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ミニシアターを救えプロジェクト活動報告!ミニシアター・エイド基金3億3,100万円超はほぼ分配完了

「ミニシアター・エイド基金」ロゴ
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 新型コロナウイルスの影響で経営危機に陥るミニシアターを救うために立ち上がったプロジェクト「SAVE the CINEMA」「ミニシアター・エイド基金」「SAVE the CINEMA movement」 の活動報告会見が18日に下北沢のアレイホールで行われた。

 4月7日に東京をはじめとした7都府県に出された緊急事態宣言は、4月16日には全国に拡大。全国の映画館が休館となったが、経営基盤がぜい弱だった小規模映画館(ミニシアター)は閉館の瀬戸際に立たされた。そんな状況の中で、有志によって実施されたのが「SAVE the CINEMA」「ミニシアター・エイド基金」「SAVE the CINEMA movement」プロジェクト。今回の会見はこの三つの団体のこれまでの活動を振り返り、報告するという趣旨で行われた。

 「SAVE the CINEMA」では、7月15日までにchange.orgで9万1,659筆の署名が集まった。その上で、ミニシアターへの緊急支援を求める要望書を作成し、署名と共に政府や関係省庁に提出。そのかいあって、令和2年度第2次補正予算額では、約500億円の緊急総合支援パッケージが計上され、ミニシアターもその支援対象に含まれることが確認された。全国の上映団体のネットワークを組織するコミュニティシネマセンターの岩崎ゆう子事務局長は、「第2次補正予算にミニシアターも対象となったのは大きな成果ではありますが、やはり長期的な支援システムというものが必要であるということで、今回の第2次補正予算の実現というのは、そのための第一歩であると捉えております」と成果を認めながらも、根本的な支援の必要性を訴えた。

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 さらにイベントに登壇したユーロスペースの北條誠人支配人は「(1968年にミニシアターの草分け的存在である)岩波ホールが開館してから52年。わたしは省庁要請に行った時に、その間に、ミニシアターが何をしてきたのかをお話してきました。文化庁では映画祭や特集上映に対する助成はあっても、わたしたちのような団体への恒常的な支援がなかったということもお伝えしました。そうした中で、今後も経産省や文化庁の担当者の方と今後も勉強会なり、話をしていけたら」と展望を語った。

 一方、連携団体である「ミニシアター・エイド基金」では、クラウドファンディングにより、3億3,102万5,487円の支援金が集まった。そしてここで集まった支援金も、118劇場103団体への分配がほぼ完了。1団体あたりの金額は、チケットリターンなどの関係で多少の上下はあるというが、およそ250万円から300万円ほどになったという。

 さらに若手映画人の有志が集まった「SAVE the CINEMA movement」プロジェクトでは、全国のミニシアターの情報発信サイト「全国ミニシアターマップ」の作成、さらにスタンプラリー、イベントなどを今後実施する予定であることを発表した。

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 これらの報告を聞いていたユーロスペースの北條支配人は、これらの支援の輪に「この動きがなければ、経済的に駄目になる前に、わたしたちの心が先に腐ってしまっただろうと思います」と切り出すと、「だんだんとまずい状況になってきた時に、ミニシアターの人たちと連絡を取り合っていると、今日は何人入った、明日はどうなるんだ、という感じで。だんだんと声が悲痛になってくるんです。その悲痛さがシャレや冗談でなくて、リアリティーを持ち出してくるというか、熱を帯びてくるようになったのを感じていました。それは多分、日本中のミニシアターで交わされてきた言葉だと思います。そういう中で、支援の形を具体的な、目に見える形でやっていただけたのは本当にありがたかったです」と感謝の気持ちを述べた。(取材・文:壬生智裕)

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