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第3回 街角スーパーマンは大人気!

うわさの現場潜入ルポ

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こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
ハリウッドの『街角スーパーマン』

スーパーマンにお姫様だっこ「大丈夫!いつも電車を持ち上げているから!」となりきっている
14年前からにせスーパーマン
先日、東京に一時帰国しました。その際に第19回東京国際映画祭:記者会見の司会進行を担当しました。スーツ姿もなかなかでしょ!? (笑)写真は、東京国際映画祭の国際審査委員を務める、女優の工藤夕貴さん。
 
第19回東京国際映画際は、10/21~10/29まで六本木ヒルズと渋谷文化村で開催されます。
ハリウッドのコダック・シアター前に立つスーパーマン(のそっくりさん)
街角スーパーマン(クリストファー・デニスさん)は人気者
こちらも街角スーパーレディー
街角バットマン……これは背格好が似ていれば誰でもなれるかも
これが街角スーパーマン(クリストファー・デニスさん)のお部屋
これが今日のチップです!
街角スーパーマンの奥さん。オークションでまた、新たなグッズを手に入れるため今日のかせぎから捻出
これが街角スーパーマンの部屋はにはグッズがいっぱい。どれも貴重なものばかりだとか
グッズコレクションの一部
クリストファー・リーブのサイン
ブランドン・ラウスに「僕よりもクリストファー・リーヴにそっくりと」言われたそう……
街角スーパーマンと飛び立とうとするこはた……でも、飛べないの……
「あ、スーパーマンだ!」
 
ハリウッドのコダック・シアター前に立つスーパーマンを見つけると、大人も子供も、みんな彼と写真を撮りたがる。
 
ここでは、観光客向けに、バットマンや、白雪姫など色々なキャラクターが歩いているけれど、中でもスーパーマンの人気は高い。特に今年は、「スーパーマン・リターンズ」がアメリカですでに公開されているため、彼も周りには、一緒に写真を撮ろうとする観光客でいっぱい。
 
かくいう私にもお願いしたら、なんとなんと、ひょいっとお姫様抱っこをしてくれちゃいました!
 
「重くないですかー?」と恐縮して聞くと、「大丈夫! いつも電車を持ち上げているから!」と、スーパーマンになりきっている。
 
うーむ。この「街角スーパーマン」は、なかなかいい線いってるぞ。背丈もルックスもクリストファー・リーヴに似ているし。まあ、本物よりちょっと細いのが玉にきずってとこかな?
 
そんな彼の本名はクリストファー・デニスさん。本業は無名の役者さん。……あ、ごめんなさい。「無名」がちょっとよけいでしたね(笑)。
 
実は、このデニス氏、14年前からハリウッドのこの場所に立っているそうな。
 
昔から、よく、「クリストファー・リーヴに似ている」と言われていたので、ある日、「じゃあ、スーパーマンの格好をしてみよう」と思い立ったそう。で、髪を黒く染め、がっちりジェルで固め、スーパーマンの衣装を着て、鏡の前にたったら、今度は、本人がびっくりしてしまったそうだ。
1日のチップ598ドルなり!
当時は、まだハリウッドの観光客向けにキャラクターの格好をして歩く人もいなかったので、「それでは、やってみよう」と衣装を持ってバスに乗り、コダック・シアターの前まで行ったという。
 
でも、その日は、あまりの恥ずかしさに、着替えもしないで、そのまま家まで帰ってしまったそう。
 
次の日、やっと勇気を振り絞って、今度は家から衣装を着たままバスに乗り、コダック・シアターまで行ったという。
 
バスの中でも「スーパーマンだ!」と喜ぶ人が多く、街角にたったその日は、なんと598ドルもチップで稼いでしまったという。
 
そして、その日から、彼はこのハリウッドのシンボル的存在になってしまったのだ。
スーパーマングッズのおタクのお宅訪問
ところで、そんなデニスさん、実は、スーパーマングッズのコレクターでもあると言う。それを聞いた私は、彼の家まで取材に行くことにした。
 
