シネマトゥデイ

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中山 治美

中山 治美

略歴: 茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。週刊女性、GISELe、日本映画navi、Kiite! 、歴史人などで執筆中。テレビ好きが高じて朝日新聞でTVコラム「よこしまTV」を月1回連載しております。

近況: 本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)も発売中デス

サイト: http://www.daily.co.jp/gossip/nakayamacolumn/

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中山 治美 さんの映画短評

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  • こころに剣士を
    エストニアの埋もれていた人物に光を当てる
    ★★★★★

    大人は権力に怯え、ある者はどこかへ連行されていく。
    そんな村に住む子供は、希望を持って生きられるだろうか?
    本作はソ連占領下のエストニアが舞台。
    体育教師がフェンシングで、子供に夢を与えた実話だ。
    だが結果的には彼らの笑顔が、大人たちの意識を変えていく。
    暗い時代に育まれた交流を今に伝える良作だ。
    それだけに、とって付けたような教師の恋愛話が腰を折る。
    コレ、主人公の人間性を出そうとか、女性が共感を得られやすいキャラの投入として多くの映画が陥りがち。
    99分と短いだけに教師と子供の関係性に焦点を絞った方が良かったのでは?
    特にポスターにも登場しているマルタ!
    彼女のドラマがもっと見たかった。

  • ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~
    ナタポー夫、伝統と戦う
    ★★★★

    2016年2月、
    『ブラック・スワン』の振付も担当したバンジャマン・ミルピエはオペラ座の芸術監督を辞任した。
    就任から約1年半。その格闘を本作がつぶさに捉えていた。
    端的に言えば異端児の革新が、バレエ団の軋轢を生んだのだろう。
    だが彼が放つ言動は、バレエ界全体の問題を指摘しているようで興味深い。
    その一つが、バレエ一筋で成長してきた人たちの集団であるという閉鎖的な環境。
    そして白人主義。
    オペラ座での黒人ハーフダンサーの主演起用は、彼が初だという。
    起こす新風が魅力的に映るゆえ、辞任は残念。
    だが彼の変革は確実にオペラ座の歴史の1ページを刻み、本作はそれを追った貴重な記録となった。

  • 人魚姫
    人魚、環境破壊する人間に逆襲す
    ★★★★

    盲点だった。
    海の生態系を壊す人間の愚かな行為に迷惑を被っているのは、ニモやポニョだけじゃない。人魚もいた!
    その彼女と、リゾート開発を推進する実業家が恋に堕ちるドラマチックな展開を、ぶっ飛びギャグを散りばめて描くチャウ・シンチー印のコメディだ。
    ただやはり今回は「楽しかった」だけでは観客を帰らすまいという監督の気概が強い。
    それがクライマックスの、開発の邪魔になる人魚を捉えようとする時に振るわれる暴力シーン。
    嵐のような銃弾。振り下ろされる刀。その描写は容赦ない。
    そんなセッメージ性の強い作品が世界的ヒット。
    監督として新たな可能性を切り拓いたように思え、今後の活動が俄然楽しみになってきた。

  • ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
    スピンオフの概念を変えてしまった快作
    ★★★★★

    娯楽と社会風刺の融合、シリーズへの畏敬を踏まえつつの進化した『シン・ゴジラ』同様の興奮をこんなにも早く味わえるとは。
    帝国軍VS.反乱軍を単純化して描くのではなく、命令で動かされていた人たちが自らの意思で立ち上がる展開にシビれる。
    主要キャストは、各地域の映画界を盛り上げてきた人たち。彼らを檜舞台に上げ、見せ場もきちんと用意した配慮がニクい。そんなところも”シンゴジ”とシンクロ。
    単体でも成立しているが、デス・スターの破壊力と彼らの死闘を目撃してから改めてエピソード4を再見すると、一層物語の深味が増す。
    何より今後、安易にスピンオフを作ろうとするシリーズにプレッシャーを与えた事は間違いない。

  • 人生フルーツ
    またも東海テレビにやられた!
    ★★★★★

    一見、スローライフを送る老夫婦の人生ドラマ。
    だが、そこは数々の問題作を発表してきた東海テレビ。安易な感動作は作らない。
    夫は建築家。
    ニュータウン計画で自然との共生を提案したものの却下され、ならばとその一角に土地を買い緑溢れる暮らしを実践。
    50年かけて耕された庭には野菜や果実がたわわに実り、今も街の緑を守っていると言う。
    なんたる反骨精神。おそるべき意志の固さ。
    夫に寄り添ってきた妻が言う。
    「晩年になって(夫は)良い顔になった」と。
    後半、その究極の表情をカメラは捉える。
    生き方は顔にでる--。
    図らずしもその真実を本作が証明してしまった。

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