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SISU/シス 不死身の男 (2022):映画短評

SISU/シス 不死身の男 (2022)

2023年10月27日公開 91分

SISU/シス 不死身の男
(C) 2022 FREEZING POINT OY AND IMMORTAL SISU UK LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

相馬 学

ダイハードな老兵、ラップランドで大暴れ!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 フィンランドでは珍しい徹底アクション指向のヘランダー監督が、バイオレンス濃いめで放った快作。

 グラインドハウス色を振りまきながら展開する対ナチスバトルは『イングロリアス・バスターズ』を連想させるが、たったひとりで老兵が戦うのがミソで、その生命力の強さが表われるほどワクワクしてくる。敵にもその名が知られ、恐れられるレジェンド的設定もイイ。

 ヘランダー作品の常連トンミラは、今回は主演だけに強烈な存在感を見せつける。監督の映画には欠かせない飛行アクションもあり、クライマックスをしっかり盛り上げる。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

ナチスが怒らせた相手は無敵の最強兵士だった…!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 時は第二次世界大戦末期、場所はソ連に国土を蹂躙されナチスドイツ側についたフィンランド。敗退するドイツ軍部隊が通りすがりの老人から金塊を略奪したところ、実はこの老人がソ連軍に「不死身」と恐れられた伝説の最強フィンランド兵士だった…!という「うっかり怒らせた相手は無敵の殺人マシンでした」系の戦争アクションである。機関銃や砲弾を浴びても絶対に死なないヒーローが、邪悪で卑劣なナチスを片っ端から殺しまくるというプロットは単純明快&スッキリ爽快!マカロニ・ウエスタンを彷彿とさせる演出もクールだし、主人公の戦う動機に決して安易なヒロイズムやナショナリズムを結びつけない姿勢も好感が持てる。

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中山 治美

フィンランド版『イングロリアス・バスターズ』

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

ナチスの蛮行を描いた作品はやまないが、フィンランドもか!と、北欧の歴史に疎い我々に暗黒史を突きつけ、今や”世界一幸福な国”と称されるにまでに至った戦後復興の道のりまでをも慮るを得ないアクション大作だ。ナチスに対する積年の怒りと恨みを老兵に託し、強かにしぶとく生き抜き、反撃の狼煙を上げる。想起させるは、”やりすぎ”と言われたQ・タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』。しかし現実を見てもわかるように戦争はやり過ぎのオンパレード。特に、泣き寝入りするしかなかった女性たちにも言及しているところに監督の思いを感じて泣けた。

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猿渡 由紀

思わぬ拾い物をした気分。豪快なポップコーン映画

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

実に豪快な映画。大事なものを奪われた孤独で無口なヒーローという設定は決して新しくはないが、妙にカッコつけたり、言い訳っぽいことをしたりせず、これは映画なんだからと堂々とやるところがあっぱれ。イーサン・ハントも顔負けのアクションをこなすこのおじいちゃんは、「不死身」なのではなく「死ぬことを拒否」する男。「そうは言ってもこれで死なないなんてあり?」という状況も何度となくあるが、彼はすごいのだ。バイオレンスも容赦ないものの、相手はナチで、女性を苦しめて、しかも犬まで殺そうとした男たちなのだから同情の余地なし。いい感じでユーモアのある最後のシーンも良い。思わぬ拾い物をした気分だ。

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村松 健太郎

問答無用!!

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

実に分かりやすいキワモノ企画&ジャンル映画ではありますが、後に残るクセの強い作品でもあります。
とにかく主人公のアアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)が強烈です。彼が持てば工具のツルハシも最強の武器に早変わりです。シンプルなストーリー、わかりやすい悪役キャラ、一切遠慮のない暴力描写などなど、”ジャンル映画のお手本”のような一本です。北欧は時折こういうブルータルな映画がやってきますね、面白い流れです。
91分という短い上映時間もあって、中弛み一切なく一気に駆け抜けます。スカッとしたい方必見の一本です。

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平沢 薫

フィンランド産、北の暴力

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 土も凍てつく北方の大平原。一人の老いた男。武器はツルハシ1本。有無を言わさぬ圧倒的な暴力。ただそれだけしか存在しない世界のいさぎよさ。

 基本様式は西部劇で、音楽も、画面に登場する文字の書体も西部劇風だが、極端な寒さが世界の様相を変える。フィンランドの北方ラップランドでロケ撮影されたこの世界は、どこまでも寒く冷たく、ここでは生き延びるということが、自覚なしには実現できない。しかも男は老いている。そこで繰り広げられる戦いに、政治や思想は関係なく、金塊を奪うために老人を殺そうとする男たちと、死ぬことを拒否する老人が出会い、それぞれの生存本能が剥き出しになっていく。痛快。

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くれい響

ナメてたジジイが最凶レジェンドだった件。

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

上映時間91分で、『マッドマックス怒りのデスロード』を意識したシンプルな設定(&女性キャラの登場)にも関わらず、なぜかチャプター分け。しかも、演出は人体破壊などのゴア描写に力を入れまくっていることもあり、『ドント・ブリーズ』のようなホラーに近いものがある。わんこのキャラクターや跳ぶ地雷の件など、作り手はブラックコメディを狙っている感もあるが、基本は真面目に撮っているうえ、膨大な人数を殺しまくるわけでもないので、そこまで笑いには繋がらず。いろんな意味で、同じ北欧最強伝説の『ヴァルハラ・ライジング』に近い感覚。そんなナチスがナメてたジジイが最凶レジェンドだった件である。

この短評にはネタバレを含んでいます
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