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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「映画.com」等で執筆。著作に「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「SCREEN」でアメコミ映画先取りを執筆。「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がフランク・ハーバートの名作SF「デューン/砂の惑星」を映画化することが決定。噂はあったけど、まさか実現するとは。これは楽しみ!

⇒映画短評の見方

平沢 薫 さんの映画短評

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  • アサシン クリード
    落下するとき、暗殺者は美しい図形になる
    ★★★★★

     落下の美学。フードを被った暗殺者が、高い尖塔から飛び降りる時、太陽を背にしたその姿は、空中でひとつの美しい図形になる。その形が美しい。昨今のアクションは実在の格闘技を用いた実践度重視の演出が多いので、こうした身体の姿勢の美しさを重視したアクションが新鮮。肉弾戦でも、敵を刺した後で一瞬静止した時の姿が美しい。
     それを際立たせるのが、ルネッサンス期の15世紀イタリアという背景と、光ではなく闇の中で任務を遂行するという暗殺者の信条だ。アルハンブラ宮殿でも撮影された古風な絵画のような世界、わずかな光が差し込むだけの暗い空間で、暗殺者は静かに動く。その舞踏のような動きが美しい。

  • バッドガイズ!!
    この監督のアイルランド警官コメディの変奏版かも
    ★★★★★

     オフビート・コメディになるはずが、いろいろネジれてかなり奇妙なコメディになったのかもしれないが、この監督のバディ・コメディ「ザ・ガード~西部の相棒」の変奏版として見るのも一興。あちらはアイルランドの警官とアメリカ人FBIのコンビだったが、今回はニューメキシコのヒスパニック系&北欧系の極悪警官コンビ。マイケル・ペーニャは安定の芸達者ぶりだが、いつもはヒロインの恋人役が多い男優3人、アレキサンダー・スカルスガルド、テオ・ジェームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが、まさかの大胆コメディ演技を披露。彼らが出演したのは「ザ・ガード~」のノリが好きだったからかも、などと推測しながら見るのも楽しい。

  • セル
    クライマックスの光景が悪夢のような強烈さ
    ★★★★★

     セル、とはスマホやケータイの総称。今やセルは、生活のためのツールを超えた、かなりとんでもないものになってしまっているのではないか---そんな疑念が、ストレートなメタファーで描かれていくのだが、主人公が最後に目撃する、セルによって変貌してしまった人間たちの光景がインパクト大。このクライマックスの光景と、冒頭の空港でのシーンのいかにもセル社会らしい冷たくデジタルな光景の、コントラストが凄まじい。
     原作者スティーブン・キング自身が脚本にも参加、エンディングは原作小説とは違うとか。やはりキング原作、J・キューザック&サミュエル・L・ジャクソン共演の映画「1408号室」関連の小ネタもちらっと登場。

  • ナイスガイズ!
    この監督はこういうクセものコメディが本筋では
    ★★★★★

     監督&脚本のシェーン・ブラックは、こういうちょっとオフビートでクセのあるコメディで本領を発揮するのではないか。「リーサル・ウェポン」の脚本家だが、自分で脚本を書いた初監督作はオフビートな探偵もの「キスキス、バンバン」だし、「アイアンマン3」も監督したが脚本にも参加してやはり妙なジョークを仕込んでた。本作はバディものでもあり、子供も登場してオフビート感は弱めだが、基本フォーマットはハードボイルドだし「キスキス、バンバン」的。記録フィルムにつなげても継ぎ目がわからない、70年代ロサンゼルスの色調と質感の映像は、「リバー・ランズ・スルー・イット」の名手フィリップ・ルースロが撮影している。

  • ラ・ラ・ランド
    映画というもののマジカルな力
    ★★★★

     ヒロインが劇中で歌う曲、「オーディション」の歌詞が象徴するように、夢を実現させようとするはみ出し者たちの集まる場所が、ハリウッドであり、ラ・ラ・ランドつまりロサンゼルスであり、アメリカであるはずで、かつてそうであったはずだし、今もそうであるはずだ、という映画なので、特殊撮影技術を使わず昔ながらの撮影法にこだわり、書き割りではなく実際のロサンゼルスの街での撮影にこだわっている。そんな"物語"と"映像の作り方"の見事な合致に目を見張らされる。そして、こうしたメッセージを持つ映画がそれが必要な今この時に登場するということ自体が、映画というもののマジカルな力を感じさせてくれる。

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