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~第34回 2011年8月~

INTERVIEW@big apple

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INTERVIEW@big apple

今月は、ドン・チードルブレンダン・グリーソンが共演した『ザ・ガード(原題) / The Guard』レイチェル・ワイズ主演の『ザ・ウィッスルブロワー(原題) / The Whistleblower』、そしてアン・ハサウェイジム・スタージェスが共演した『ワン・デイ(原題) / One Day』を紹介します。

7月25日ドン・チードルとブレンダン・グリーソンの掛け合いに爆笑 (ソニー・ビルディングにて)

『ザ・ガード(原題) / The Guard』

アイルランドの港町で自由奔放に暮らしていた警官ゲリー・ボイル(ブレンダン・グリーソン)。ある日、大掛かりな麻薬取引捜査のためにFBI捜査官ウェンデル(ドン・チードル)が町に現れ、ボイルと共にタッグを組んで捜査していくコメディー調のスリラー作品。監督はジョン・マイケル・マクドナー。今年のサンダンス映画祭で審査員特別賞にノミネートされた。

ドン・チードル、ブレンダン・グリーソン、ジョン・マイケル・マクドナー

『オーシャンズ11』『ホテル・ルワンダ』などで知られる実力派ドン・チードルは、超フランクな人柄で好感度大/ドン・チードル(右)と、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』のマッド-アイを演じた個性派ブレンダン・グリーソン(左)の、ボケ&ツッコミに記者たちは大喜び

この日、『ザ・ガード(原題) / The Guard』の取材の一時間前にドキュメンタリー映画『ライフ・イン・ア・デイ(原題) / Life in a Day』の取材があり、マンハッタンの西側から東側にあるソニー・ビルディングに20分くらいで急いで移動! 取材現場に着くと、ジョン・マイケル・マクドナー監督と、俳優ドン・チードルブレンダン・グリーソンという二つの部屋が用意されていた。指定された部屋に行くと、インタビュー中、オーディオ・レコーダーの前でパソコンのタイプを打つという非常識なボストン・ヘラルド紙のスティーブン・シャイファーがいたため、「オーディオを翻訳するオレの身にもなってみろ!」と苦々しく思いつつ、別の部屋に移動した。ところが別の部屋に移動すると、前の部屋より明らかに記者の数が多く、おそらく一問ぐらいしか質問できないだろうなぁと不安に。

結局、予定開始時刻より40分以上も待たされ、俳優ドンとブレンダンが登場。まず、ブレンダンのがっしりとした体格が注目を浴びていた。記者たちがそれぞれ氏名と執筆媒体名を挙げると、「君たちの名前を忘れてしまったからもう一度やり直して!」と、ドン・チードルがジョークを飛ばして取材が始まった。初めに記者から制作の経緯について聞かれたドンは、ブレンダンとの出会いから語り始め、「ブレンダンがゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞したテレビ映画『チャーチル 第二次大戦の嵐 / Into the Storm』に影響を受けた」と話していると、ブレンダンが横で「(ゴールデン・グローブ賞ではなく)エミー賞だけどね……(笑)。まぁ、賞を受賞したことには変わりないよな」と突っ込みを入れたものだから、記者たちは大笑い。さらにドンは、撮影中にブレンダンのセリフがあまりにもおかしくて吹き出してしまい、何度も撮り直したそうだ。それ以降は、この映画でブレンダンが演じたキャラクター、ボイルが人種差別的な発言をしているにもかかわらずあまり嫌われない理由に関する質問が集中。10分以上続いたため、少々僕は焦り始めたが、結局、取材時間が17分しかないだけに質問が殺到し、一問も質問できなかった……。最後の写真撮影には、2人とも機嫌良く応じてくれた。インタビューは超タイトで慌しかったが、ドンとブレンダンのユニークな掛け合いを楽しめた。

7月27日電撃婚したのち、いっそう輝きを増したレイチェル・ワイズ (リージェンシー・ホテルにて)

『ザ・ウィッスルブロワー(原題) / The Whistleblower』

ネブラスカ州で婦人警官をしていたキャサリン・ボルコヴァック(レイチェル・ワイズ)が、ある日国連平和維持軍のメンバーとして紛争後のボスニアに派遣される。そこで彼女が少女たちの人身売買を目撃したことから、国連をも巻き込む大事件に発展していくスリラー作品。衝撃の実話を重厚なタッチで描いた話題作。

レイチェル・ワイズ、ラリッサ・コンドラッキー、イーリス・カーワン、キャサリン・ボルコヴァック

ボスニアの人身売買を告発するヒロインのモデルとなったキャサリン・ボルコヴァック(左)と、ヒロインを演じるレイチェル・ワイズ(右)/左から脚本家イーリス・カーワン、キャサリン・ボルコヴァック、レイチェル・ワイズ、ラリッサ・コンドラッキー監督

