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金ロー『ローマの休日』をもっと楽しむ!トリビアまとめ

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 1953年の映画『ローマの休日』が、日本テレビ系「金曜ロードショー」にて13日よる9時より放送される。今夜の放送を前に、本作をもっと楽しむためのトリビアを紹介する。(編集部・大内啓輔)

【写真】永遠の妖精!オードリー・ヘプバーン

 不朽の名作として今も愛される『ローマの休日』は、ローマ訪問中に宿舎の大使館を抜け出したヨーロッパ某国のアン王女(オードリー・ヘプバーン)の恋を描くロマンティック・コメディー。別の思惑で彼女に近づいたアメリカ人の新聞記者ジョー(グレゴリー・ペック)と市内をお忍びで冒険するうちに、彼と束の間の恋に落ちていく。今回放送されるのはデジタルリマスター版で、金曜ロードショーオリジナルの新たな吹き替え版となる。

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カメラテストでの奇跡

 端役としてヨーロッパの映画に出演していたものの、ハリウッドではほぼ無名の新人女優にすぎなかったオードリー。そのデビューの決め手となったカメラテストでは、アン王女がベッドに身を投げ出すシーンの演技を披露することに。カメラマンはありのままの姿を収めるために、カットの声がかかった後もカメラを回し続け、そのときに見せたユーモアたっぷりで才気にたけたオードリーの言動が監督のウィリアム・ワイラーの目に留まり、抜てきの決め手となったとされる。

「真実の口」でのサプライズ

 カメラテストでは演技以外のところでもスタッフたちに感銘を与えたオードリーだが、劇中でもその素顔の一端をのぞかせている。アン王女とジョーが古代ローマの彫刻「真実の口」に手を入れる挑戦を行う、もっとも有名なあの場面がそう。偽りの心がある者は手首を切り落とされるという伝説があるが、ここでグレゴリーはオードリーに内緒で手を袖口に隠して驚かせたために、オードリーは演技ではなく、おもわず叫び声をあげてしまった。完璧主義者として知られるワイラー監督だが、この場面は撮り直しをせずにこの自然な表情を捉えたカットを使うことにしたとか。

当初の監督はフランク・キャプラ?

『ローマの休日』で監督を務めたのは『嵐が丘』『偽りの花園』『我等の生涯の最良の年』などで知られていたウィリアム・ワイラー。だが、もともとの脚本は巨匠フランク・キャプラに向けて書かれたもので、キャストにはケイリー・グラントエリザベス・テイラーが想定されていたという。実現にいたらなかったのは、脚本を手掛けたのがダルトン・トランボで、キャプラが赤狩りの対象としてブラックリスト入りの噂もあったダルトンの名前を恐れたからではないか、ともいわれている。

王女の冒険の代名詞「ベスパ」って?

1日限りのアン王女の“冒険”のなかでも、とりわけ強い印象を残すのが、ベスパでの二人乗りの場面だろう。ベスパとは、第2次世界大戦中に航空機メーカーとして旧イタリア王国軍に向けて製品を作っていたピアッジオ社が、新たな事業として戦後に発売したスクーターの名前。テール部分の見た目やエンジン音がまるでハチのようだったことから、イタリア語でスズメバチを意味する「ベスパ」と名付けられた。1946年に発売され、この映画の大ヒットにより世界的に知られるようになった。

アカデミー賞授賞式は特別会場で

オードリーは本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞。しかし、このときオードリーはブロードウェイの舞台にも出演していたために、本来の会場であるロサンゼルスではなく、ニューヨークの特別会場で授賞式が行われた。どこかあたふたとした様子で式典に参加したオードリーの姿は、現在公開中のドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』でも一部を見ることができる。その気品は当時、一般家庭にも普及し始めたテレビを通じて全米の人々の心を鷲づかみにしたはず。

重なった偶然

映画が公開された1953年の前年は、エリザベス2世が英国で即位した年。女王の戴冠式はもちろん、妹であるマーガレット王女の平民の男性とのロマンスで大きな話題を呼んでいた。この王家の女性たちのニュースは世界中で注目を浴び、アン王女の恋を描く『ローマの休日』との類似が話題となり、宣伝にも少なからず役立つことに。ちなみに日本だけで映画の製作費の3分の1を回収したといわれるほど、高い人気を誇ったことも知られる。

参考文献
バリー・ハリス「オードリー・ヘップバーン物語」集英社刊
北野圭介「大人のための『ローマの休日』講義 オードリーはなぜベスパに乗るのか」平凡社刊

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