内心、「そんなにたいしたコレクションでもないだろう」、と思いながら、コダック・シアターから歩いて10分という彼のアパートまで2人で歩く。
 
赤いマントをひるがえして私の横を歩くスーパーマン。途中赤信号を待っていると、通りすがる車がクラクションを鳴らしていく。「ヘイ、スーパーマン! がんばれ!」
 
ホームレスの人が救いを求めるような目で、かれのそばによってくる。
 
デニス氏は、スーパーマンのスタンスを崩すことなく、紳士的に、元気よく対応する。
 
……ああ、楽しい!私、スーパーマンと歩いているんだわ!
 
そして、いよいよ、彼のアパート。
 
彼がドアを開けると、私は思わず「ワオー!」とさけんでしまった。だって、すごいんだもん。
 
天井も、壁も、床も、空間も、全てが、スーパーマングッズで埋め尽くされている! 上を見ても、横を見ても、下を見ても、どこもかしこも、スーパーマングッズだらけ!
 
うひゃあああああ!
 
しかも、後で説明してもらった限りでは、そうとうなレアものもいっぱい。
 
ポスターや、いろいろな国で発売されたフィギュアはもちろん(メキシコ発売のスーパーマンってのもあった)、78年の映画「スーパーマン」でクリストファー・リーヴが着た衣装、彼の父親役のマーロン・ブランドが持っていたクリスタルの杖とか、恋人役のマーゴ・キダーの衣装や、悪役のジーン・ハックマンの茶色いカツラ。それから、スーパーマンの等身大ピンボールマシンってのもある。
 
5年前から、オークションなどで競り落としたりして、とにかくどんどん集めていったそうだ。
 
個数にして約一万個のグッズはあるというから、その執念のすごさ! しかも、その一つ一つに対する知識の深さ!
 
「でも、まだ、ナンバーワンのスーパーマンコレクターではないんだ。もっと昔から集めている有名なコレクターがいて、彼にはまだまだかなわない」と、ちょっぴり悔しそう。
 
そんな話をしているところへ、ちょうど、グッズの一つを競り落としたばかりの奥さん、ボニーが帰ってくる。
奥さんはクリストファー・リーヴの大ファン
私に軽くあいさつしたあと、デニス氏の今日のチップの稼ぎである1ドル札の束を、きれいに伸ばして整理し始める。デニス氏は、彼女をまったく意識せず、グッズの説明を続ける。なるほど。奥さんは「内需の功」なんですね。
 
2人の出会いも面白い。
 
奥さんは、クリストファー・リーヴ主演の1980年の映画「ある日どこかで」の大ファン。その映画のファンクラブにも属しているほど。5年前にその映画のリバイバル上映があり、もちろん彼女もファンクラブの一員として参加。そのイベントに、車椅子のクリストファー・リーヴに代わり、リーヴが演じたリチャード役として出席していたデニス氏とばったり遭遇。一目で、恋に落ちてしまったそうだ。
 
結婚は最近したそうな。ボニーは二人が付き合うようになったいきさつを、それはうれしそうに、いっぱい、いっぱい、話してくれた。
 
そんな彼女にあきれてデニス氏は言う。
 
「彼女は僕に尽くし、僕は、クリストファー・リーヴに尽くすのさ」
 
そう。デニス氏はクリストファー・リーヴの話になると、語り口調が熱くなる。
 
「彼は本当にすばらしい人だと思う。頭もいいし、人間的にも最高だ」
 
クリストファー・リーヴが亡くなった時は、彼を偲んで、2週間ハリウッドに立つのを控えたと言う。まるで親しい友人をなくしたかのように声のトーンが変わる。ボニーもそのときのことを思い出して、一緒にうなずく。
 
