間違いなしの神配信映画『ジェラルドのゲーム』Netflix

神配信映画

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注目の監督編 連載第5回(全6回)

 ここ最近ネット配信映画に名作が増えてきた。NetflixやAmazonなどのオリジナルを含め、劇場未公開映画でネット視聴できるハズレなしの鉄板映画を紹介する。今回は全6作品、毎日1作品のレビューをお送りする。

妻を襲う恐怖描写と共に人間ドラマを紡ぐ

ジェラルドのゲーム
『ジェラルドのゲーム』より

『ジェラルドのゲーム』Netflix

上映時間:103分

監督:マイク・フラナガン

キャスト:カーラ・グギーノブルース・グリーンウッドヘンリー・トーマス

 郊外の静かな湖畔のほとりに建つ別荘に到着する夫婦、ジェシー(カーラ・グギーノ)とジェラルド(ブルース・グリーンウッド)。ここに来たのは都会の喧騒を離れアブノーマルなセックスを試し、倦怠期を乗り越えるためだ。心置きなく楽しめるよう、滞在中には誰も来ないよう手配済みである。

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ジェラルドのゲーム
『ジェラルドのゲーム』より

 ジェシーはセクシーなスリップを着た姿で、2つの手錠により左右の手首をベッド両側の柱にくくられて仰向けになっている。ジェラルドは用意してきたバイアグラを飲み、ベッドの上のジェシーに対し乱暴に迫ろうとするが、そこで突然胸が苦しくなり、なんとその場で絶命してしまう。

 困ったのはジェシーだ。手錠によってベッドから離れられず、食事もできない、助けも呼べないという極限状況に陥ったのだ。さらに悪いことに、そこに野良犬が現れ、床に倒れた夫の死体をむさぼることで人間の肉の味を覚えてしまう。果たしてジェシーは助かるのだろうか……?

ジェラルドのゲーム
『ジェラルドのゲーム』より

 『ジェラルドのゲーム』は、このように視聴者の興味を惹くシチュエーションスリラーのかたちで始まる。だが本作は、あらゆる“恐怖”を描いてきた、ホラー作家のスティーヴン・キング原作だ。ここでは、ジェシーが少女時代に見た“日食”という、彼女の過去の記憶をたどるかたちで、背筋が凍るような恐怖が描かれていく。日食が見慣れていた太陽の姿を別のものにしてしまうように、普段から知っているはずの近しい人間が、実は別の顔を持っていたということに気づく瞬間に訪れる恐怖こそ、もっとも恐ろしいものなのかもしれない。

ジェラルドのゲーム
『ジェラルドのゲーム』より

 命の危機のなか、ジェシーは死んだはずの夫や父親、そして自分自身の姿をした幻影や幻聴にさいなまれる。興味深いのは、彼女が自分の意志で生きようとするのを、男たちの幻影が阻止しようとすることだ。それは、彼女が今まで男性によって自由意志を支配されてきたことを示しているように思える。

ジェラルドのゲーム
『ジェラルドのゲーム』より

 ジェシーがついに恐怖を象徴する存在に真正面から対峙(たいじ)するとき、自分を縛りつける者たちとの精神的な最終決着を迎えることになる。その対決するべき存在とは、性差別的な偏見や既成概念が、あらゆる細部まで染み込んでいる社会のなかで、多くの女性たちが直面している問題そのものではないだろうか。それを乗り越えなければ自由意志を獲得し得ないとすれば、女性にとってあまりに不公平である。本作はジェシーという一人の女性の内面を描くことで、そんな社会の姿をも映し出しているように思える。

ジェラルドのゲーム
『ジェラルドのゲーム』より

 本作を娯楽作品として成立させた上、見事に重厚なテーマを描くことに成功したマイク・フラナガン監督は、同じくNetflixで、丘の上の呪われた館を舞台にしたドラマシリーズ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」でも手腕を振るっている。恐怖描写とともに人間ドラマを紡いでいく手法は、ここでも健在だ。(文・小野寺系)

Netflixオリジナル映画『ジェラルドのゲーム』独占配信中

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