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萩原利久『ミステリと言う勿れ』アドリブの裏側明かす 台本にない原作描写も意識

萩原利久
萩原利久 - 写真:杉映貴子

 田村由美原作、菅田将暉主演による月9ドラマの映画版『ミステリと言う勿れ』(上映中)に出演した萩原利久が、所属事務所の先輩である菅田らとの撮影現場を振り返る中で、自ら提案し採用されたアイデアについて明かした。

【動画】萩原利久の“持論”は?インタビューの様子

 累計発行部数1,800万部を突破する人気漫画の通称“広島編”に基づく本作。「僕は常々思ってるんですが……」から始まる膨大な知識と独自の価値観による持論で登場人物の悩みや難事件をおしゃべりだけで解決していく大学生・久能整(くのう・ととのう)が、広島でいわく付きの名家・狩集(かりあつまり)家の遺産相続事件に巻き込まれていく。キャストは、菅田、伊藤沙莉尾上松也筒井道隆永山瑛太ら連ドラのレギュラー陣に加え、狩集家の遺産相続に関わる面々として新たに松下洸平町田啓太原菜乃華、萩原利久、柴咲コウらが参加している。

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撮影現場で感激「整くんがいる!」

萩原利久演じる波々壁新音と、整(菅田将暉)(C) 田村由美/小学館 (C) 2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

 もともと漫画・アニメ好きの萩原が、原作漫画を知ったのは連続ドラマが放送されたタイミングだったと言い、撮影現場で菅田演じる整を観た時の衝撃を以下のように振り返る。

 「映画への出演が決まった段階で通称“広島編”を読み始めました。ドラマは台本をいただいた後、撮影に入る前にあらためて再見しましたが、整くんは話し方をはじめ、すごく独特ですよね。初回で容疑者にされてしまう展開は、もはや新人類というか。普通、自分が容疑者にされてしまったら大半はあたふたすると思いますけど、しゃべりだけで状況を打破していくっていう。実写になるとその面白さがより際立つ印象でしたね。撮影現場に入った時、菅田さんを観て“本物の整くんがいる!”って感激しました」

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 萩原が本作で演じるのは、ゆら(柴咲)、理紀之助(町田)、汐路(原)のいとこで狩集家の遺産相続候補者の1人である波々壁新音(ははかべ・ねお)。やんちゃな性格だが根は真面目な社会人という設定だ。亡くなった祖父はゆら、理紀之助、新音、汐路にそれぞれ蔵を与え「あるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」とのお題を残した。4人のうちこれを最初に解いた者に遺産相続する権利が与えられる。新音は当初いとこたちをけん制し、汐路がボディガード兼、蔵の謎解き要員として連れてきた整にも警戒心をあらわにする。

 萩原はそんな新音の印象を「整くん、狩集家の皆さんも落ち着いた性格の方が多いなか、新音は突出して感情の起伏が激しい。そういう意味では、 新音の起伏がシーン全体のテンションに少なからず影響するなと」と語る。また、新音の役割について「何かが起きた時、新音は声に出して全身でキャッチすることが多い。新音によって場の緊張感がグッと高まるので、監督も“もう少し上げてほしい”というようなことをおっしゃることもありました。なおかつ、観客の皆さんと近い視点でもあるのかなと思いました」と解釈を述べる。

自身とかけ離れた役柄に意外な共通点

初めは整に当たりが強い新音だったが…… (C) 田村由美/小学館 (C) 2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

 7月期月9ドラマ「真夏のシンデレラ」でも口の悪い医者志望のエリート・佐々木修という、場をピリつかせるキャラクターを演じて注目を浴びた萩原だが、本人はいたって温厚。あえて、新音との「共通点」を問うと……。

 「新音とタイプは違うかもしれないですけど、僕があの場にいたらきっと彼のような反応になる気がします。自分で言うのは恥ずかしいですが、素直なのかなと。新音は、言われたことや出来事について、裏のニュアンスを汲み取ることなくストレートに受け止めがち。言い方がキツかったり、ひねくれた考え方をすることもありますけど根の部分は真面目で、周りにいる人によって変化していきそうな部分がある」