このカップルの生活は、あきらかにスーパーマンとクリストファー・リーヴを中心にまわっているのだ。
ブランドン・ラウスからもお墨付き
デニス氏に、アメリカでは6月下旬に公開された新作、『スーパーマン・リターンズ』について聞いてみた。
 
「やっぱり、僕はクリストファー・リーヴに思い入れがあるからね。どうしても、そっちのほうをひいき目に見てしまうんだ。ブライアン・シンガー(監督)のビジュアルはすばらしかったけれど、ブランドン・ラウス(主演の俳優)の演技はちょっと硬かったかな」、とちょっと厳しい。
 
実は、私はこの映画を見て、ブランドン・ラウス君の大ファンになってしまったんですけどね。
 
でも、そんなことは、もちろん言わない。
 
だって、こんなにスーパーマンを背負って今まで生きてきたのに、しかも役者さんでもあるのに、今回の映画の役がやれないっていうのは、寂しいんじゃないかなあ……。
 
「オーディションとか受けなかったんですか?」と聞いてみると、
 
「ハリウッドでは、五万と俳優がいるからね。写真を送っても、キャスティング・エージェントは、ダンボール箱の写真の束の中に入れて、見向きもしないんだ」と、悔しそう。
でも、そっくりさんとして、今回の映画のイベントにいろいろ借り出され、ブランドン・ラウス君にも会えたそう。
 
「そのとき、彼がなんと言ったと思う?」
 
と私にうれしそうに聞くデニス氏。
 
「なんといったのかしら?」と聞いてみると、ブランドン君の表情を真似て、
 
「ちょっと、すっごいぜ! この人は僕よりも、クリストファー・リーヴにそっくりだ!」
 
ボニーもその時のことを思い出して、「そうそう!」と、うれしそう。
 
ちなみにデニス氏は、ブランドン君からのサインだけでなく、オリジナルのキャストから、最新映画のキャストにいたるまで、色々な人からのサインと写真のコレクションも持っている。ツーショットで一緒に写っているものも少なくない。
「そっくりさん道」を極める
本業の俳優業以上にひょっとしたら成功してしまった「そっくりさん」の道を楽しんでいるように見える。
 
ごく最近も、飛行場で、見知らぬ老人がつかつか歩み寄り、「君の映画を昨日見たよ。スーパーマン、すばらしかった」と握手を求めてきたという。
 
そのような人に対して、最近のデニス氏は素直に対応し、「どうもありがとう」と答えるようにしているという。
 
「あの老人に、あれは僕じゃないと言っても混乱させるだけさ。かれの映画の楽しみを奪いたくないからね」
 
もともとは、自分の俳優業のプロモーションにもなる、と軽い気持ちでスーパーマンの格好を始めたデニス氏。今では、旅行や仕事で休む以外は、年中無休でハリウッドに立っているそうだ。
 
「スーパーマンは僕らがいなくなっても、永遠に生き続けるのさ。永遠のスーパーヒーローだからね。」
 
14年近くもハリウッドに立ち続けてきた「街角スーパーマン」。この後、何年この姿で立ち続けることができるだろう?
 
「歳をとったら、整形してでも立ち続けるさ」と冗談交じりに言っていたが、彼の頭に白髪が混じるころには、ボニー夫人と一緒に、ハリウッドに「スーパーマン・ミュージアム」でも建てていることだろう。
 
夢と挫折と熱い情熱が入り混じった彼のアパートを後にしながら、「ハリウッドには本当にいろいろな人がいるなあ……」と思った。
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デニスさんは「スーパーマン・リターンズ」の日本のグッズを集めているそうです。
プレミアチケットやパンフレットなどある方は、「是非ご連絡ください」と。「特に映画配給会社のかたで、いらなくなったプロモーション・グッズやプレミア・チケットがあれば、最高です」とのことでした。
 
<連絡先>
Christopher Dennis
Email:kryptonson1978@hotmail.com
Tel: (323)969-9782
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