ついこの間、レイチェル・ワイズダニエル・クレイグと極秘結婚したため、僕はこの映画のパブリシストから、事前にe-mailで「プライベートな質問は一切なしで!」と念押しされていた。特にゴシップ系の話には興味のない僕だが、「別に結婚生活について聞くぐらい、そんなに神経質になることもないのに……」とも思った。4人の取材対象の中では、何といってもレイチェル・ワイズの美ぼうが際立っていた(この中で、彼女が唯一の女優なので当たり前ではあるが……)。彼女は結婚したばかりというのもあって、いっそう美しいオーラが増したようだった。登壇するなりレイチェルは「この部屋はクーラーが効き過ぎじゃない?」と言って、ジャケットを羽織った。一方、ヒロインのモデルとなったキャサリン・ボルコヴァックは、撮影の一週間前にレイチェルに会ったそうで、「レイチェルのように頭が良くてきれいな女性が自分を演じるなんて、とてもクールだと思ったわ!」と喜んでいた。さらにキャサリンは、レイチェルがキャサリンの性格を忠実に表現することを重要視したことも明かした。レイチェルは役づくりにあたってキャサリンと会い、できる限りの情報を彼女から聞き出したそうだ。記者会見は順調に進み、「国連から批判的な反応を受けなかったのか?」という質問に及ぶと、ラリッサ・コンドラッキー監督は、国連の声明文が記載された記事を約4~5分にわたって読み上げた。僕はまだ一問も質問していなかったので、かなり時間を取られてしまったな……と焦ったが、重要な内容であったため、誰も彼女を止められなかった。

ちなみにレイチェルは、この映画をオファーされたときにすでに妊娠していたため、一度は出演を断念したそうだが、脚本の内容が興味深かったために、2年後に再びこの作品にアプローチをして出演が決まったらしい。会見の中で特に印象に残ったのは、キャサリンが「人身売買の被害を受けている女性たちはいまだに世界中にたくさんいる」と語っていたこと。記者会見も中盤にさしかかったので、僕はそれまで集中していた人身売買にかかわる質問を避け、監督のラリッサに、この映画の作曲を担当し、アトム・エゴヤン監督作品などで知られている作曲家マイケル・ダナについて質問した。なんでも、彼女がマイケルのレコーディング・スタジオに行った際、1億円もするチェロが置かれていて、怖くてそのチェロに近づけなかったらしい。さらに僕は、脚本の構成について尋ねた。通常記者会見では、1問質問するのがやっとだが、今回は10人程度の少人数の記者会見だったため、割と自由に質問でき、僕としては満足できる取材となった。

8月9日アン・ハサウェイ、猛烈な売り込みでヒロイン役を獲得! (ウォルドフ・アストリアにて)

『ワン・デイ(原題) / One Day』

1988年、大学の卒業式に出会ったデクスター(ジム・スタージェス)とエマ(アン・ハサウェイ)は、20年間無二の親友として支え合ってきたが、その関係が徐々に変化していくというロマンス作品。デヴィッド・ニコルズの同名小説を、『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ監督が映画化。

ジム・スタージェス、アン・ハサウェイ、ロネ・シェルフィグ

長年付き合っている恋人について明かしたジム・スタージェス/第82回アカデミー賞をにぎわせた『17歳の肖像』で一躍脚光を浴びたデンマーク出身のロネ・シェルフィグ監督

取材地のウォルドフ・アストリアに着いてエレベーターに乗ろうとすると、なんと前日に取材したケイティ・ホームズと鉢合わせ! 彼女はパブリシストとしゃべっていたため、声を掛けられなかったが……。取材時間まで時間があったので用意された朝食を持って取材部屋に入ると、いきなりホテルの火災報知器が鳴り始めた! しばらくすると「現在、状況を確認中です」というアナウンスが流れたのでヒヤヒヤしたが、のちに誰かが誤って火災報知器のボタンを押したことが判明。取材に差し支えなさそうだったので「まったく人騒がせなやつだな!」と、胸をなでおろした。その後、友人の女性記者と話し込んでいたら、結局朝食を食べないまま取材が始まってしまった(結局、この日は夕方までろくに食事ができなかった……)。最初に現れたのは白いシャツを着たジム・スタージェスで、黒目がちの目が印象深かった。この映画では20年にわたる男女の関係が描かれていて、ジム自身も「今の恋人との付き合いは長いんだ」と明かした。さらにジムは、撮影中にアン・ハサウェイと、それぞれが聴いているバンドのCDを交換していたことも教えてくれた。ちなみに、ジムは15歳のときからバンド活動をしていて、彼の恋人もミュージシャンであるため、共に作曲することもあるそうだ。そして最後に、俳優になるために養成学校などに通ったことはないと語っていた。

次に、真っ白な顔のアン・ハサウェイ。大きな目と、メイクの濃さが目に焼き付いた。結構きれいな女優であるはずだが、目元のメイクに少し違和感が(個人的には劇中の方がきれいに見えた)。アンはこの役を直接オファーされたわけではなく、何度か行われたロネ・シェルフィグ監督とプロデューサーたちとのミーティングで、彼らを納得させて主役を射止めたそうだ。この役を演じるにあたってアンはイギリス英語のアクセントに挑戦し、年を重ねるごとに上達していく過程を表現するのに苦労したらしい。「男女が長年、友人関係を保つことは可能なのか?」と質問されると、アンは「ゲイならね!」と笑って答えた後で、実生活でゲイの友人が多いと話していた。舞台にも出演してみたいが、今は『バットマン』シリーズ最新作『ダークナイト・ライジス(原題) / The Dark Knight Rises』のことで頭がいっぱいだそうだ。最後にアンは、「今でも女優として自信がない」と繊細な部分をのぞかせていたのが印象深かった。しかし、その不安な要素が、努力を重ねることのモチベーションになっているようだ。そんな繊細な彼女は、取材用の撮影を許可してくれなかった……。

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