谷崎潤一郎「鍵」をいまおかしんじ監督が映画化 吹越満×菅野恵×小出恵介共演

谷崎潤一郎の小説「鍵」が、いまおかしんじ監督、吹越満・菅野恵・小出恵介共演で新たにオリジナルストーリーとして映画化される。公開は2026年の予定。
【画像】向井理、斎藤工、プロポーズは自然派! 金子ノブアキ、小出恵介は演出派!?
「鍵」は谷崎潤一郎が70歳の年に発表された、老夫婦の日記を交互に示す手法で性の奥深さを描く作品で、これまで市川崑、神代辰巳、池田敏春ら名だたる監督たちによって何度も映像化されてきた。
今回、余命を告げられた主人公・剣持を演じるのは映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍する吹越満。剣持の年の離れた妻・郁子を『海の沈黙』(2024・若松節朗監督)で映画初出演ながら存在感を見せた菅野恵(かんの けい)が演じるほか、物語のキーパーソンとなる男性・木村に、『愛のぬくもり』(2024)に続いていまおか組に参加する小出恵介が扮する。
吹越は「どちらかというとMの僕が思いきりMのおじさんを演る映画の撮影が始まります」とコメント。菅野は「新たな『鍵』としておかしみと温もりのある作品になっていると感じました」と脚本の印象を語る。小出は、「不思議なキャラクターばかりの中、果たして木村は何を担うのか…。現場でのいまおか節も併せて、楽しみにさせて頂く次第です!」と期待を込める。
時代を現代に置き換え、大胆なオリジナルストーリーとして映画化したのは、脚本・監督業30年のいまおかしんじ。映画監督として多彩な作品を手がけるほか、「treatment/死神バーバー」(2023・TOKYO MX)では初のテレビドラマ監督を務め、また脚本家としても劇場アニメ『化け猫あんずちゃん』(2024・久野遥子監督・山下敦弘監督)が国際的な評価を受けるなど活躍するいまおかが、ユーモラスな温かい目線で物語を“老人の性”から“夫婦愛”へ生まれ変わらせる。共同脚本を『真夏の果実』(2025)に続き、いまおか監督とタッグを組む松本稔が務める。キャスト・監督のコメント全文は以下の通り。(北山郁)
吹越満
どちらかというとMの僕が思いきりMのおじさんを演る映画の撮影が始まります。
かなりタイトなスケジュールでかなりのシーンを撮るみたい。
これは大変ではありますが、Mの俳優にとって楽しみではあるわけです。
菅野恵
原作の艶かしさに怯みそうになりながらオーディションを受けたのですが、頂いたシナリオはその雰囲気ともまた違い、新たな「鍵」としておかしみと温もりのある作品になっていると感じました。いまおか監督のもと、どんな風にシーンが立ち上がっていくのか今からとてもワクワクしています。
小出恵介
いまおか組再び! 木村役の小出恵介です。
前回とは違うしっとり、大人な世界観が台本から薫ります。
不思議なキャラクターばかりの中、果たして木村は何を担うのか…。現場でのいまおか節も併せて、楽しみにさせて頂く次第です!
吹越さんとは(いまおか監督が脚本を担当した)銀平町(シネマブルース)ぶり! 非常に、非常に楽しみにしております。沢山振り回してもらおう!!(※カッコ内編集部注)
いまおかしんじ(脚本・監督)
妻を抱きたい。ただそれだけのために愚かなことを繰り返す。涙ぐましくみっともなくそれでも必死に生きようとする人たち。あんたらもアホやけど俺もアホや。お互い悶絶してどんでん返ししましょう。撮影が楽しみでしかない。


