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川口春奈、怒りはため込まず伝える「『あーやっちゃったな』ということも」

火のエレメント・エンバーの日本版声優を務めた川口春奈
火のエレメント・エンバーの日本版声優を務めた川口春奈

 ディズニー&ピクサー最新作『マイ・エレメント』で火のエレメント・エンバーの日本版声優を務めたのが、女優の川口春奈だ。エンバーは、アツくなりやすく家族思いの女の子。川口は、真逆の性格である水のエレメント・ウェイドに最初は強く当たるも、少しずつ惹かれていく乙女心も見事に表現した。多面的なキャラクターを演じ切った川口が、初声優の感想や怒りの感情への対処法、今の自分を形成した子供時代などについて語った。

【動画】上手すぎ!川口春奈が声優を務めた『マイ・エレメント』予告編

川口流アンガーマネジメントとは

マイ・エレメント
(C) 2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 本作は「もしも火・水・土・風のエレメントの世界があったら、どんな性格で、どんな暮らしをしているのか、どうやって触れ合う事ができるのか?」というコンセプトのもと、火のエレメントのエンバー、水のエレメントのウェイドという正反対の特性を持った二人の出会いをロマンチックに描いた作品。川口演じるエンバーは、燃え上がる火のエレメントらしく熱い思いをたぎらせており、時には感情を抑えきれないキャラクターだ。

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 川口は「エンバーはとにかくパワフルでエネルギッシュ。『ワ~!』ってなると止められない。感情のコントロールに苦戦するような女の子。わたし自身、アフレコが初めてだったので、自分で『このぐらいかな』と思って演じても、音響監督さんからは『もっとテンションを上げて』と言われて。自分が考えている5倍ぐらいの感覚でやらないとダメなんだなと思いました」と熱いエンバー役での声優初挑戦を振り返る。

 川口自身、そんなエンバーに近い部分があるそうで、「わたしも結構感情が表に出るタイプ。どう考えてもおかしいなとか、理不尽だなと思うことは、あまりため込まないで伝えるようにしています」とアンガーマネジメント術を明かす。しかし、時にはうまくいかないこともあるといい、「多くの方に見ていただくお仕事なので、なるべく冷静でいたいなという思いはあるのですが、いざその状況になると、なかなか難しい。後になって『あーやっちゃったな』ということもあります。言い方や言葉を考えつつ、しっかりと言いたいことは伝えるというのが理想ですかね」と日々勉強だと苦笑いした。

否定されたことがなかった子供時代

川口春奈

 エンバーは「お父さんに認められたい」という思いをモチベーションに頑張る女の子だが、川口にとって、両親から「認められた」と思ったのはどんな時だったのだろうか?

 「わたしは三姉妹の末っ子で、基本的に小さい頃からとにかく甘やかされて育ったので、否定されたことがなかった。例えば『学校休みたい!』と言っても『休もうか』みたいな感じで(笑)。なので、特に『認めてもらった』という思い出がないんですよね。放任というか、自由に育てられたので。まあ、それが良かったのか悪かったのかはわからないのですが」と笑う。それでも女優の仕事を通して客観的な視点は身につけており、「“どう見られているか”ということは気になりますし、自分を俯瞰で見ることは意識しています」と明かす。

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 そうして形成された“川口春奈”という人間について、「すごくわかりやすい人間だと思う」と自己分析した川口。「良くも悪くもですが、はっきりしているんです。人間関係もあまり上手ではなく、友達も多い方ではないです。不器用なんだと思います。でも、本当に大切な人や守りたいと思う人は、どんなことがあっても助けたい。その意味では、決してドライではないのかなと思います」と不器用な中にも秘めた熱さがうかがえた。

「別に失敗したっていいよ」と一歩踏み出す勇気をくれる作品!

川口春奈

 またエンバーは、自分と正反対の性格である水のエレメント・ウェイドと出会い、最初は彼の行動に困惑しながらも、自分にない部分に惹かれていく。川口自身の恋愛観に照らし合わせると、自分に近い感覚の人と、真逆の人では、どちらに惹かれるのだろうか?

 川口は「どちらも必要だと思います」と前置きしつつ、「もちろん、入り口として自分と共通点が無ければ多分盛り上がることがないので、感覚が合う人の方がいいかもしれません。でも長い目で見ると、自分にない感覚を持っていたり、自分とは物の考え方が違ったりする人の方が、実はバランスが取れて、お互い高めあっていけるのかなとは思います。自分で気付かないところを指摘してもらえると、成長にもつながると思うので」と語る。

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 『マイ・エレメント』はまさに、そんな正反対の人との出会いによって、自分でも気付かなかった自分の新たな可能性に気付いていく物語だ。川口は「『わたしはできない』と限界を決めてしまい、自分のアイデンティティを押さえつけてしまうことって多々あると思うんです。でもその思いを開放して、『別に失敗したっていいよ』と一歩を踏み出せる、背中を押してくれる作品だなと思います。真逆だと思っていたエンバーとウェイドが互いを高めあっていく姿は、世代を問わず応援していただける関係性になっていると思います」とアピールしていた。(取材・文・撮影:磯部正和)

映画『マイ・エレメント』は8月4日より全国公開

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