『スター・ウォーズ』の奥行きが深まるネタの宝庫!

今週のマンダロリアン

 『スター・ウォーズ』のスピンオフ、「マンダロリアン」のチャプター10「乗客」(シーズン2第2話)が配信! 今回はベビーヨーダが大活躍!? 孤高の賞金稼ぎとフォースの力を持つザ・チャイルドの旅はまだまだ続く! (文:平沢薫)

※ご注意:このコンテンツは、「マンダロリアン」シーズン2についてネタバレが含まれる内容となります。後半の「もう観ちゃった方向け」はご注意ください。

今週のマンダロリアン(シーズン2)連載:第2回

<これから観る方向け:ネタバレなし>監督は『アントマン』シリーズのペイトン・リード!

マンダロリアン
(C)2020 Lucasfilm Ltd.

 シーズン2の第2話となる今回の監督は『アントマン』シリーズのペイトン・リード。コミカルなテイストが得意なこの監督らしいシーンが、あちこちにあるのも楽しい。

 そのコメディー的な部分の多くを担うのが、ザ・チャイルドなのも今回のポイント。前シーズンでも口から何か音を発していたが、このエピソードではその音が声に近づいたような? 何しろ長寿の種族なので成長速度は遅いが、今回の動作の中には、赤ん坊から幼児に成長しつつあることを感じさせるものもある。そして、普通の子ども同様、ただかわいいだけじゃない行動もする

 脚本は前エピソードと同じ、本作のクリエイターであるジョン・ファヴロー。今回も大冒険活劇が展開し、旧作とのリンクもたっぷりだ。

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<もう観ちゃった方向け:ネタバレあり>「フォースと共にあれ」が初登場!

マンダロリアン
Xウィングだーーーーーーーーー!(C)2020 Lucasfilm Ltd.

 思い起こせばシーズン1は、同じ世界観をキープしつつ、エピソードごとにタイプの違うドラマが展開するのも魅力だった。そこはこのシーズン2でも変わらず、今回はモンスター冒険活劇の巻。マンドー(ペドロ・パスカル)とザ・チャイルドの旅に大きな進展はなく、ボバ・フェット(テムエラ・モリソン)が登場しないのは少々物足りないが、クリーチャーの大群とのバトル、Xウィングとの高速チェイス、ザ・チャイルドのおちゃめなシーンなど、たっぷり楽しませてくれる。

 そして今回もリンクが満載で、チェックせずにはいられない。大挙登場するクモに似たクリーチャーは、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」に登場するクリクナにも似ているが、旧3部作からのコンセプト・アーティスト、ラルフ・マクォーリーが、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の惑星ダゴバにいる生物として描いたコンセプトアートを踏まえたもの。

 そして、整備士ペリ(エイミー・セダリス)が巨大なアリのような生物と遊んでいるゲームは、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)がやっていた賭けゲームのサバック。巨大アリのような生物は、今回の監督ペイトン・リードが『アントマン』シリーズの監督だからこそのジョークでもありそうだが、オンラインゲーム「スター・ウォーズ:ナイツ・ オブ・ザ・オールド・リパブリック(原題) / Star Wars: Knights of the Old Republic」に登場する、オルデラン出身の昆虫型知的種族キリックに似ている。ちなみにこの生物と今回の乗客は、同じ種族が第5話でマンドーが酒場カンティーナに入った時にも店内にいた。また冒頭でマンドーを襲撃する3人組の一人は、『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』に初登場した、爬虫類型ヒューマノイド種族のニクトだ。

マンダロリアン
推定年齢50歳の子ども。(C)2020 Lucasfilm Ltd.

 加えて今回は、セリフ内にもリンクがたっぷり。整備士ペリが肉を焼くドロイドにミディアム・レアを要求する時に言う「ローディアンじゃないの」のローディアンは、『スター・ウォーズ/新たなる希望』のカンティーナでハン・ソロ(ハリソン・フォード)に撃たれた、あの種族の名称。ちなみにこのシーンは、『スター・ウォーズ』のテーマランド、「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」内のレストラン・ロント・ロースターズで、ドロイドがポッドレーサーのエンジンで肉を焼いているディスプレイにそっくり。また、マンドーが乗客の話す言語を聞いて「それはハッティーズ語か?」と言うが、これはジャバ・ザ・ハットのハット族が使う言語。乗客のカエルっぽいルックスから連想したのかも。このほかにもリンクが満載で、氷の洞窟を見れば『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のワンパの洞窟を思い出し、マンドーがレイザー・クレストを修理してばかりいるのを見ると、ミレニアム・ファルコンがいつも修理中だったことを思い出してしまう

 しかし今回もっとも注目なのは、名文句「フォースと共にあれ」の本シリーズ初登場だろう。この言葉はどうやらこれまでとは違う使い方をされていて、マンドーが新共和国のパイロットたちとの別れ際に使い、彼らも「そちらも(And Also With You)」と返答するので、普通のあいさつになっているようだが、もちろんどちらもジェダイではないし、おそらくフォースとは何かも知らない。何しろこの時期のジェダイは、シーズン1でマンダロリアンの鍛冶屋が「ジェダイと呼ばれる魔術使い(sorcerer)」と語ったような存在なのだ。そんな世界なのに、この言葉が残っているとは。

 そういえば前回のチャプター9でも、整備士ペリがザ・チャイルドと再会して「フォースに感謝だ(Thank the Force!)」と言っていた。フォースという語は本来の意味を失って慣用句として残っているのかもしれない。こうして「マンダロリアン」は、この物語の時代に宇宙がどんな状況になっているのかを少しずつ描いていきながら、『スター・ウォーズ』全体の宇宙の歴史を豊かにしてくれる

 同時に、この世界でマンダロリアンがどのような存在なのかも描かれる。宇宙船が破損して生存自体が危うくなり、マンドーは旅を諦めそうになるが、乗客が「約束を守るのがマンダロリアンの掟でしょ。それは子どものためのおとぎ話なの?」と言う。すると、マンドーは立ち上がるのだ。そのカッコよさ。この地ではマンダロリアンが一種の神話的存在になっていて、マンドーはそれを誇りに思っている

 そして、目的地を目指す3人は旅を続ける。次のエピソードでは、今度こそ新たなマンダロリアンに出会えるのだろうか。だとしたらそれは誰なのか? 次回のドラマに期待しよう。

10月30日(金)よりディズニープラスにて独占配信中
(毎週金曜日17:00に新エピソードが配信:全8話)

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