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中山 治美

中山 治美

略歴: 茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。週刊女性、GISELe、日本映画navi、Kiite! 、歴史人などで執筆中。テレビ好きが高じて朝日新聞でTVコラム「よこしまTV」を月1回連載しております。

近況: 本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)も発売中デス

サイト: http://www.daily.co.jp/gossip/nakayamacolumn/

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中山 治美 さんの映画短評

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  • 僕らのごはんは明日で待ってる
    市井昌秀監督がアイドルに与えた一筋縄でいかぬ人生
    ★★★★★

    宣伝文句はうるキュン。
    それで普通の恋愛モノと敬遠する人がいたら勿体無い。
    って、aroud50の筆者もその一人だったが。
    だが本作はある程度人生経験を積んだ方が、
    小春が亮太に別れを切り出した理由を重みを持って分かるはず。
    そして2人が歩むこれからの人生の方が、嫌と言うほど長いことも。
    そもそも昭和顔の中島裕翔の印象も手伝って、今どきの恋愛モノとは一線を画する泥臭さ。
    家庭環境も恋心も、全て言葉にして相手に伝える。
    至極健全だ。
    そこに片桐はいりらを投入し、青い2人の言葉に含蓄を加える。
    ここに市井昌秀監督のアイドル映画で終わらせないぞとする抵抗が見えて、それがまた本作の味となっている。

  • 反日感情を露わにするニュースを見ると、しばし考える。
    戦争体験者ならまだしも、若年層が憎悪を抱く根源は?と。
    答えが本作にあった。
    小学校の授業で、繰り返し教え込まれる日本は悪という考え。
    本作は少女を通して北朝鮮の日常を追ったドキュメンタリーだが、一人の人間が教育によって理想とする国民へと染まっていく姿を捉えてしまった。
    私達はどうしても北朝鮮を色眼鏡で見がちだ。
    だが本作で行われていることはかつての日本しかり至る所で当てはまるのでは?
    そして彼女たちが不幸で私たちの生活がバラ色かと考えると、そうでもないことも。
    極めて冷静な作風が、翻って私たちの社会を考えるきっかけを与えてくれるだろう。

  • こころに剣士を
    エストニアの埋もれていた人物に光を当てる
    ★★★★★

    大人は権力に怯え、ある者はどこかへ連行されていく。
    そんな村に住む子供は、希望を持って生きられるだろうか?
    本作はソ連占領下のエストニアが舞台。
    体育教師がフェンシングで、子供に夢を与えた実話だ。
    だが結果的には彼らの笑顔が、大人たちの意識を変えていく。
    暗い時代に育まれた交流を今に伝える良作だ。
    それだけに、とって付けたような教師の恋愛話が腰を折る。
    コレ、主人公の人間性を出そうとか、女性が共感を得られやすいキャラの投入として多くの映画が陥りがち。
    99分と短いだけに教師と子供の関係性に焦点を絞った方が良かったのでは?
    特にポスターにも登場しているマルタ!
    彼女のドラマがもっと見たかった。

  • ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~
    ナタポー夫、伝統と戦う
    ★★★★

    2016年2月、
    『ブラック・スワン』の振付も担当したバンジャマン・ミルピエはオペラ座の芸術監督を辞任した。
    就任から約1年半。その格闘を本作がつぶさに捉えていた。
    端的に言えば異端児の革新が、バレエ団の軋轢を生んだのだろう。
    だが彼が放つ言動は、バレエ界全体の問題を指摘しているようで興味深い。
    その一つが、バレエ一筋で成長してきた人たちの集団であるという閉鎖的な環境。
    そして白人主義。
    オペラ座での黒人ハーフダンサーの主演起用は、彼が初だという。
    起こす新風が魅力的に映るゆえ、辞任は残念。
    だが彼の変革は確実にオペラ座の歴史の1ページを刻み、本作はそれを追った貴重な記録となった。

  • 人魚姫
    人魚、環境破壊する人間に逆襲す
    ★★★★

    盲点だった。
    海の生態系を壊す人間の愚かな行為に迷惑を被っているのは、ニモやポニョだけじゃない。人魚もいた!
    その彼女と、リゾート開発を推進する実業家が恋に堕ちるドラマチックな展開を、ぶっ飛びギャグを散りばめて描くチャウ・シンチー印のコメディだ。
    ただやはり今回は「楽しかった」だけでは観客を帰らすまいという監督の気概が強い。
    それがクライマックスの、開発の邪魔になる人魚を捉えようとする時に振るわれる暴力シーン。
    嵐のような銃弾。振り下ろされる刀。その描写は容赦ない。
    そんなセッメージ性の強い作品が世界的ヒット。
    監督として新たな可能性を切り拓いたように思え、今後の活動が俄然楽しみになってきた。

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