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『ステイ』特集

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6月3日より恵比寿ガーデンシネマほか全国ロードショー 『STAY』 この映画の謎は頭で考えても決して解けない・・・・・
『ステイ』はこんな映画 豪華スタッフキャスト大集結!
このキービジュアルを探れ 試写会レポート
このキー・ビジュアルを探れ
ニューヨークを舞台に、至るところに仕掛けられた映像トリックはこ『ステイ』を読み解く重要なカギ。 スタイリッシュで刺激的なビジュアルからストーリーを徹底解剖します。
公式サイト 作品情報
目の錯覚!?どこか違和感のあるスタイル、どこにでもある“絵”の謎
イリュージョン・スリラーと銘打った『ステイ』は、幻想的な映像や意味深な出来事の数々が散りばめられている異色の心理スリラーだ。時が経つごとに徐々に全容を現していくストーリーと平行して、ビジュアル的な仕掛けの意味が理解できていく構成が『ステイ』の特徴なのだ。比較的シンプルな点から挙げれば、ファッションに目ざとい女性ならすぐ気付くだろう、精神科医サムを演じるユアン・マクレガーのズボンのすそ。これが異様に短い。仮にも主人公を演じるトップスターの衣装が寸法ミスなんてことは考えにくいし、精神科医という職業やシリアスなテイストの映画にしてはマヌケな印象を与えかねない。ならば、なぜツンツルテンなのか?

そうそう、見方によってはサムの髪型もまるで起きぬけのように常に立ち気味だ。同じく奇妙なのが、物語の重要なポイントでもあるブルックリン橋をさまざまな傾斜でとらえた絵の数々。サムの部屋、ナオミ・ワッツ演じるサムの恋人で元患者ライラのアトリエ、そしてライアン・ゴズリング演じる、謎めいた言動でサムを惑わす青年ヘンリーが訪れる店など、さまざまな場所でその絵を目撃することになる。これらが意味することとは一体……。
登場人物が予測不可能な場所へ瞬間的に移動、大胆不敵な編集の狙いとは?
事故現場のような場所から歩き出すヘンリーの顔が一瞬でサムの顔にシフトするなど、『ステイ』はオープニングから観る者を挑発する衝撃シーンが連続する。映画の編集手法として、シーンの瞬間移動は映像上の演出で場面転換のつなぎとしてよく使われるが、『ステイ』のそれは普通じゃない。例えば、サムのオフィスにいるヘンリーが窓の外へ目をやると、そこには目の前で会話していたはずのサムがライラと会っているし、ヘンリーがサムと大学のような場所で会話していると思いきや、いきなりどこぞの水族館へ瞬間移動、そしてライラの部屋へブッ飛ぶという具合だ(しかもその部屋には水族館で泳いでいるセイウチの絵が!)。瞬間芸はこれにとどまらず、言い争いをしているサムとヘンリーが突然入れ替わったあげく同じセリフを同時に口にしたり、なんとサムはデジャビュ体験までしてしまう。
さらに驚くべきことに、サムがヘトヘトになって帰宅するシーンでは、映像が数回ほど巻き戻しされるのだ。ポイントはデジャビュはサムやライラの認識できる事態だが、シーンの反復は“傍観者だけが理解可能”な点。つまり、映画を観ているこちら側だけに投げかけられたメッセージなのだ。
キョーレツな色彩が視覚をくらます!?意思を感じさせるデザインの妙!!
観る者を挑発する要素と言えば、『ステイ』全編を彩る黄、緑、青などパンチの効いた色彩も見逃せない。例えば黄色。公衆電話やタクシーが黄色なのは自然だとしても、サムが身に付けているズボンやくつ下、駅の階段の手すりやライラのアパートの階段までが同じ色というのは単なる偶然か? 緑と青についても同様で、レオン博士の部屋から逃げ出したヘンリーをサムが追うときに走り抜ける青く光る階段や、ドアや壁一面が緑色に染められているヘンリーのアパート(ヘンリーを担当していた前任者ベスの住まいも緑色!)など構造物自体が何か意思を持っているような存在として映し出される。とりわけ圧巻なのはクライマックス直前で、ヘンリーの自殺を食い止めるべく街中を疾走するサムが、近未来的な空間を往来するシーンだろう。ニューヨークのどこともつかない不思議な場所が、現実と幻想の境目を完全に絶っているようにさえ思える。
そしてサムとヘンリーがブルックリン橋の上で運命の瞬間を迎えるシーンは、まるでオーロラのごとくキラキラと輝く光線がスクリーンいっぱいに広がるのだ。まさにこれぞイリュージョン・スリラーだが、この視覚効果にはどんな意味があるのだろうか?
謎に満ちたビジュアルのオンパレード!!通常あるシーンがない理由とは?
上記だけでも『ステイ』の不思議な世界観にハマりそうだが、常識を超えた謎かけはまだ他にもたくさんある。不意に登場する双子三つ子たち。彼らの持つ銀のアタッシュケースにはどんな意味が?

また、ヘンリーの部屋の壁一面にビッシリと書かれた“許してくれ”の文字。彼はなぜ、誰に許しを請うのか?
そして、地下鉄に乗っているサムは足元を血で染め、らせん階段を転げ落ち、その先に見た光景とは?街のモニターに映る事故のようなクラッシュ映像など例を挙げればキリがない。が、ここまでは『ステイ』の刺激的なビジュアルに注目してきたが、最後に逆転の発想の指摘を。それは『ステイ』にはまともな食事のシーンが“ない”ということ。(実は劇中で唯一、サムとライラが食事をするシーンが出てくるが、彼らが食べている物の色が!)。それが必要ない世界とはいったいどんな世界なのだろうか……。
そんな一筋縄ではいかないスリラーの『ステイ』。ピックアップしたキー・ビジュアルの数々を踏まえて、ぜひ自力で読み解いてほしい衝撃作だ。
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