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『キングダム・オブ・ヘブン』特集

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キングダム・オブ・ヘブン オーランド・ブルーム特集
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12世紀のヨーロッパを舞台に、平和と正義のために命をかけて戦う青年バリアンの、愛と冒険を描いた歴史スペクタクル。監督は戦争映画『ブラックホーク・ダウン』で組んだリドリー・スコット、製作費は約137億円という話題の超大作だ。主役は、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでブレイクし、『パイレーツ・オブ・カリビアン』『トロイ』と大作が続くオーランド・ブルーム。本作でたくましいヒーローを演じた彼に、映画やプライベートについて語ってもらった。

――今回は、前作『トロイ』とは正反対の戦うヒーロー役ですね。

『トロイ』の撮影を終えたばかりの時に、リドリーから脚本を渡されて読んだんだけど、「ワァォ! パリスとはまったく違った役をやるチャンスだ。まったく正反対だ」って思ったよ(笑)。脚本を読むまでは、また“エピック映画”に出るとは考えてなかったんだけど、この物語が本当に美しく書き上げられていて本当に感激したんだ。

――役作りにあたってはどんなことを?

肉体的な存在感を出すために、たくさん食べて、トレーニングもやってウェイトを約9キロぐらいあげたよ。威厳が感じられるように、低くて深い響きになるように発声も練習した。僕はバリアンを、少年というより男にしたかったんだ。彼はまだ若いけど、“男”なんだよ。あとは、今回は伝統的な幅広の剣を使って、片手じゃなくて両手で扱う剣のテクニックを学んだ。それはこれまでやったのとは違ってたんだけど、楽しかったし、勉強になったよ。

――リドリー・スコット監督がすばらしいと思う点は?

彼は歴史をリアルに、コンテンポラリーに感じさせることができるんだ。『ブレード・ランナー』も『グラディエーター』もそうなんだけど、観客を未知の世界に惹きつけておいて、同時に身近に感じさせるんだよ。そこがほかの監督とは違う点だと思う。人間的には、とても誠実な人。そして多くの人々をインスパイアして、ベストを尽くすように一生懸命頑張らせることが出来る人物なんだ。それって監督としてかけがえのないことだよね。

――ヒロイン役のエヴァ・グリーンとのラブ・シーンでは、あなたがとてもナーバスだったと聞きました。彼女は落ち着いていたのに、あなたは緊張していたって。それは本当ですか?

彼女はウィスキーを飲んでいて、「あなたも飲む?」ってすすめたんだよ!

――あなたはナーバスで彼女は酔っていた?(笑)

うん(笑)。彼女は酔っ払っていたと思う。だから緊張してなかったのさ。僕は、あんなラブ・シーンは今までやったことがなかったからね! 本当に“メイク・ラブ”のラブ・シーンっていうのはね。

――この映画は難しいテーマを扱っているため、すでに世界各国でさまざまな議論を呼んでいるようですが……。

イスラム間の戦争のこと? この映画の焦点はそこじゃないんだよ。この映画の焦点は一人の“男の旅”にあるんだ。彼は正しく生きるというのはどういうことかを、理解しようとしてるんだ。高潔に生きること、自分の罪への償いを持てる世界に生きること、生きることとはどういうことか理解すること……。それらがこの映画の焦点なんだよ。

――『ロード~』から今までのすべてがスムーズにいっていて、こんなにラッキーなことが続くはずはないと怖くなったことはありますか?

僕は『ロード~』での素晴らしい経験に恥じないようにやっていきたいと、ずっと思っていたよ。レベルを上げていっていい仕事をしていきたいし、今もそうしているつもりだ。

――スターとしての生活には慣れましたか?

「大勢の女性に飛びつかれてどんな感じ?」ってよく聞かれるけどさ、そんなことないって(笑)。僕は一人でいることの方が多いし、寝たり、リラックスしたり、自分のために時間を使う方なんだよ。もちろん、友達や家族と出かけたりもするよ。たまには出かけてパーティってのもいいよね。たまにはね!

――今でもバンジージャンプとかやったりする?

ニュージーランド以来、そういうのはやってないな。面白いよね。だってニュージーランドではそういうクレージーなことを皆がやっていたから、僕もやっていたっていうだけなんだ。でもサーフィンとかスノーボードとかは、好きで今でもやってるよ。気晴らしになるし。この前のオフにはブラジルに行ったんだ。今もサーフィンをやりたくてウズウズしてるよ。






取材当日は、ジーパンにパーカという気取りのないスタイルに、本作の撮影中にモロッコで拾ったという愛犬シディを連れて現れたオーランド。「彼はどこにでもついてくるんだ。世界中を旅するんだよね。ベイビーボーイ」とシディに話しかけながら頭をなでる姿に、その場にいた全員が和やかな気持ちに。オーランドの落ち着いた話しぶりや態度からは、大役を果たした満足感と自信が感じられた。

取材・文:今祥枝
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