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冴羽リョウ・鈴木亮平&北条司「シティーハンター」対談!絶大な原作愛に「作品は幸せ」 80年代は実写化絶対拒否も

心からの作品愛をもって『シティーハンター』に挑んだ鈴木亮平
心からの作品愛をもって『シティーハンター』に挑んだ鈴木亮平

 1985年から「週刊少年ジャンプ」にて連載がスタートし、累計発行部数5,000万部を突破する大人気漫画「シティーハンター」。これまでも何度か実写化されてきた名作を、シリーズへの多大な愛を公言している俳優・鈴木亮平主演で実写映画化。憧れの冴羽リョウをけれんみなく演じた鈴木が今回「シティーハンター」生みの親である北条司と緊急対談。あふれる “シティーハンター愛”を北条にぶつけた。(取材・文・撮影:磯部正和)

Netflix映画『シティーハンター』予告編

鈴木亮平の冴羽リョウに「やっと来たか」

「冴羽リョウというのは、キャラクターというよりは実在する人のような感覚なんです」(C) 北条司/コアミックス 1985

Q:鈴木さんは以前から「シティーハンター」の大ファンだと公言されていました。実際に本作に携わることになった際はどんなお気持ちでしたか?

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鈴木:僕にとって冴羽リョウというのは、キャラクターというよりは実在する人のような感覚なんです。それだけ少年時代から一緒に生きてきた人物だったので、大変光栄なことではあるのですが、映像化するということは自分だけの「シティーハンター」ではなくなること。そのため、すべてのファンの皆さんに「面白い」と思っていただく作品にしなければいけないというプレッシャーはありました。

Q:実写化にあたって、特に意識された点はありますか?

鈴木:今回、脚本の段階からある程度関わらせていただいたのですが「シティーハンター」は北条先生の描かれた漫画はもちろん、アニメの「シティーハンター」もあり、それぞれ作品に対するイメージがあると思うんです。しかも今回ドラマとして描くのは、シリアスな要素が多い「はじまりの物語」だったので、どこまでわちゃわちゃ感を入れるか……と言う部分のバランスみたいなものは、かなり意識しました。令和の時代にどういう形の「シティーハンター」を描くのかというのは、大きな挑戦でした。

Q:そのなかでのこだわりは?

鈴木:リョウが(森田望智演じるヒロインの)槇村香に対して、どういう思いを持っているかという部分は一番ブレちゃいけないと考えていました。先生の前で話すのも恐縮なのですが、今回、漫画にもアニメにも描かれていないことを入れたんです。リョウが初めて香を観た瞬間にどう思っていたんだろう……ということを描かせていただいています。

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北条:初めてリョウが香を見たときの顔だよね? あのシーンは良かったですよ。

鈴木:本当ですか、ありがとうございます。先生の前でお話しするのはちょっとはばかられるのですが、かなりこだわらせていただいたシーンなんです。実はリョウは最初から香にもちゃんと惹かれていたという表現を、どうしても入れたかった。

北条:それはあるよね。リョウは誰にでも惹かれますからね。きっと香にもそういう反応をするはずですよね。

Q:北条先生は鈴木さんがリョウを演じるという話を聞いたときは、どんな印象をお持ちになったのですか?

北条:もはや昔過ぎてどういうオファーだったのか覚えていないのですが、亮平さんが(「シティーハンター」を)やりたいというのはかなり前から知っていたんです。多分(鈴木が思いを)インターネットに書き込まれたときに、かみさんが見ていて「こんな俳優さんがいるんだよ」と話をしてくれたんです。その後、あるインタビューで初めてお会いして「本物なんだな」と思っていました。

鈴木:もう8~9年前ですよね。

北条:当時からこの人に演じてもらえたら作品は幸せなんだろうなと思っていたので、こちらにお話が来たときは「やっと来たのか」という印象でしたね。

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どの時期のリョウになる?徹底した体づくり

「どこのリョウの身体に合わせればいいのかは悩みました」(C) 北条司/コアミックス 1985

Q:作品を観ていると(リョウの愛銃)コルトパイソンの撃ち方など、相当研究されているように感じました。

鈴木:研究しました(笑)。北条先生が「シティーハンター」を描かれるまえに、(担当編集者だった)堀江(信彦)さんと海外に行って実銃の訓練を受けてきたというエピソードを知っていたので、僕も銃の扱い方に関しては絶対に手を抜けないと思い、海外で訓練を受けてきました。主にリボルバーの扱い方をしっかり学んで、反動の強さや連射のスピードなどのリアリティを体現したところで、映像での効果的な表現を研究しました。例えば、リロードしたあと、本当はシリンダーを「カチャ」って(反動を使って戻すことは)やっちゃいけないのですが、映像的にはやった方が見栄えが良いなとか……。本当にいろいろな部分で試行錯誤しました。

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Q:鈴木さんの銃さばきはいかがでしたか?

北条:確かに実際の銃の使い方と、ドラマとしての見せ方は違う部分があるのですが、とても見事な銃さばきだったと思います。

Q:冴羽リョウという二次元のキャラクターに命を吹き込む際、肉体という部分もかなり意識されたのではないでしょうか?

鈴木:これは難しい質問ですね。漫画、アニメによっても冴羽リョウのイメージって違うと思うんです。最近のアニメだとフィットネスブームも受けて、リョウってすごい体になっているんですよね。どこのリョウの身体に合わせればいいのかは悩みました。

Q:そのうえで、どこにポイントを絞ったのですか?

