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第27回こはたあつこ「ロイヤル・ウエディングに潜入の巻」

うわさの現場潜入ルポ

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こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
第27回 ロイヤル・ウエディングに潜入の巻

取材・文・写真:こはたあつこ

皆さんはイギリスのロイヤル・ウエディングをテレビで見ましたか? いつもは映画関連の記事を書いているこはたですが、今世紀最大の王室の結婚式ですからね。こればかりは「映画より映画っぽいじゃないの!」とロンドンに行っちゃいました! でも、取材パスもない中、どこまでパレードに近づけるのか?

まるで野外ロックフェスティバル!?

4月29日の早朝。今日は雨がぱらつくと予報されていたので、レインコートやサンドイッチを詰めたリュックを背負い、カメラを片手に、目的地のビクトリア駅にいざ出陣! すると、いるいる! イギリス国旗のデザインを顔にペインティングした人や、ウィリアム王子とケイトの顔写真が載った旗を持った人、ロイヤル・ファミリーっぽいエレガントな帽子をかぶった女性たち。でも、浮かれているのはわたしだけ? みんな、脇目も振らずに黙々と歩いているんです。パレード見学の場所取りで急いでいるのね!

バッキンガム宮殿付近に着くと、大勢の人が芝生の上に敷物を敷いて座っていて、まるで野外ロックフェスティバルのよう。話しかけてみると、イギリスだけでなく、オーストラリア、アメリカ、ドイツやスイスなど、さまざまな国からの人たちが来ていました。また周辺には警官や、救急車などが待機し仮設トイレもかなりの数で設置され、さすがイギリス、万全の準備が整っています。

わたしが陣取ったのは、宮殿に向かって左に折れた道沿い。すでに数人が前に立っているので、景観ははっきりいってよくないんです。しかも、わたしは149センチというミニ身長。こんなことでパレードなんか見えるのかなあ?

イギリス兵のパレード!

場所取りを始めてから立ちっ放しで待つこと3時間半。しばらくすると兵隊のパレードがやって来ました! 赤い制服に黒い毛皮の帽子をかぶったイギリス兵たちです。ああ、思い出すわ。小さいころ、イギリス兵の形をしたホコリ取りをピアノ拭きに使っていたのよー。

そうこうしていると、誰かが叫ぶ。「黒塗り車が宮殿から出てくるわ! 白い服が見えたら、ケイトの車よ」 ああ、見たい! でも見えない! みんなしゃがんでくれー! くくくーーー、背伸びがつらい! つま先立ちが疲れるよー、と結局見えずじまい。

それから待つこともう1時間。野外スピーカーから、男性の威厳ある声が聞こえてきました。ウェストミンスター寺院での挙式が始まったようです。手元にあったプログラムをなぞりながら式の進行に聞き入ります。ウィリアムとケイトが正式に結婚した瞬間、辺りから大きな歓声が。周辺が一体感に包まれます。

挙式の後はもちろん新郎新婦を乗せた馬車がバッキンガム宮殿に到着する予定。これが撮れれば本望です! すると周りが急に歓声を上げ始めました。「ああ、あれよ、あれよ! キレイね」

「今度こそは!」と、見えないながらもカメラを頭上に上げ、あてずっぽうにシャッターを押したら、豆粒サイズで馬車が写りました! うれしい!

警官の誘導でバルコニーまで突進!?

6時間立ちっ放しでこれだけ……。しかも、無理な格好で写真を撮ろうとヨガ顔負けのねじりポーズでがんばったので、足と腰がガタガタです。落胆していると、そばのガードが開いてバッキンガム宮殿の広場の中に入れることに! 群集を広場に入れる入り口は数か所しかないのですが、たまたま、すぐそばのフェンスから入れることになったのです。何とラッキー! これだったら、バルコニーのそばまで行けるかも!

喜んでいると、目の前に警官たちが10人ほど横に並んで誘導し始めました。いっぺんに群集を入れると、パニックでケガ人が出るためですね。警官たちが歩くスピードをコントロールしてくれなかったら、結構怖いです。後ろから押されて踏み倒されそう。

そんなギューギュー詰めの状態で、しばらく歩いては止まり、また歩いては止まり。そんなことを繰り返しているうちに、何と宮殿のバルコニー前の門まで来てしまったではないですか! やったぞー! これだったら、絶対に見えるはず!

果たしてロイヤル・カップルは見えたのか!?

広場全体に歓声が響き渡り、いよいよロイヤル・カップルの登場です! このために苦労したかいがあったぞー!

ところが、歓声が上がったと同時に前の人たちが一斉にカメラを頭上に上げてシャッターを押し始めたのです。ただでさえ、背の高い人たちがいっそう高く立ちはだかったので、何も見えないのです。「あ、白い何かがチラッと見えた。あれはケイト!?」と思うと、今度は赤い何かがチラッと見える。これがウィリアム? ああ、2人の顔が見えた! と思うと、今度は黄色いドレスがチラッと見えて、これがエリザベス女王?

わたしも負けじとカメラを頭上に上げ、見えない中、シャッターを押しまくる。カメラをチェックしてみると、オートフォーカスが宮殿のフェンスの方に焦点が当たってしまい、その後ろにいるロイヤル・カップルの顔がめちゃボケではないですか!! もう一度トライ!今度は前の人の頭にフォーカス。ガーン! 早くしないとお披露目が終わってしまうと焦っていると、またまた大きな歓声が。ああ、おそらく2人のキスだわ! 早く、早く! オートフォーカスを解除するのはどうやったっけー!?

……というわけで、立ちっ放しで7時間も待機したのに、ロイヤル・カップルの姿はほとんど見られずじまいでした。

~あとがき~

ロイヤル・ウエディングの2日後にギックリ腰になり、帰りの飛行機では車椅子初体験をするハメになってしまった今回の潜入。それでも、この歴史的瞬間に立ち会えてうれしかったです。30年後に今回のロイヤル・ウエディングの群集映像が流れたら、「おばあちゃんはここにいたのよ」と豆粒のような群集写真を指差して誰かに自慢してやるんだーい!

無料の旗を配る人。よく見たら雑誌の宣伝の旗だった
ひょうきんなポーズをとるイギリスの警官。アメリカと違って親切で優しい
わたしが陣取った場所。バッキンガム宮殿が後ろにチラッと見える
宮殿付近のセント・ジェームズ公園。上野公園の花見客のような混雑ぶり
イギリス兵のパレード
かろうじて写した馬車。誰が乗っていたかわからない。ピンボケでゴメンね!
宮殿広場に流れた群集。皆バルコニーの写真を撮っている
宮殿のバルコニーゲートの真ん中で、もみくちゃされている自分
イギリスの旗をマントのように羽織った人が多かった
カナダから来た観光客。女王陛下のような帽子がかわいい
紋章の格好をした人たちも!
門の隙間からロイヤル・ファミリーをパチリ。結婚おめでとう~!
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