『ジェシー・ジェームズの暗殺』で主演したブラッド・ピットに限らず、悪名高きアウトローでありながら、伝説のヒーローに魅力を感じる役者は多い。実はコリン・ファレルも『アメリカン・アウトロー』で若き日のジェシー・ジェームズに挑戦。もっとも、彼が演じたジェシーはおちゃめなヒーローで、しかもハッピーエンドで終わる。んー、プラビ版ジェシーとはずいぶん異なる。そのジェシーと双璧と言っていいほど、アメリカで人気のアウトローはビリー・ザ・キット。彼を描いた作品も数多くあるが、中でも知られているのはエミリオ・エステヴェスがビリーを演じた『ヤングガン』シリーズ。公開当時、若手青春スターとして鳴らしていたチャーリー・シーンやキーファー・サザーラーンドら、私生活でも一緒にヤンチャしてた一派がビリーの仲間にふんして、爽快(そうかい)な青春群像劇を作っている。さらに、アウトローものの傑作として列記したいのは、ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッドという実在の強盗コンビの『明日に向って撃て』。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演で、列車強盗に成功した後の逃亡生活をユーモラスと哀愁を織り交ぜて描いている。名曲「雨にぬれても」をBGMにした自転車のシーンや、ストップモーションのラストシーンは製作されて40年近くたった今も新鮮だ。また、変わりどころでオーストラリアのジェシーと言われたアウトロー、ネッド・ケリーとその仲間たちの物語『ケリー・ザ・ギャング』も注目。先日惜しくも亡くなったヒース・レジャーにオーランド・ブルーム、ナオミ・ワッツらオージー俳優による西部劇。彼らの活躍を思うと、いろんな意味で、とても貴重な作品となってしまった……合掌! |
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『アメリカン・アウトロー』
コリン・ファレル
MORGAN CREEK / THE KOBAL COLLECTION / REDIN, VAN |
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『明日に向って撃て!』
ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード
WARNER BROS / THE KOBAL COLLECTION |
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『ケリー・ザ・ギャング』
ヒース・レジャー、オーランド・ブルーム
AUSTRALIAN FILM COMMISSION/WORKING TITLE / THE KOBAL COLLECTION / JONES, CAROLYN |
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