シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

ミルクマン斉藤

ミルクマン斉藤

略歴: 映画評論家。1963年京都生まれ。デザイン集団「groovisions」の、唯一デザインしないメンバー。現在、大阪・天六のブックカフェ「ワイルドバンチ」で月イチ・トークライヴ「ミルクマン斉藤の日曜日には鼠を殺せ」を主宰。雑誌「テレビブロス」「ミーツ・リージョナル」「SAVVY」「キネマ旬報」等で映画コラムを連載中。ちょいと私事でレヴューをアップし損ねてましたが、どんどん書いていきます。

ミルクマン斉藤 さんの映画短評

全373件中1~5件を表示しています。 Next »
  • ゴーストバスターズ
    女性版ブロマンス的なものは最後の最後にちょっとだけ。
    ★★★★

    映画が公開される前から何だかんだウルサかった本作だが、いやこれは性差別がどうのこうの以前の問題で、単にひたすらスベりまくる笑いが痛々しい。快作『ブライズメイズ』の面々をせっかく起用したのに、中途半端にオリジナルの1作目をなぞってしまったせいか、まったく弾けない。そもそもオリジナルがあれだけのコメディアン揃えたのに面白くもなんともない映画だったしね(当時はSFXに踊らされていたのだ)。いっそ脚本も『ブライズメイズ』のようにK.ウィグに任せればよかったと思うのだが。ただ、男性的視点が偏向する社会の揶揄であろうC.ヘムズワースのバカ秘書っぷりは当たり役すぎてカワイイのなんの(笑)。

  • ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>
    シリアスな設定がぜんぜん不釣り合い。
    ★★★★★

    香港ばりのクンフー・アクションに、ギャグ連打の雪山直滑降大迫力チェイスで存分に楽しませてくれた前作。しかし今回は調子に乗って風呂敷を広げすぎた感がありあり。ヘルボーイのような次元の穴とか、X-MENのような空中要塞とか、そもそも冗談みたいな立ち位置にあるタートルズの身の丈に合ってないこと甚だしい。ひとつひとつのアクションが中途半端で、密度が薄いのも難点だ。しかも3Dで観るとやたら色味が多く、整理のつかないアクションが高速で繰り広げられるので異様に目が疲れる。『アース・トゥ・エコー』では昔懐かしジュヴナイルSFの味が愛おしくもあったD.グリーンだが、こちらもまだまだ身の丈に合わなかったか?

  • ソング・オブ・ザ・シー 海のうた
    EGO-WRAPPIN'中納良恵の吹替版も凄そう。
    ★★★★

    ケルト民話にあるアザラシの妖精セルビーは、ジョン・セイルズの『フィオナの海』で知った題材。でも今回の監督は、中世装飾福音書の挿絵がそのまま動き出したような『ブレンダンとケルズの秘密』(大阪ヨーロッパ映画祭で上映)で、アイルランド美術の魅力をアニメーションによって知らしめたトム・ムーアだ。今回も全篇にわたって円形あるいは半円をモチーフとした幾何学的かつグラフィカルなスタイルで魅せるが、物語は現代であって、人物キャラはどこか東映動画的で動きも多い。羽衣伝説にも通じる物語だし、監督のジブリ好きは周知のことでもあるしで、やはり欧州伝説の土台がある『崖の上のポニョ』との関連性を想わせるのも面白い。

  • イレブン・ミニッツ
    リピート必至!すべての情報に五感を総動員。
    ★★★★★

    重要なこととどうでもいいことが同価値に並べられた数人の人生の11分間。それらがモザイク状に構築され、クライマックスへと収束していく映画というのはままあるが、本作では具体的な時間を示す画は一切現れない。まるで螺旋のように絡み合った時制を脳内で再構成するポイントとなるのは、時を告げる鐘の音や飛行機の爆音など各種のノイズ/サウンドというのが、画面と同等に音を扱うスコリモフスキらしい。画家のキャンバスについた染み、監視モニタに浮かんだ黒い点、空に見た不思議なもの…それらが具体的に何を示すかは語られないけれど、まさに「死を想え」とでもいうように不吉な空気を増殖させていく諦観に満ちた人生スケッチ。

  • ジャングル・ブック
    ファヴローのおとなこどもなセンスが至福の画を!
    ★★★★★

    やはりジョン・ファヴローに外れはなかった。“少年以外すべてCG”が売り物とはいえ、ここまで徹底的にリアルに作りこめばもうなんでもできちゃうんじゃないか、という実写映画の根幹を揺るがす作品だが、もっとも驚くべきは動物たちで質感も動きも本物にしか見えないのに微細な表情の変化が実に豊か。過去のディズニー的表現とは異なるが、ここまで巧みな擬人化を成し得たのには伝統的な動物観察の力もあるだろう。モーグリたちの冒険も人間へのシニカルな視点も、ときに厳粛な空気になるほど怜悧。でもビル・マーレイやクリストファー・ウォーケンがのうのうと’67年アニメ版の名曲を歌っちゃう素晴らしきギャップに嬉しくなる。

全373件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク