シネマトゥデイ

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「映画.com」等で執筆。著作に「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「ブレードランナー 2049」予告編がカッコイイ! 途中からオリジナル作とは正反対の色調と質感になる。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、予測外の何かをやってくれそう。フランク・ハーバートの「デューン」映画化も検討中とのことで続報がきになる。「SCREEN」の「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、「キネマ旬報」の「シン・ゴジラ」アメリカ評紹介などを執筆

⇒映画短評の見方

平沢 薫 さんの映画短評

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  • ザ・コンサルタント
    一種のスーパーヒーローものとして見ても楽しい
    ★★★★

     特殊な能力を持つ主人公が、昼間は別の顔を持ち、正体を隠して悪を討つーーときたらそれはもうスーパーヒーローの形式。ベン・アフレックが別のシリーズで演じる、あの寡黙なスーパーヒーローの姿を重ねて見るのも一興だ。とはいえ、こちらの主人公は会計士でお金の動きを追うという設定で、現実にありそうな事件を描いて全く別のテイスト。
     主人公の過去を少しずつ明らかにしていく謎解き方式のストーリー展開が、主人公の背負ったものの切なさを際立たせる。インドネシアの格闘技を取り入れた無駄な動きのない肉弾戦は、主人公のキャラに合致。拳が身体を撲る音も、消音装置付きの銃弾が壁に当たる音も残響がなく、音響の演出もリアルだ。

  • アラビアの女王 愛と宿命の日々
    風が、砂漠の上をどこまでも吹き渡っていく
    ★★★★★

     オープニングクレジットとエンディングクレジットの双方で、風が広大な砂漠の上をどこまでも吹き渡っていく。その2つに挟まれた本編で、主人公は砂漠の上をラクダで進み続けていく。そのようにして砂漠の風のごとく描かれる主人公の人物像が清々しい。
     主人公は20世紀初頭の英国が息苦しく、砂漠に行って初めて呼吸するのが楽になり、生涯に渡って砂漠を行きながら、砂漠の美しさを書いていく。実在の人物がモデルなこともあり、家族や恋愛もあれば政治も絡むが、ヘルツォーク監督はそうした伝記的事実には比重を置かず、ただ砂漠を愛してそれに徹した人物を描く。主人公の心が高揚するとき、砂漠の空がより高さを増していく。

  • トッド・ソロンズの子犬物語
    インターミッションにシビレる
    ★★★★

     真髄は、88分の映画にあえて挿入されたインターミッション。ダックスフンドがアメリカ全土を歩いて横断していく映像に、西部劇調の歌が流れる。人々は今も夢を求めて荒野を歩き続けているが、その旅の連れは今や俊足の馬ではなく、足の短いダックスフンドなのだ。
     安定のトッド・ソロンズ。しょうもない人間たちを描いて、彼らを笑わずしかし許すわけでもない。しかしちょっと切ないのは、登場人物の何人かは自分のしょーもなさを知りつつそれでも歩いているからだろう。監督の「ウェルカム・ドールハウス」のヒロイン、ドーンが再登場。中学生だった彼女がどんな20代になったのかも見もの。

  • ネオン・デーモン
    監督はネオン色のデーモンを飼っている
    ★★★★

     オープニングの文字と背景の強烈なネオンカラーが、ウィンディング・レフン監督にとってのデーモンの色なのに違いない。幻惑的で、いかがわしい。夜に魅力を増す色。強烈だが眩暈のように緩やかに変化していく。
     これはデーモンの物語だ。田舎から出てきた少女が、デーモンを受け入れる。すると彼女の顔がどんどん変わっていく。彼女の見るものも変化していく。彼女はデーモンに魅了されてその力を過信してしまうが、実は誰もがそれぞれのデーモンを飼っている。監督もどこかでこういうデーモンを受け入れたことがあり、それに酔うという危険な快楽を知っている。それを女性ファッションモデル界を舞台に、妖しく美しい物語に仕上げている。

  • マグニフィセント・セブン
    7人と監督、それぞれの個性と得意技が炸裂!
    ★★★★★

     なにしろ、主要登場人物が7人もいる。さらにそれを演じるのが、デンゼル・ワシントン、クリス・プラットら当世の人気俳優たち。そのそれぞれに魅力的かつ判別しやすい性格を与え、さらに各自にその個性と結びついた得意な武器を持たせる。そのうえで、アクションシーン中に、7人それぞれの個性を際立たせる見せ場を作る。それだけでも至難の技だが、本作はそれを目指してしっかり実現している。そして、クライマックスの銃撃戦の弾丸一つ一つの重さを感じさせる演出は、アントワン・フークワ監督の見せ場。
     映画全体を通して画面中の空がどんどん青さと広さを増していき、最後に「荒野の七人」の主題歌が鳴り響く。

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