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ピンク映画の集大成!日本・ドイツ合作で河童と人間の官能的な濡れ場も描くピンクミュージカル『おんなの河童』

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左から、河童(佃煮工場バイト中のため変装中)、主演の正木佐和、クリストファー・ドイル、いまおかしんじ監督、キャップを被った2人がスタッフで、右端がプロデューサーのステファン・ホール氏
左から、河童(佃煮工場バイト中のため変装中)、主演の正木佐和、クリストファー・ドイル、いまおかしんじ監督、キャップを被った2人がスタッフで、右端がプロデューサーのステファン・ホール氏 - Photo:Harumi Nakayama

 ピンク映画製作会社「国映」の創立50周年を記念した日本・ドイツ合作のピンクミュージカル映画『おんなの河童』(いまおかしんじ監督)の撮影が行われ、1日、クランクアップした。海外の映画祭出品も見据えた国際的プロジェクトということで、カメラマンには、香港映画『花様年華』などウォン・カーウァイ監督作品で注目を浴び、近年はM・ナイト・シャマラン監督『レディ・イン・ザ・ウォーター』といったハリウッド大作も手掛けるクリストファー・ドイルを起用。ドイルは「ピンク映画の現状に興味があって参加したが、想像していたのと違った。皆、プライドを持って仕事をしていることがよくわかった。ピンクだろうが、映画であることにジャンルは関係ない」とノリノリで現場を走り回っている。

 同作品は、高校時代に沼で溺れて死んだはずの哲也(梅澤嘉朗)が数年後、なぜか河童となってよみがり、結婚間近の初恋相手・明日香(正木佐和)の心をかき乱すファンタジック・ラブストーリー。ピンクなのでもちろん官能的な濡れ場もあるが、河童も踊れば、明日香も、勤務先の佃煮工場のおばちゃんたちと歌って心情を吐露するポップな作品に仕上がりそうだ。

 企画が立ち上がったのは約3年前。ピンク映画は『キャタピラー』の若松孝二監督や『おくりびと』の滝田洋二郎監督など、現在活躍中の監督達が育ってきた場所であり、海外でもファンが多い。今年4月に行われたイタリアのウディネ・ファー・イースト映画祭でも特集上映が組まれ、多くの観客を集めている。

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 『おんなの河童』のプロデューサーである、ドイツ「ラピッド・ムービーズ」社のステファン・ホール氏もその一人。ホール氏は日本映画への造詣が深く、いまおか監督の『おじさん天国』や女池充監督『花井さちこの華麗な生涯』といったピンク映画の配給も手掛けている。ホール氏は「こんなユニークな映画文化を持っている国は他にはない。ぜひピンク映画を世界に出したい」と国映に共同製作を提案。ホール氏お気に入りのいまおか監督に脚本も依頼し、試行錯誤を繰り返しながらやっと撮影まで漕ぎ着けたという。いまおか監督も、ミュージカル映画の名作『サウンド・オブ・ミュージック』や、石井竜也監督で話題を呼んだ『河童』、主人公がしじみ工場勤務という同じ水産物を扱っている石井裕也監督『川の底からこんにちは』などを観賞して参考にしながら、大役に挑んだ。いまおか監督は「まさか自分がドイルと仕事をするとは、ビックリです。構図の撮り方とかさすが! と思いますね」と笑みがこぼれる。

 しかし合作とはいえ製作費は約1,000万円の低予算。撮影はわずか1週間で、セリフはアフレコ収録というピンク映画製作スタイルを敢行。決して恵まれた環境ではなく、ドイルのギャラもハリウッドに比べたら0が一桁少ないと思うが、ドイルは「ビールを飲ませてくれたらそれで満足」と意に介さず。その言葉通りドイルは、佃煮工場の台車を活用して移動撮影を行ったり、女優に物欲しげな目線で河童を見る表情を自ら演技指導するなどアイデアをポンポンと出し、現場に笑いと情熱を提供。この日本独自の妖怪+エロ+ミュージカル+ドイルという異色のコラボレーションは、海外でも大きな話題を呼びそうだ。 『おんなの河童』は年内に日本公開予定。(取材・文:中山治美)

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