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非常宣言 (2022):映画短評

非常宣言 (2022)

2023年1月6日公開 141分

非常宣言
(C) 2022 SHOWBOX AND MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

なかざわひでゆき

ハリウッドを凌駕する航空パニック映画の傑作

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 またもや韓国映画からとんでもない傑作が出てきた。ハワイ行きの旅客機でバイオテロが発生。ウィルス感染の広がる機内がパニックに陥る一方、地上では政府関係者が事態の把握に当たり、警察は殺人ウィルスの特定に奔走する。『エアポート』シリーズを彷彿とさせるプロットに目新しさはないが、しかしサスペンスとスペクタクルの見せ場をしっかりと押さえつつ、極限状態で露呈する人間の醜さと崇高さ、天秤にかけられる政治的思惑と人命、会議室と現場の衝突などの緊迫したドラマを織り交ぜることで、綺麗ごとの理想論を排した普遍的ヒューマニズムを描く脚本は見事。これだけ見応えのある航空パニック映画はハリウッドでも作れないだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
大山くまお

“パニック”の意味が反転する終盤の展開に息を呑む

大山くまお 評価: ★★★★★ ★★★★★

乗客乗員150名を乗せた飛行機の中でバイオテロ発生! 逃げ場のない乗客たちの運命やいかに⁉ と、あらすじを語る声も大きくなりがちな、堂々たるパニックアクション超大作の醍醐味を味あわせてくれる一作。とにかくアクションの力技感が半端ない。車が横転する様や飛行機が一回転する感覚を全身で味わうためにも、デカいスクリーンで見るのが吉。ソン・ガンホとイ・ビョンホンという二大スターがそれぞれ父親として身体を張って奮闘する話であり、こってり目の味付けの家系(家族愛)映画でもあるが、犯人の動機が安易なものでなくて良かった。ややB級感のあるストーリーではあるが、“パニック”の意味が反転する終盤の展開には息を呑む。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

怖くもエモい140分、緊迫のフライト

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 列車を舞台にした『新感染~』も強烈なパンデミック・エンタメだったが、同じ韓国製で旅客機内を舞台にした本作も負けていない。

 狂気の化学者が殺人ウィルスを持ち込んだことから、機内も機外も大パニックに陥るスリル。不審者が空港にチェックインする冒頭の不穏を皮切りに、乗客が抱く恐怖、対策にあたる刑事や政府関係者の緊張がつぶさにとらえられる。誰もがネットでニュースを見られ、それが乗客らの一喜一憂につながる点も、ドラマを盛り上げるうえでうまく機能している。

 スリルが持続するドラマではあるが、久々のタッグとなるソン・ガンホ&イ・ビョンホンのエモキャラも生きて、泣きの描写も映える。これは目が離せない!

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

映画館でマスク着用の鑑賞が、これほどふさわしい作品はない!?

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

事件そのものはもちろん、登場人物の決意など、どの要素も振り切るだけ振り切って進む印象で、ゆえに疑問やツッコミどころも発生するが、それらをすぐに忘れさせる怒涛の勢いで突っ走る。息もつけない展開に身を任せるしかない仕上がり。
たとえばソウル⇆東京の飛行時間での機内サバイバルドラマに対し、機外、つまり地上での政府や警察の動きは「どう考えても、その時間内じゃ無理!」と冷静にもなるが、まぁ映画が面白くなるなら…と許すしかない。
そんな感じで、密室でウィルスの恐怖にさらされる乗客に感情移入すると、思わず目と口を塞ぎたくなる瞬間が何度も。
航空会社・旅客機マニアの心をさりげなく刺激する細かいネタも豊富。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

旅客機が“空飛ぶダイヤモンド・プリンセス号”と化す

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ハイジャック×バイオテロに襲われた旅客機が“空飛ぶダイヤモンド・プリンセス号”と化すという、明らかに『新感染 ファイナル・エクスプレス』とは異なるコロナ禍以降のパニック映画。病気の娘を守るために戦う理由ありげな男は機上、乗客の妻を救おうとする刑事は地上と、4度目の共演となるイ・ビョンホンとソン・ガンホの関係性は『新幹線大爆破』に近いが、そこに国土交通大臣役のチョン・ドヨンが絡んだポリティカル・サスペンスへと発展。ただ、韓国のパニック映画が得意とするコミカルパートがほぼ皆無だけに、おなじみの緩急の差がなく、141分はやや冗長にも感じる。とはいえ、衝撃すぎるラストに、★おまけ。

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平沢 薫

閉鎖空間、致死性ウイルス、無差別大量殺人が連打

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 昨今、現実世界で発生して恐ろしいと感じるようになったアイテムが、これでもかと連打される。無差別大量殺人を計画する人物。怪しいバイオ技術開発。致死性のウイルス。自国を守るために他国からの上陸を拒否する国々。そこに、飛行中の飛行機内という舞台ならではの、何かがあっても逃げ場のない閉鎖空間、機体が落下したら死ぬという極限状態の恐怖が掛け合わされて、怖さ倍増。そんな状況の中で起きると、飛行機がいつもより激しく揺れるだけで、もう怖い。
 ソン・ガンホ、イ・ビョンホンらによる群像劇の中で、『殺人者の記憶法』のキム・ナムギルの演技が一際目を引く。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

空港パニックの秀作がまた一本

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

イ・ビョンホン&ソン・ガンホなので楽しみが募る一本ですが、リアルタイムパニックとクライムサスペンスに国家間のポリティカルサスペンスの要素を盛り込んだ大変濃厚な一本。丁寧な冒頭の描写から一気に事が起きるとテンションの高い演出と演技でグイグイと物語を牽引しています。鉄道映画も秀作が多いですが航空機映画もいいものが揃いますよね。思うにやはり閉鎖空間でのタイムリミットという設定が映画を見るということに通じる部分があるのでしょう。お正月映画最初の公開週の一本としてなかなか華やかでいいと思います。

この短評にはネタバレを含んでいます
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