シネマトゥデイ

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山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: リオ五輪に向けて、イケメンなアスリートを探す仕事をオファーされてしまった。最近はモデル活動してるアスリートも多いのにびっくり。

山縣みどり さんの映画短評

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  • あさがくるまえに
    命がつながることの重さとつなげた人たちの思いが胸に迫る
    ★★★★

    心臓移植をテーマにしたドラマと聞いていたので医療ものを想像したら、はるかに深い感動が待っていた。監督は映像センスも素晴らしいが、人物描写が非常に巧み。提供する側(自動車事故で脳死状態の青年)と受ける側(心臓疾患がある中年女性)それぞれの人生や家族の葛藤をコンパクトながらも丁寧に描き、人物像に深みを与える。だからこそ見る側に彼らの気持ちがしっかりと伝わるのだ。また移植コーディネータや医師、看護師らの立場や気持ちを明確にすることで物語をメロに流さなかったのも好感度が高い。とはいえ移植コーディネータ、トマが約束を守るシーンには涙…。命がつながることの重さとつなげた人たちの思いが胸に迫ってきた。

  • サーミの血
    自分を否定し続けた人生の代償は?
    ★★★★★

    サーミ人については北欧とロシアに住むトナカイ遊牧民程度の知識しかなく、映画を見て初めて同化政策や分離政策があったと知った。少数民族ゆえに人生の選択が限られている主人公エレ=マリャが断固たる決意で前進し続けるたくましさに魅了される。演じるレーネ=セシリア・スパルロクの決然とした眼差しや表情が素晴らしい。彼女の心に渦巻いていたであろう被差別者としての怒りや差別する側への羨望、出自に対する複雑な思いがひしひしと伝わってきた。冒頭に登場する老いた主人公の怒りが徐々に理解できる構成で、最後に再びスクリーンに現れると彼女の見方が大きく変わる。そこにいたのは自分を否定し続けた代償を知った老女だから。

  • エイリアン:コヴェナント
    造形や映像は絶品だけど、物語は王道のB級ホラーでした
    ★★★★★

    『エイリアン』以来、ファンを恐怖に陥れてきた擬態性エイリアンのオリジンがわかる作品で、シリーズの多分フィナーレ? 宇宙移民船がうっかり立ち寄ってしまった謎の惑星のダークな陰影やオーガニックな造形物は荘厳なくらいに美しいし、特撮も感動ものの巧みさ。なのに物語がB級ホラーなのだ。宇宙船の乗組員といえば頭脳明晰なはずなのに、「そこに入っちゃダメ」という道に入り込んで殺人鬼に襲われる高校生集団のよう。それはそれで面白いが、M・ファスベンダー演じるアンドロイドにシリーズのリンクを託しすぎて、作品自体が箱物行政ぽくなった。そのせいで「アンドロイドの髪がなぜ伸びる」なんて瑣末な部分が気になる結果に。

  • あしたは最高のはじまり
    最強のふたりから最強のシングルファーザーへ!
    ★★★★★

    突然、赤ん坊を押し付けられた遊び人が立派なシングルファーザーへと成長するチャーミングな物語。父性が芽生える事件をきっかけに新たなキャリアが開けるくだりなどちょっとトントン拍子に話が進むきらいはあるけれど、底抜けに明るい役が似合うオマール・シーと新人子役グロリア・コルストンの息のあった父娘ぶりが微笑ましいので無問題。本当に仲良く見えるのが素晴らしいし、父娘を支えるゲイのエージェントやドラマ好きな女校長がいい味わいを加えている。そんないい話でヒールとなるのが母親なのは同性として心苦しいが、身勝手さな彼女に向かって「子供はペットじゃないんだから」とつぶやいてしまった。

  • ダンケルク
    シンプルなのに壮大な戦争叙事詩
    ★★★★★

    過去にも映画化されている第二次大戦初期のダンケルク大撤退を浜辺と空と海の3パートに分けて描くシンプルな構成。各パートに主要キャラはいるものの、物語を牽引する特別なヒーローは不在だ。それなのに各キャラの気持ちに同調し、海水でずぶ濡れになった気分になったり、空で苦渋の決断を迫られる気分になったりするのだ。戦争とは名も無き兵士たちの犠牲なくしては成り立たなかったと実感する。研がれた脚本やダイナミックな映像美、役者陣の熱演とすべてが素晴らしいが、特に心打たれたのはマーク・ライランス演じる英国紳士とその息子の存在。あうんの呼吸でヨットに乗り込み、兵士の救出に向かう姿にやるべきことをやる強さを見た。

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