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俺様天才外科医にハマる!痛快医療ドラマ「トラウマコード」何が面白い?

トラウマコード

 1月24日からスタートしたNetflixシリーズ「トラウマコード」が評判だ。「週間グローバルTOP10」(テレビ・非英語部門、1月27日~2月2日)では、「イカゲーム」シーズン2の連続首位記録を5週でストップさせ見事1位を獲得。韓国をはじめとする17の国と地域で1位を、63の国と地域でトップ10入りを果たしている。「今日のTV番組TOP10(日本)」でも好調など、年末年始、圧倒的な人気を集めた「イカゲーム」シーズン2に取って代わりつつある「トラウマコード」。一体何がそんなに面白いのか、探ってみた。(文・前田かおり)※本文には一部内容に触れる部分があります。

「トラウマコード」とは?

 「トラウマコード」のトラウマとは命の危機に関わる外傷のことで、重症外傷患者が搬送された場合に、救急医のみならず、外科医、整形外科医、麻酔医などが連携を取って迅速な対応を目的にしたシステムのこと。本作は、そのシステムが形だけで満足に機能していない大学病院の重症外傷チームを、紛争地域の最前線で多数の人命を救っていた天才外科医が立て直していく医療ドラマだ。現役の耳鼻咽喉科専門医が書いたウェブ小説を原作に、映画『コンフェッション 友の告白』で主演のチュ・ジフンと組んだイ・ドユン監督が演出を務め、ドラマ「アダマス 失われたダイヤ」のチェ・テカンが脚本を手掛けている。

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あらすじは?

トラウマコード

 かつて、韓国大学病院の重症外傷チームは有名な医師が担当していたが、激務によって倒れて以来、成り手が現れず、当直の外科医が持ち回りで何とか機能させていた。肛門外科の医師ヤン・ジェウォン(チュ・ヨンウ)が当直のある日、腹部に包丁が刺さったままの患者が緊急搬送され、パニックの中、重症外傷チームの教授として赴任したペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)が現れ、素早い判断と鮮やかな技術で患者の命を救う。

 ガンヒョクは国境なき医師団の元メンバーとして紛争地域で多数の命を救い、神の手を持つと言われる天才外科医だった。そんな彼が、「重症外傷チームを生まれ変わらせる」と宣言。ガンヒョクの医師としての高い使命感と技術に感銘を受けたジェンウォンは、彼の一番弟子になることを決意し、看護師チョン・ジャンミ(ハヨン)と、ろくに働かない上司に嫌気がさしていた麻酔科研修医のパク・ギョンウォン(チョン・ジェグァン)も集まる。だが、人を救えば救うほど赤字を出す外傷チームを厄介に思う者たちが潰そうとし……。

チュ・ジフン演じる型破りな天才ドクターがドハマり!

トラウマコード

 医療ドラマといえば、国内外を問わず、昔から鉄板の人気ジャンル。なかでも、救命の最前線をテーマにしたアメリカの「ER 緊急救命室」シリーズは医療ドラマの金字塔といわれ、日本でも「救命病棟24時」や「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」、近作では「TOKYO MER~走る緊急救命室~」が大人気。さらには「私、失敗しないので」が決まり文句の「ドクターX ~外科医・大門未知子~」のような強烈な個性を持つスーパードクターを描いたドラマも支持されている。本作の主人公ガンヒョクも、ある意味、大門未知子のように患者の命を救うことしか頭になく、相手が誰であろうが忖度もせず、ひたすら我が道を行くという天上天下唯我独尊みたいなキャラクター。そんな役に、チュ・ジフンがハマっている。

