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今週のクローズアップ エイドリアン・ブロディ

 週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は6月16日公開の『ハリウッドランド』に出演しているエイドリアン・ブロディをクローズアップします。『戦場のピアニスト』に主演して、史上最年少でアカデミー主演男優賞を受賞した本格派のブロディ。徹底的に役を追求していく独特な演技スタイルでさまざまなキャラクターに挑戦してきた作品とともに、ブロディの役者ヒストリーを振り返ってみましょう。
骨と皮のパンク少年役! リンチシーンで、鼻を折られる!の巻

 ニューヨーク州ブロンクスで生まれたエイドリアンは、写真家の母の被写体として、幼いころからモデルをしていました。彼が、俳優への道を進みだしたのは12歳のとき。ニューヨークにある演劇学校に通い始め、一年後には名門スクール・オブ・パフォーミング・アーツに入学します。


 “ビューティフル・ボーイ”なんてニックネームのとおり、かわいい顔をしていたエイドリアンくんは13歳のときに、テレビ映画で主演デビュー! いくつかの映画に出演はしたものの、メジャー級の映画にはなかなか恵まれず、ようやく手に入れたテレンス・マリック監督の『シン・レッド・ライン』の大役も、なんと編集段階で大幅にカット! そんなついていない、エイドリアンでしたが、スパイク・リー監督の『サマー・オブ・サム』で一気に注目を浴びます。本作でエイドリアンが演じたのは、殺人鬼“サムの息子”と間違えられてリンチされてしまうパンク少年のリッチー。淋しげな瞳と、何を食べて生きてるんだろう……と思ってしまうほどの細身の皮パン姿は、まるで本物のパンクミュージシャン! ですがリンチシーンの撮影中、実際に鼻を折られてしまうという悲劇が! 自慢の鼻が曲がってしまったエイドリアンは、ガン切れ状態だったそうです……、運が悪すぎて切なくなります。


 
鼻を折られる以前のブロディ少年。ごきげんです
Buena Vista Pictures/Photofest/Media Vast Japan
ホロコーストのピアニスト役! いきなりアカデミーをとったど~!

 『サマー・オブ・サム』で俳優の命である顔を傷つけられて、すっかり意気消沈していたエイドリアンは、2002年、彼の人生そのものを大きく変えることになった『戦場のピアニスト』に出会います。本作で、ナチスに迫害され、ワルシャワ・ゲットーで過酷な収容所生活を強いられながらも、最後まで生き抜いた実在のピアニスト、ヴワディスワフ・シュピルマンを熱演。


 エイドリアンは、役作りに没頭。精神的な準備のために、ニューヨークっ子には欠かせない夜遊びも完全に断ち切った上、15キロものダイエットを敢行。ピアノの演奏も完璧にマスターしたエイドリアンは、ポランスキー監督の現場で徹底的にしごかれたと言います。
そして、役者として精神的にもタフになった彼に待ち受けていたものは、頑張った自分への最高の“名誉”でした。それは、“史上最年少アカデミー主演男優賞”! 予想だにしていなかった自分の名前を、呼ばれると、感動のあまりプレゼンターのハル・ベリーにぶっちゅ~~~! フレンチならまだしも、熱烈なディープキスで会場は騒然とさせ、一躍、時の人となったのでした。

 

 
ぶっちゅ~~~
ABC/Photofest/Media Vast Japan
敵はキングコング! 初めてのCG映画に大健闘!

 アカデミー賞のみならず、フランスのアカデミー賞と呼ばれているセザール賞も受賞したエイドリアンは一気にスター俳優の仲間入りをしました。ところが、『戦場のピアニスト』の後に出演したM・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』は大コケ……。またまた運が傾いてきたの!? と心配になってしまいましたが、失敗作といわれた『ヴィレッジ』でもエイドリアンが演じた知的障害者の役は、批評家たちから好評価を受けたのでした。


 そして、『戦場のピアニスト』から3年後。エイドリアンが出演したのは、なんと『キング・コング』! ピーター・ジャクソンとの初のコラボレーションで、知的な劇作家をセクシーに演じて、役者“エイドリアン・ブロディ”の健在ぶりを見せつけてくれました。それでも、エイドリアンにとってグリーン・バックを使用したCG撮影はかなりショッキングだったようで、グリーンバックを背に何もないところに向かって「ごっついサルだ~! ひえええ」なんて言いながら、走ったり、逃げたり、叫んだりしている自分に軽くウケていたそうな……。一番の強敵は、共演者の“見えない”キング・コングだったに違いありませんね。


おサルは大好きなのよん!
Jesse Grant/WireImage.com/Media Vast Japan
スーパーマンの死を追う私立探偵! 今度は、めちゃ渋エイドリアンです

 独特な演技スタイルを、“若いころのロバート・デ・ニーロ”だとか、“若いころのアル・パチーノ”だとか言われているエイドリアン。そのたびに、「僕は、若かりしエイドリアン・ブロディだよ」と返答している彼は、あくまでオリジナルな演技を追求し続けているようです。


 そんなエイドリアンが、独自のスタンスで演じ上げるのが『ハリウッドランド』の私立探偵シモンズ。本作は、1970年代にスーパーマン役を演じていた俳優の、死の真相に迫るサスペンス・ドラマ。実際にハリウッドで起き、いまだ未解決のままのこの事件。ハリウッド史上最もスキャンダラスと言われているこの事件の真実を暴くシモンズは、作品のキーパーソンでもあります。「シモンズは、明らかに“ハリウッド・ランド”の人間……でも、ハリウッドの業界人ではないってことをいちばん大切にした。そして一番大事なのは、このシモンズだけは、実在していないってことだよ」と語ったエイドリアン。怪死したスーパーマン役のジョージ・リーヴスを、彼の話し方から、身のこなし方までを徹底的にリサーチして演じたベン・アフレックと対照的に、事件についてもそれほどリサーチをしなかったというエイドリアンは、どんなシモンズ像を演じるのでしょうか? またまた違った顔を見せてくれるエイドリアンの“シモンズ”は見逃せません!


新しいエイドリアンに期待度満点です!
Focus Features/Photofest/Media Vast Japan
文・構成:シネマトゥデイ編集部

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