シネマトゥデイ

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山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: リオ五輪に向けて、イケメンなアスリートを探す仕事をオファーされてしまった。最近はモデル活動してるアスリートも多いのにびっくり。

山縣みどり さんの映画短評

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  • マイル22
    進化するスパイ戦の緊張感がたまらない
    ★★★★★

    マザーと呼ばれるリーダーが率いるCIA裏組織の戦いを描くスパイもので、P・バーグ監督らしい緻密な構成。なによりもハイテクを駆使した今どきのスパイ事情が如実にわかるのが面白く、J・マルコヴィッチ演じるマザーのオーバーウォッチぶりに「おお~」となることしばしば。とはいえ、末端(?)のスパイがしのぎを削る現場は戦争状態なわけで、そこはM・ウォールバーグがきっちり演じている。ブラック・オプゆえに精神面に問題を抱えている設定は不要に思えたが、状況の深刻さアピールだろう。今やプーチンがトランプ大統領のハンドラーだなんて声も上がるアメリカだけど、現場レベルではやっぱ反ロシアなのだな~と思わせた。

  • ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー
    文学の追求には、自己犠牲がつきものなのね
    ★★★★★

    「ライ麦畑でつかまえて」で文学界の頂点に立ちながらも隠遁した作家サリンジャーのミステリアスな素顔に迫る意欲作で、真面目かつ緻密に作られている。物語を紡ぐ熱意に溢れる青年がさまざまな人物や出来事に遭遇し、繊細な神経に多大な影響を及ぼす様子がドラマティックだし、役者陣が表現する登場人物の心情もわかりやすい。メンターとの関係や恋愛などファンでなければ知らなかったエピソードも多いし、書籍化までの裏側や出版界の事情も興味深い。サリンジャーを演じるには人間の闇的な部分がないと思えたN・ホルトも頑張っているし、S・ポールソンやK・スペイシーといった曲者役者が脇をきっちり固めているので安心感は高い。

  • ゴールデンスランバー
    原作に忖度しない、自由度の高い快作
    ★★★★★

    伊坂幸太郎の同名小説の映画化だが、大胆な脚色で原作とはテイストの異なるサスペンスに仕上がっている。特筆すべき点は多々あるが、真っ先にあげたいのは主人公ゴヌを演じたカン・ドンウォンの演技力だ。ただただ善良という単純なキャラクターにリアリティをもたらし、さらには二役で演じた真逆のキャラにも説得力を持たせる実力には舌を巻いた。また脚色を手がけたノ・ドンソク監督の緩急のある演出と物語の全体像を見渡す俯瞰力が抜群で、鑑賞後の余韻に浸りまくり。ソウルには実はパリのような地下水路があると初めて知るとともに、大都市の一味違う景色をもう一人のキャラクターにしたアイデアに感動。

  • チワワちゃん
    ミレニアルズのパワーに気圧されるしあわせ
    ★★★★

    「最近の若者は!?」なんて言う大人にはなりたくなかったのに、実際は口走ってる? 誰もがいつの間にか社会と折り合いをつけるわけで、本作に登場するのはその微妙な時期を迎えた若者。“楽しい今”を過ごしつつも、無策な自分にイラついたり、自由に生きている(ように見える)他者に嫉妬したり。その気持ち、わかるよ~。稀薄に見えながらも濃密だったり、逆だったりという人間関係の真髄に触れた瞬間、これが普遍的な物語なのだと心中でうなった。岡崎京子の思いを掴み取り、自身の哲学を加えた二宮健監督の手腕が素晴らしい! 門脇麦や村上虹郎を筆頭とする若手役者が醸し出す空気感も圧巻で、ミレニアルズのパワーに気圧された。

  • 22年目の記憶
    金日成に似てないなんて二の次の話でした
    ★★★★★

    1972年の南北首脳会談に備えてKCIAが金日成もどきを作り上げるという前提がまず興味深く、彼に主体思想まで叩き込むあたりのエクストリームさもさもありなん。ソル・ギョングが金日成?と懐疑的に見始めたが、大根役者がどんどんエキセントリックに変貌する過程で憑依役者の真髄を満喫した。しかも認知症になってなお、初主演にこだわる役者魂に感涙。そんな役者バカ一代の父親を持った息子テシクの哀切はさぞかしと思うし、22年も溜め込んだ父親への複雑な思いを徐々に吐き出すP・ヘイルのニュアンス溢れる演技も素晴らしい。演技派役者の丁々発止のやりとり、脇を固めた曲者役者の巧妙な演技設計にしびれっぱなし。

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