トラウマコード

 ジフンといえば、「宮(クン)~Love in Palace」のツンデレ皇太子役で大ブレイクし、ラブコメのイケメン枠で鳴らしてきたが、今や42歳のイケオジ世代。本作ではバイクをかっ飛ばし、ヘリコプターの操縦もすれば、そのヘリコプターから人をかついでロープで急降下なんてアクション俳優ばりの演技で楽しませる一方で、クールなビジュアルでスーツもバリッと着こなす年相応のダンディさもアピール。そして、「稼ぐために医者をやってるんじゃない。使命感だ」と言い放つ。鼻持ちならないが、そんなセリフが似合うカリスマ性を体現する。手術シーンで手袋をはめて“ドヤ顔”を見せるあたりは、もはや水を得た魚! 韓国で天才外科医を描いたドラマといえば、名優ハン・ソッキュ主演の「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズが有名だが、本作でジフンが新たな医療ドラマの顔になったと言っていいだろう。

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2025年シンデレラボーイが演じる弟子1号に大注目!

トラウマコード

 本作の魅力の1つが、そんなガンヒョクと、一番弟子となるジェウォンとのコンビネーションだ。医師一家の一人息子で韓国大学を首席で入学し、顔良し、性格良しのエリートで肛門外科の優秀なフェローというジェウォン。だが、初日にガンヒョクから“肛門”と名付けられて以来、ぼやきつつもガンヒョクの魔法のようなスキルに魅せられ、彼との仕事に喜びを見出していく。

 演じるチュ・ヨンウは「オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-」で、主演イム・ジヨン相手に愛する人を守るキャラクターを好演し人気が爆上がり! 2025年のシンデレラボーイと目される若手だ。本作では、人が好く、医師としての夢にあふれるジェウォンにこれまたぴったり。ジフンとの相性も良く、高身長の2人が肩を並べて手術室に向かうシーンや、白衣を翻しながら走りだす姿は、まさに絵になる。ラブロマンスは皆無の本作だが、代わりに彼らの師弟愛が見もの。特に、最終話の2人のやり取りには胸アツだ。

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 また、ガンヒョクが頼りにする看護師ジャンミにも注目したい。第1話でガンヒョクをヤクザと勘違いし、ひどい扱いをしたことから逆に“暴力団”と呼ばれるハメになる彼女だが、今までにあまり見たことがないような看護師像。演じるハヨンは「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」や「イ・ドゥナ!」などで清純なキャラクターを務めてきたが、本作ではそれとは真逆の男前なキャラクターで笑わせる。

 「サイコだけど大丈夫」や映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』のチョン・ジェグァンが演じる、レジデントながら麻酔科医としての能力をガンヒョクに買われてチームの一員になったギョンウォンも淡々としたキャラクターだが、存在感がある。三者三様だが、ジフン演じるガンヒョクの下でどう成長していく姿が楽しみになってしまう顔ぶれだ。

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痛快&爽快ドラマを成立させるカギは…名バイプレーヤーたち

 現役医師が書いた原作をもとにしているだけあって、多少グロい医療シーンのリアルな描写はもちろんだが、医療現場の現実的な問題点でもある、「人間の命を救えば救うほど赤字になる」といったセリフが出てきたり、患者のたらい回しに、疲弊していく現場スタッフの様子など、シリアスなシーンが多々ある本作。だが、韓国ドラマ御用達の名バイプレーヤーの絶妙なキャスティングによって、適度な笑いがまぶされていくのがいい。

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 たとえば、愛弟子ジェウォンを外傷センターに引き抜かれて、ガンヒョクを目の敵にする肛門外科の教授ハン・ユリムに「梨泰院クラス」の刑事役などで知られるユン・ギョンホ。患者のことより病院経営のことしか頭にない院長には、「復讐代行人~模範タクシー~」のキム・ウィソン、ガンヒョクたちを邪魔する感染内科の教授ホン・ジェフンには、“脇役の名品”の異名を持つ「貞淑なお仕事」などのキム・ウォネ。そして、ガンヒョクを後押しする大臣役には「愛の不時着」などのキム・ソニョンが務めている。

 全8話で1話50分程度、命を救う尊さを描きつつも、痛快&爽快さらには感動も残す新たな形の医療ドラマ。見たら、絶対に、続編を期待したくなるはずだ。

Netflixシリーズ「トラウマコード」は独占配信中

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