シネマトゥデイ

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山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: リオ五輪に向けて、イケメンなアスリートを探す仕事をオファーされてしまった。最近はモデル活動してるアスリートも多いのにびっくり。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ウィッチ
    凝ったディテールと全体のトーン作りが成功の秘密!
    ★★★★

    清教徒がたどり着いた17世紀のアメリカを舞台にしたホラーだが、電気のない時代らしい暗めな映像や表情を変えない役者の演技でまず陰鬱な気分になる。信仰心の篤い人々独特の悪魔への恐れや未開の地への不安が見る側をも怯えさせる。低予算とは思えない凝ったディテールも含め、全体のトーン作りは完璧だ。しかも家族7人だけの共同体でさらなる事件が起こり、疑心暗鬼に陥った母親が長女に罪をなすりつけようとする展開に『白雪姫』の母娘関係を連想する。一般論でいうと魔女は恐怖が生み出した幻想だろうが、この映画の魔女は家族に無下にされた怒りや絶望の産物のよう。人間関係の原点である家族を大事にしようってメッセージなのかも。

  • ビニー/信じる男
    “不可能”を受け入れず、チャレンジした先に光が!
    ★★★★★

    交通事故で頚椎を損傷したボクサーの奇跡的な復活自体が『情熱大陸』な展開だから、主人公ビニーへの共感度が高くなる。鍛え上げたマイルズ・テラーがチャレンジし続ける主人公を熱演している。意気がった青年役が多いせいか面構えもふてぶてしくなり、ビニー役がぴったり。スポ根ものだし、M・タイソンから解雇された酒浸りのトレーナーや恩着せがましい毒父、金に目のないプロモーター父子も絡んでボクシング界の裏事情を美化してないのがまたいい。トレーナー役のアーロン・エッカートの前頭部を本当に剃った役者魂にも胸を打たれた。復帰戦の観客席にドン・キングの姿があったのはベン・ヤンガー監督の英断! モデル料、支払ったかも。

  • 台湾萬歳
    雑誌やTVでは伝わらない台東人のリアル
    ★★★★★

    雑誌やTVで取り上げられる台北といえばグルメや温泉。楽しい~。でも台湾人の人生観や生活感に弾丸旅行で触れられるわけはなく、やはり頼りになるのは酒井充子監督の台湾三部作だ。最終章の本作は台東の漁師夫妻とブヌン族の人々に焦点が当てられ、日本統治下での移住の記憶やいまでも受け継がれている日本の漁法や食文化が紹介される。前2作は元新聞記者らしいジャーナリスティックな視点が強調されていたが、今回は地元の人々の視点とほぼ同列な印象。漁や畑仕事に同行し、旧正月の宴にも招待されるのは、15年も現地で足繁く取材した監督だから築けた関係性のはず。なので、画面を見ながら台湾の歴史や文化をさらに詳しく知りたくなった。

  • ダイ・ビューティフル
    練り上げられた脚本とインパクトのあるキャラクターが絶妙にマッ
    ★★★★

    自分自身を曲げなかったトランスジェンダー少年の波乱の人生を描いたドラマに詰まっているのは、愛や幸せを追求する人間の普遍の叫び! ヒロインのトリシャがミスコン女王になった直後の急死で幕を開けて、葬儀にまつわるエピソードと回想シーンで時制を行き来しながら彼女の人生をつまびらかにする脚本がよく練られていて、物語にぐんぐん引き込まれた。浮き沈みがあってもポジティブに生きるトリシャや親友バーブスのキャラクター造形はインパクト大だし、言動にも説得力あり(時にバカなことしちゃうけど、それも愛嬌!?)。主演のP・バレステロスのセレブ風メイクがまたインパクト大で、遺影撮影や終活の参考にしたいと思った次第です。

  • 十年
    香港が直面するさまざまな問題は他人事じゃないと思う
    ★★★★★

    今から10年後の香港を描いた作品には、イギリスから中国に返還されて20年間に噴出したさまざまな問題が描かれている。なかでも怖いと思わせるのが「1国2制度」の名の下に自由を束縛しようとする中国政府の思惑や、それに盲目的に従ってしまう人々の無関心さだ。政権がおかしいと感じたら個々人がきちんと声を上げなければ、民主主義などあっという間に消え去ってもおかしくない。加計学園問題などを見ていると、自民党の独裁が続く日本も同じ状況に陥ってもおかしくないよな~とため息。ただし、この映画は最後に希望の種を残してくれた。発芽に大いに期待したいし、私も発芽しなきゃダメだなと自省しました。

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