シネマトゥデイ

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山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: リオ五輪に向けて、イケメンなアスリートを探す仕事をオファーされてしまった。最近はモデル活動してるアスリートも多いのにびっくり。

山縣みどり さんの映画短評

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  • サムライマラソン
    お笑い系時代劇ではありませんよ
    ★★★★★

    タイトルからてっきり『超高速!参勤交代』系のコメディと思い込んでいたら、いい意味で裏切られた。外敵の襲来に備えて心身を鍛えようと意気込む殿様主導の遠足に臨む人々それぞれの思惑を描く中盤までは人情喜劇的なトーンで進むが、後半はアクション満載な時代劇に突入。るろ剣で磨いた鮮やかな剣技を再び披露する佐藤健はじめ、役者陣は適材適所。武士が戦う場面のカメラワークが見慣れた時代劇と一味違い、役者の動きをしっかり見せるのが気に入った。また小松菜奈ちゃんが演じるお姫様が独立心旺盛だったり、切り株映画っぽい演出がある点も現代風で、これはグローバル展開を目指す製作者J・トーマスの好みだろう。

  • ビール・ストリートの恋人たち
    恋物語が甘いからこそ、現実の厳しさが胸にグサリ
    ★★★★

    幸せの絶頂にいるカップルが恐ろしい偏見のせいで地獄に突き落とされる、と書くと悲恋のようだが、絶対に愛を諦めないヒロインの姿に胸打たれる。愛の力で輝き、次第にたくましくなるヒロイン役のキキ・レインはとても魅力的だ。
    『ムーンライト』でも感じたが、B・ジェンキンス監督はラブシーンの演出がとても巧みだ。ささいや仕草や視線の配り方だけで愛し合う男女の姿に説得力を持たせ、見ている側をメローな気持ちにさせる。二人の愛を濃厚でロマンティックに描き、現実の厳しさや醜さを際立たせるのも監督の狙い通り。ただ、二人に起きた悲劇が今この瞬間にもアメリカで起きていると考えると気持ちが重くなる。

  • あなたはまだ帰ってこない
    苦悩すらも分析する女流作家の内省的な戦争体験
    ★★★★★

    「書いたことも忘れている」日記に綴られた女流作家デュラスの戦争体験はとても哲学的で、女である自分を前面に押し出す点に彼女らしさを感じた。行方不明の夫を心配しつつ、情報を求めて接触したゲシュタポの手先が「私を好きらしい」と推測。戦時下の苦悩というと物資不足や死の恐怖、家族との別離と思いきや、デュラスのそれは一味違うのだ。愛人に心が傾いたまま夫を待ち続ける意味を自問するのに夢中で、様々な悲劇には通り一辺倒の反応のみ。「私の気持ち」を理路整然と理解しようと頑張る姿が芝居がかって見えるのは私だけ? 自伝の形をとったフィクションだからだろうか、あまりノレなかった。

  • パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)
    あらゆる面でちょっと中途半端かも
    ★★★★★

    予告編を見た『セサミストリート』製作陣が激怒したとかで、大暴れを期待しすぎたかも。マペットをさまざまなマイノリティになぞらえてダイバーシティーの重要さを訴えるのが狙いだろうが、お下劣ギャグやパロディを前面に押し出しすぎ。個人的にはくだらない笑いは大好きだけど、「アハハ」で終わり。マペット界の巨匠を父に持つB・ヘンソン監督にとってマペットは家族同然であり、彼らの可能性の拡大を目指したのだろう。でもギャグやメッセージがなんとなく中途半端で、もったいない感が否めない。ただM・ルドルフやJ・マクヘイルの安定したコミックリリーフぶりで星1個追加。

  • THE GUILTY/ギルティ
    耳からの情報も雄弁なり。観客の想像力を刺激する傑作!
    ★★★★★

    緊急通報をさばく緊急指令センターで繰り広げられるサスペンスなのに、電話会話でドラマがどんどん拡大していく妙味にすっかり降参。脚本も手がけたグスタフ・モーラー監督の才能、恐るべし! うれしいデビューだ。ワンシチュエーション&電話の会話だけのドラマといえば『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』もあったが、誘拐事件を絡ませた本作のほうがスリリングだし、「次に何が起きるの?」と興味も増すばかり。見るうちに気持ちはすっかり主人公アスガーと同化し、「なんとかせねばならん」とばかりに身悶えしていた。資料によると聴覚から得られる情報量は少ないらしいが、そのデータに懐疑的な目を向けたくなる傑作だった。

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