英題:MICHAEL CLAYTON
監督:トニー・ギルロイ
キャスト:ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、シドニー・ポラック

ニューヨークで最大の大手法律事務所に務める男、マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)。一見すると、順風満帆な人生を歩んでいるように見える彼には、もう一つの顔があった。それは、大手法律事務所の中にある“不祥事のもみ消し人”。家庭での不和、ギャンブルによる多額の負債、ストレスフルな“もみ消し人”の仕事で疲れ切ったマイケルは、ある危険な決断をするが……。 |
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大ヒットを飛ばしている『ボーン~』シリーズの第1作『ボーン・アイデンティティ』を監督したトニー・ギルロイが脚本を担当した本作。ジョージ・クルーニーが、ニューヨーク最大の法律事務所の“不祥事の揉み消し人”として働く男をシリアスに演じている。『オーシャンズ13』などでの軽快な演技には、観客からの支持も熱いジョージだが、『さらば、ベルリン』や本作のように、シリアス路線を演じる作品の観客への受けは、あまり良くないようだ。また、本作も『オーシャンズ13』『さらば、ベルリン』で組んだスティーヴン・ソダーバーグが製作を担当しており、ポップな作品から、モノクロ作品まで、さまざまなジャンルや手法にチャレンジしてきた2人が見せる“サスペンス”に、批評家からの注目度は高かった。彼らの期待を裏切ることなく、完成度の高いサスペンスとして好評価を得てはいるものの、一般の観客からの支持は得られず、拡大上映後の成績は4位と『オーシャンズ13』のような大ヒットとはいかなかった。 |
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<シドニー・ポラック>
本作でも、いぶし銀の演技を見せているシドニー・ポラックは、イケメンというよりイケ“オジイサマ”になりますが、73歳になった今でも大人のセクシーさを見せる知的な魅力たっぷりの方です。シドニーは、もともと俳優を目指してニューヨークに出てきたそうですが、テレビドラマの監督の仕事をするようになり、1969年に監督した映画『ひとりぼっちの青春』が、何とアカデミー賞9部門にノミネートされるという大快挙を成し遂げたのです。役者としても、さまざまな映画に出演するかたわら、ダスティン・ホフマン主演の『トッツィー』『追憶』など数々のヒット作を生み出していきました。最近では、ニコール・キッドマン主演の『ザ・インタープリター』で、手に汗握るサスペンスを演出。まだまだ監督として健在振りを見せてくれました。また、元女優の奥様クレアとは1958年に結婚して以来、何と来年には50周年を迎える、ハリウッドでは珍しいおしどり夫婦なのでもあります。 |