鈴木:基本的に顔がポンと写ったときにシャープに映るような顎のラインを意識して、それに合わせて体も絞りました。槇村(安藤政信)や香と並んだとき、あまりごつくなってしまうと、海坊主みたいになってしまうので(笑)。言葉にするのが難しいのですが、その調整具合にかなり苦労しました。北条先生の描かれる人物というのは、どちらかというと欧米人寄りのスタイルなので、(フランス実写版『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』でリョウを演じた)フィリップ・ラショーさんだとキレイに決まるのですが、僕があの衣装を着るとまたちょっと違った感じになってしまう。体づくりについては、本気で話し出したら何時間にもなってしまうのですが、とにかく大変でした。

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北条:確かに時期によってリョウの体つきって違うので、どこに合わせるのかというのは、難しいかもしれませんね。それよりも僕は(鈴木が主演した映画)『エゴイスト』を観ていて、(リョウ役と)まったく違う体つきだったので「俳優さんってすごいな」って単純に思って観ていました(笑)。あと僕は紙の中の話と現実は違うと思っているので、あまり気にしないですね。

80年代は「絶対実写化なんてしない」と思っていた

「僕は神谷さんのせりふ回しで育ってきている」

Q:いまのお話で、これまでも本作は実写化されていますが、北条先生は原作者として、ご自身の作品が実写化されることに、どんな思いをお持ちなのですか?

北条:やっぱり作品に愛を持ってくれているかというのは絶対条件ですね。あとは特に思うことはないですかね。漫画って所詮絵空事なので、その通り実写にしてしまうと、とんでもない作品になってしまう(笑)。やっぱり現実と漫画、漫画とアニメ、アニメと実写というのはすべて違うメディアなので、そのメディアに沿ったリアリティがあると思うんです。逆にそれに則って作らないとおかしいですよね。80年代に、けっこう漫画を映画化するブームがあったのですが、漫画の世界をそのまま実写に持ち込んで、お遊びのようなガチャガチャしたものばかりの印象でした。だからそのころは「絶対実写化なんてしない」と思っていたんです。でも2000年代ぐらいになってからは、国内ばかりではなく海外の方も真面目に実写化に取り組むようになってきたなと感じています。

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Q:鈴木さんの「シティーハンター」へのリスペクトが作品にもにじみ出ているように感じました。リョウがところどころコミカルになる部分では、アニメでリョウの声を演じている神谷明さんを彷彿とさせられました。

鈴木:最初は自分なりのリョウを作ろうと、神谷さんの声は意識しないようにしていたんです。でも僕は神谷さんのせりふ回しで育ってきているので、普通に演じるとどうしても神谷さんのようになってしまうんです。実は「シティーハンター」だけではなく、『HK/変態仮面』のときも、アニメ作品で声優をやっている時も、どうしても神谷さんの声に引きずられてしまうんです。途中からは「もういいや」とそのままでやりました(笑)。

「もっこり」を使うのか…?真剣に悩んだ結果

掲示板には血が通っている(C) 北条司/コアミックス 1985

Q:その他、「もっこり」や駅の「伝言板」など「シティーハンター」ならではのこだわりも随所に観られます。

鈴木:今回「もっこり」という単語を使うか、使わないかというのは結構話し合ったんです。

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北条:その割には初っ端から連呼していましたよね(笑)。

鈴木:いや、今回は「シティーハンター」スタート時のシリアスな展開の話なので、どうしようかなという思いはあったんです。さらにNetflixは全世界配信なので、「もっこり」は外国語に訳すことが不可能な単語ですし、シティーハンターを知らない今の日本の観客も一体どういう意味か分からないと思うんです。でも、やっぱり「もっこり」がないとシティーハンターじゃないよね、ということで最終的には「意味がわからなくても言おう」という結論になりました(笑)。そしてせっかく言うなら冒頭から連呼しようと。昨日、冒頭でリョウが何回「もっこり」と言っているか数えたら、登場から40秒で17回も「もっこり」と言っているんです。2.4秒に1回言っていましたね(笑)。

北条:伝言版については、「エンジェル・ハート」のときも問題になっていたんです。すでに「駅に伝言版ねえじゃん!」って(笑)。結局、李大人からの贈り物ということでJRに無理やり置かせるみたいな感じにしたんですけれどね。いまの時代に合わせると、ネットの掲示板みたいなところに伝言を残すみたいな感じになるのかな。でもそれだと、どこか血が通っていないと感じてしまうんですよね。

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鈴木:そこもいろいろ考えたのですが、ポツンと忘れさられたように(新宿駅に)伝言版があるという風にしたんです。いまの若い観客には分からないかもしれませんが、そこはリスクを取りました。

北条:難しいですね。時代ですからね。いまの時代の人たちからすれば、ネットでつながっている方がリアルなのかもしれませんしね。そちらの方がすんなりと受け入れられるのかもしれない。

Q:いよいよNetflixで配信がスタートしますが、今後の展開も気になります。

鈴木:僕のなかでの「シティーハンター」は、主にリョウと香がわちゃわちゃしているような原作中盤のイメージが強いので、今回のリョウと香を皆様が気に入っていただければ、続きはぜひやりたいですね。

北条:自分の娘が結婚して、妊娠して、分娩室で生まれてきた子供を抱き上げた感じですね。「ようやく生まれたよ」みたいな……。長い年月がかかったなと。これからどう育っていってくれるのかなという期待があります。もし今後も続くなら、原作にこだわることもなく、思い切りやってほしいですね。

Netflix映画『シティーハンター』は4月25日(木)世界独占配信

スタイリスト:臼井崇(THYMON Inc.)
ヘアメイク:Kaco(ADDICT_CASE)

『シティーハンター』予告編 - Netflix » 動画の詳細
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