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 なお、原作漫画(単行本)では2巻から4巻に及ぶエピソードを約2時間の映画にまとめるため、各キャラクターのバックグラウンドが省かれているところもあるが、萩原自身はなるべく原作にある描写も組み込みたいという思いがあった。

 「基本的には原作の新音をベースに演じていました。新音は遺産争いがあるので強い感じになっていますけど基本は陽気な性格だと思うんですよね。あくまで、イレギュラーな状況でああなっているわけで。でないと、“この人は何をこんなに怒っているんだろう”と違和感が出てしまう。いとこの中では理紀之助と特に仲がよくて、原作だと肩を組んで歩いたりする描写もありますけど、ああいうところが結構好きで。あとは、原作では新音が高校時代に父を亡くし、母や幼い妹を支えるためにサッカーを断念したというちょっと悲しい過去も描かれていたりして。お芝居にきちんと表れているのかは分からないですけど、彼のバックグラウンドを理解して演じるのとそうでないのとでは、会話の節々のニュアンスだったり、佇まいにも少なからず影響するのかなという気がしました。周りに言われて嬉しかったのは“本当にいとこっぽいよね”という反応でした。いとこって家族とは違うけど、他人ではないから表現するうえではすごく絶妙で。本当難しいなと思ったんですけど、そこを伝えられたのであればすごく嬉しいですね」

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台本になかった原作の描写を取り入れる

『犬神家の一族』を思わせる遺言状公開シーン (C) 田村由美/小学館 (C) 2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

 撮影現場では毎シーン、菅田をはじめ狩集家を演じる柴咲、町田、原、さらに顧問弁護士の孫である車坂朝晴役の松下らと入念に打ち合わせが行われたと振り返る。その過程で生まれたのが、新音が初対面の整を“ブロッコリー”呼ばわりするシーン。汐路が整を彼氏だとウソの紹介をした際、整の髪型を「ブロッコリーかカリフラワーみたいにのお」と嘲笑するシーンで、台本では省かれた描写だったが、萩原は初めから取り入れたいと考えていたそう。

 「初対面でいきなりっていう(笑)。でも意外と、ああいう一言で新音のキャラクターをわかりやすく見せられる気がしましたし、突然知らない人とコミュニケーションを取らなきゃいけなくなる展開においてワンクッションというか、いい入口になったのかなと。祖父の遺言状を公開するピリッとしたシーンではありますけど、言ってみたらそのまま採用されました。ブロッコリーか、カリフラワーか悩みましたが、やってみてよかったと思います(笑)」

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 なお、先輩である菅田との共演は2019年のドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」以来。この時は菅田が教師、萩原が生徒という関係だったが、『ミステリと言う~』では菅田の方が年下の設定だったため「すごく不思議な感じでした」と萩原。

 「油断すると年齢設定を忘れそうになるので結構意識したかもしれないです。これまではなかなか年齢の上下が入れ替わることがなかったので、すごく不思議な感じがあって。でも、そういうことが起こってもおかしくない年に自分もなったんだなと。現場では本当にたくさんの話し合いをしましたが、中心はいつも菅田さんでしたし、みんなを巻き込むというか、話す場を作れる方。その中で各々の考えを汲み取って、一番納得できるかたちに導いてくれていたのも菅田さんでした。整くんはものすごくセリフ量が多いですし、お芝居はいわずもがな凄いのですが、画面に映る前の時間の使い方だったり、現場や人との向き合い方だったり、人間力みたいなものを一番今回見せてもらえた気がします」

 とにかく情報量の多い原作だけに、ここまでリハーサルの多かった撮影現場は珍しいとも言い、菅田の「座長のあり方」にあらためて圧倒されていたようだった。(編集部・石井百合子)

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