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大林宣彦が映画を作る「理由」

第17回東京国際映画祭

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古い映写機に目を輝かせている大林宣彦監督
古い映写機に目を輝かせている大林宣彦監督

 日本映画・ある視点部門『理由』が上映され、監督の大林宣彦監督が観客とのティーチ・インに登場した。大林監督は3歳のころから手元にあったという8ミリカメラと古い映写機を抱えて登場。「幼いころ、映写機を機関車に見立て、遊んでいました。レンズの部分は煙突、フィルムは線路です……」と語り出した監督は、単に、観客との質疑応答に現れたのではなく、エンターティナーとしてそこに立ち、早くも観客を“大林ワールド”へ引き込む。

 『理由』は宮部みゆきが直木賞を受賞したミリオンセラーを、原作のとおりに107人もの人物を登場させ、文字通り完全映画化に挑戦した作品だ。

 “大林ワールド”はさらに続く。「(原作が発表された)1996年から、わたしが映画として発表するに至るまでの間に、あの9・11がありました。それまで、世間の映画は殺りくを描いてきましたが、あの事件以来、映画の役割は平和への願いに変わったはずです」と観客に訴えた後、大林監督はスクリーンを見上げ「この無の空間に何を映し出すか……人間がここに、自然界で欠落した部分を映し出すことが出来るのかが試されている気がしてなりません」と目を輝かせた。最後は8ミリカメラにキスをしてスクリーンに向かって軽く手をあわせた大林監督。観客はまるで、短編映画を観せられたかのような感覚で、大林監督が退席する時は拍手がなりやまなかった。

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