シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

清水 節

清水 節

略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX、ニッポン放送●過去に「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況: ●ニッポン放送「草野満代 夕暮れWONDER4/朝ドラ特集」●kotoba春号「特集:ブレードランナー2019-2049」●デジタルハリウッド大学「アニメフォーラム」講演●映画.comコラム●「Pen」SF特集/●NHK BSプレミアム「ザ・ベストテレビ」出演●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」●TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

清水 節 さんの映画短評

全352件中1~5件を表示しています。 Next »
  • 太陽の塔
    未来を見据えて立ち続ける生命の謎を解読する、ベラボーな意欲作
    ★★★★

     太陽の塔に込められた謎に肉薄し、岡本太郎のメッセージの核心に迫るベラボーに意欲的なドキュメンタリーだ。全9章、総勢29人の学者、批評家、学芸員、僧侶、クリエイター、アーティストらの言葉が、時にシンクロして文脈を生み出し、多面的な大きなひとつの論考が紡ぎ出されていく。縄文・沖縄・アイヌという起源。曼荼羅との関係性を探りチベットへと渡る飛躍。そして黒い太陽が暗示するもの。人類滅亡後もこの巨大彫刻/建築物は存在し、未来を見据えて立ち続けるという視点にまで拡がり、「宇宙観」が提示される。あたかも本作自体が、曼荼羅の様相を呈すのだ。のべ46時間になるという撮影素材をすべて鑑賞したい欲望にかられている。

  • 散り椿
    岡田准一の斬新な殺陣は、武の精神性を刷新した驚きと感動を伴う
    ★★★★

     キャメラマン出身ならではの美しい画に定評のあった木村大作監督が、小泉堯史の脚本を得て、愛のすれ違いと正義の在り処をめぐる物語の芯が強化され、作品に根が張ったような安定感が生まれた。そして何より、岡田准一が自ら考案もしたという殺陣が斬新極まりない。『るろ剣』以降アクションの激烈さは進化したが、本作の切れ味は異なる。とりわけ西島秀俊との一戦が凄まじい。危うい間合いまで詰め寄り、大振りせず素早い太刀捌きで、次第に膝をつくほど低く沈む。鬼気迫る真剣勝負のリアリティ。それは『ボーン・アイデンティティ』シリーズが格闘を革新したのにも似て、黒澤映画の武の精神性を現代的に刷新した驚きと感動が伴っている。

  • 若おかみは小学生!
    おもてなしに徹して客を癒し、少女の生きる力が甦る快作!
    ★★★★★

    キャラデザインや題名からイメージする内容とは異なり、大人も心揺さぶられる珠玉の名篇。眼には見えない存在に見守られながら、旅館で接客業に従事する少女の生が漲っていく。食で客を回復させ、自らも成長する。作画や美術がハイレベル。ジブリの伝統を引き継ぐ高坂希太郎監督は、『千と千尋の神隠し』よりも苛酷な境遇のヒロインに、残酷な出会いをも与えてトラウマを克服させる。自我に囚われず、おもてなしに徹することで発現する力を、淀みなく描く吉田玲子の脚本が鮮やか。きっと、劇中の名言好きなライバル少女なら、「今いる場所で力いっぱい生きるしかない。by宮崎駿」と評するに違いない、児童文学アニメの快作だ。

  • 1987、ある闘いの真実
    国家権力の横暴と隠蔽を覆した、一人ひとりの魂の熱きうねり
    ★★★★

    国家権力が学生を殺める。日本がバブルに踊った頃、韓国軍事政権下で民主化を唱えた庶民を弾圧する際に起きた忌まわしい記憶を、見事なエンタメ大作として仕上げている。当時の社会風俗を再現する熱量も半端じゃない。事実は隠し通せず、一人ひとりの正義感や良心に火が点き、政権への抗議が大きなうねりとなっていく、熱き魂のスペクタクル。但し、情緒過多であることは否めない。権力側の悪を憎々しく造形することで、物語はより強化される。所詮デモでは世の中は変わらないと厭世的だった少女の変化こそが、最大の山場だ。横暴と隠蔽を覆した真実の記録に、諦めと惰性が覆うわが国の今を省みた。

  • 500ページの夢の束
    『スター・トレック』に託し、大切な人へ想いを届ける一人旅
    ★★★★★

    自閉症を抱えた20代女性が、姉との関係性に葛藤し、伝えきれない思いをあるものに託す。それは愛する『スター・トレック』の公募脚本。感情の発露に難のあるスポックこそ、彼女の代弁者だ。直接パラマウント本社へ持参することになる、数百キロの一人旅で出くわす災難は、御都合主義で生ぬるいとしか言いようがない。しかし、世界的な言語ともいえるSFドラマをモチーフに「物語」という形に託して自らの手で届ける行為を通し、大切な人への想いを伝えようとする話法に打たれる。そしてこのヒロインを“特別な役”だと感じて好演した、ショウビズ育ちの元名子役ダコタ・ファニングの内面を窺わせるエピソードも愛おしい。

全352件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク