大河ドラマ「逆賊の幕臣」新キャスト【朝廷の人々】

 松坂桃李主演による2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」の新たなキャスト4名が発表された。大河ドラマ第66作目となる本作は、“勝海舟のライバル”と言われ、日本初の遣米使節として新時代の文明を体感した幕臣・小栗上野介忠順(松坂)を主人公にしたストーリー。脚本を、連続テレビ小説「おかえりモネ」やドラマ「きのう何食べた?」などの安達奈緒子が務める。新たに発表されたのは、江戸の幕府に京からプレッシャーをかける朝廷の人々を演じるキャスト。

眞栄田郷敦(考明天皇役)

 激動の幕末前夜に即位し、数え年23歳の年にペリーが来航。折しも御所が火事に見舞われ、避難時に京の町と民衆の姿を初めて目にする。国の安寧を守ろうと慣例を破って幕政に意見し「攘夷(じょうい)」を要求していくが、幕府が通商条約を無断で調印したため激怒。天皇の不満が大義名分となり、過激な尊王(そんのう)攘夷派が勢いを増し始める。それを抑えきれない幕府は、開国を進めながらも朝廷に対しては攘夷のポーズを取り、天皇の威光に頼るように……。やがて倒幕の炎が自らの意図に反して燃え広がり、天皇は苦悩を深めていく。

【コメント】  孝明天皇は、強い好奇心と「神の国である日の本」への誇りと信念を持ちながらも、御所の中で育ち、外の世界を直接知らない若き帝だと感じています。大きく時代が動いていく中で、異国への恐れや怒りだけではなく、初めて民の姿を見たことで「自分が守るべき国」の実感が変わっていく。その繊細な変化と自分の言葉一つが政治を揺らし、人々を動かしてしまう。その重さと危うさも丁寧に演じていきたいです。

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奥野壮(明治天皇役)

 孝明天皇の第二皇子。ペリー来航の前年に生まれる。物心ついたときには、父帝の威を借りた急進的な攘夷派が京を席巻していた。慶応3(1867)年、父の孝明天皇の急死により、まだ元服前でありながら数え年16歳で天皇となる。ここから倒幕派と幕府の綱引きがピークを迎え、「大政(たいせい)奉還(ほうかん)」「王政復古の大号令」を経て新政府が発足する。少年天皇は、やがて戊辰(ぼしん)戦争を経て訪れる新時代「明治」のシンボルとなり、無血開城された江戸城(現・皇居)にその居を移す。

【コメント】  歴史ある大河ドラマに出演させていただけること、それだけでも大変光栄なことですが、今回、明治天皇を演じさせていただくことに、身の引き締まる思いと同時に、大変恐縮しております。時代の大きな転換期に、若くして即位され、幕末から明治維新へと至る激動の時代を歩まれた明治天皇。そのお姿を私なりに解釈し、歴史に寄り添いながら、丁寧に演じられればと思っております。大河ドラマ『逆賊の幕臣』、ぜひお楽しみに。

山中崇(岩倉具視/いわくら・ともみ役)

 貧しい下級公家の次男として生まれるが、子どもの頃より弁が立ち、公家らしからぬ言動で異彩を放つ。野心家の岩倉は、外交問題を幕府に任せきりにせず、朝廷も主体的に関わるべきだと考えた。幕府が通商条約に対する孝明天皇の勅許(ちょっきょ)(許可)を得ようとした際、天皇の攘夷の意志を後押しするべく公家88人が起こしたデモを牽引。このとき出した意見書が認められ、孝明天皇に頼られるように。天皇の妹・和宮(かずのみや)と将軍・徳川家茂(いえもち)との婚儀を後押ししたのも岩倉であり、孝明天皇のもとでフィクサーとなっていく。

【コメント】  歴史の裏で暗躍した野心家。岩倉具視という人物を知れば知るほど、この役を担当出来ることにとてもワクワクしています。下級の貧しい公家出身でありながら、ゆくゆくは500円札の肖像にまでなった人物。きっと時流を読む鋭い嗅覚を持っていたのではないでしょうか。幕末という歴史の大きな変革期に、何を見つめ、どんなあしたを夢見ていたのか。今に響く作品となるよう、しっかりと務めます。どうぞお楽しみに。

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長塚京三(鷹司政通/たかつかさ・まさみち役)

 30年以上もの間、 准摂政(じゅんせっしょう)・関白・太閤として朝廷に君臨。10代で即位した孝明天皇を導く。義弟である水戸藩・徳川斉昭(なりあき)から黒船来航の予告情報など非公式の幕政情報を入手できた事情通で、幕府寄りの立場を保つことでうまく朝廷を牛耳ってきた。実は開国容認派であった鷹司は、異国人を忌み嫌う天皇の発言を手のひらで転がすがごとく老獪(ろうかい)に受け流し、天皇にとって目の上のコブとなっていく。やがて天皇は岩倉など下級公家の声も聞くようになり、鷹司の時代は終わりを告げる。

【コメント】  捕らぬ狸の皮算用で済むならまだしも、虎の尾を踏んでは敵わないので、軽々に口にし難い「意気込み」です。ただ公武の二重構造の中で、オポチュニストを自認して恥じることのないこの作品の政通さんは、只処世術に長けていただけではなさそうだ。既存の体制を最終形態として、何とか保守するという「忠誠心」もあるのではないですか。それが政通さんの中では、「政(まつりごと)」から「お上」をお守りすることに通じていた。宮廷言葉に上方言葉、幾分下世話な「ぼやき」の散りばめられた、安達先生の台詞が素晴らしい。勿論、そのままやらせて戴きます。

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