣に表現した監督こそ、大きな勇気をもっているイケメン監督なのです!
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