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プロデューサーの井関惺さん、おめでとうございます! 井関さんにはチェン・カイコー監督『始皇帝暗殺』の中国ロケでお世話になりましたが、同作品は公開直前まで編集し直す紆余曲折アリ。製作総指揮を務めたツイ・ハーク監督『霊戦英雄伝』(02)はツッコミ甲斐のある作品でして……(苦笑)。が、本作品は同じく“アジアの才能を集結”がウリだった『プロミス』なんて鼻で笑っちゃうくらいの、見事なコラボレーションです。特に川井憲次さんの音楽と、子団役の台湾俳優ウー・チーロンに萌え~。ただ『オールドボーイ』『鉄コン筋クリート』に続き、日本コミックが原作。またも海外の監督に一本とられたッ!って感じで、ちょっと悔しいですな。 |
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大作なのに地味、だ。だって「守る」映画だから。攻撃されるのをじっと待っている映画なのである。そりゃ地味だよ。アンディはふらりとやってきて、みんなをまとめ上げる策士。西部劇のヒーローみたいな感じだ。ファン・ピンピン演じる女兵士も彼に夢中。このピンピンさん、ポップな名前にふさわしくアニメ声の持ち主。しかもアンディを誘惑するも断られて「あなたって、いつもそう」と、わかったような口を利く。それは何かあった男女の台詞では? 恋の展開だけ妙に唐突。クールな役のはずのアンディすら、突然、彼女を目で追って、はにかんだりしちゃってるんである。真面目に戦え! 王様は完全に悪者なのだが、彼が怒っちゃう気持ちに私は賛同だな。 |
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「三国志演義」の英雄たちにも似たヒロイックな魅力が、アンディ・ラウふんする墨者には確かにある。頭脳的でストイック、リーダーシップがあって心優しい。男子はこうあるべし、という見本のようだ。が、大きな減点はヒロインにあり。騎馬隊長という身分にもかかわらず顔には傷どころか戦闘の汚れさえなく、ツルツルの美肌全開。加えて、うわっついた声のトーンは時代劇にまったく似合わず、ミスキャストとさえ思えてしまう。演じるファン・ビンビンさん、他の映画で見たらチャーミングで綺麗な女優さんだから絶対にファンになっていたと思うと、もったいない。こんな女に惚れた理由がわからず、墨者も男を下げてしまったような気がする。惜しい。 |