長澤まさみが叫ぶ!『ドールハウス』にハマるワケ
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ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマは、長澤まさみが主演を務めるミステリー映画『ドールハウス』。怖い映画が大好きな中川がテンション上がりまくりな一方で、実は怖いの大っ嫌いという村本は?(取材・文:森田真帆)
今回の映画は『ドールハウス』(6月13日公開)です。
『ウォーターボーイズ』などの矢口史靖が原案・脚本・監督を務めたミステリー。幼い娘を亡くして悲しみに暮れる夫婦が、骨董(こっとう)市で手に入れた亡き娘に似た人形に翻弄(ほんろう)される恐怖を描く。主人公を矢口監督作『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』などの長澤まさみ、彼女の夫を『愛なのに』などの瀬戸康史が演じ、『魂萌え!』などの田中哲司と風吹ジュン、『私はいったい、何と闘っているのか』などの安田顕らが共演する。
ホラーに厳しい中川パラダイスがハマる

中川パラダイス(以下、中川):この映画、めちゃくちゃ面白かった! これは映画館で観るべき映画やと思う。この作品を映画館の大音量の中で観たらどんなにオモろいねん! って思ったわ。
村本大輔(以下、村本):オレは怖い映画がめっちゃくちゃ苦手やねん。昔、彼女と映画館でこの手の映画観たんやけど、怖くてずっと手を握ってたんやけど、彼女の手に青あざできてしまったことあったわ。だからこの映画も観るのにかなり度胸が必要やった。ぶっちゃけ、最初の5分でもう怖くてなってやめるところやったわ。
実は人形屋の息子だった

中川:村本って、もともとの怖い怪談とかも無理ってこと?
村本:無理! めっちゃ無理! 中川が昔、オレに怖い話したことあったやん。子供の頃に肝試しで、廃墟の小学校に入ったら全身刺青のおっさんがおって、振り返ったらCカップのおっぱいがあったことがあったっていう話。ぶっちゃけ、あれすらも怖かったんやからさ。
中川:まだあるで、怖い話。
村本:もう、ほんまにやめようや!

中川:僕んち、昔人形屋さんやってん。
村本:もう怖いやんか!
中川:ほんまにな。まっちゃまち(松屋町)の日本人形を扱っていた商店の子供やってん。それこそ親父が日本人形にこだわりを持っていたから、家にも日本人形がいっぱいあってさ。金持ちの家には必ず1体だけいい日本人形がなくちゃあかんって言われて、親父が100万円くらいの着物着たおかっぱの女の子の人形買ってきたんやけど、なぜかそれを僕の部屋に置いててん。でもやっぱり髪が伸びたり、目から血出たりしたら嫌やなと思って、親父の部屋に置いてもらってたんよ。そしたらある日、親父の部屋から夜中に悲鳴が聞こえてきて、なんやと思ったら親父が人形持って立っててさ。「メイドインチャイナって書いてあるー! 日本人形ちゃう!」って言っとったわ。
村本:なんやその話は! でも人形で一番怖いん話は、オレが漫才しているときに隣のマトリョーシカが話してるって言われることやわ。
中川:それは僕やわ!
笑いと恐怖のセオリー

中川:僕わかったことがあったんやけど、アメリカよりも日本のぞくぞく感がええなって。だからこの映画も『ドールハウス』っていう名前がよくないわ。なんか洋風を感じてしまうやん。もう『呪いの日本人形』ってしてもええくらいちゃうか?
村本:いや、お前『呪いの日本人形』って、だいぶ古くない? あまりにも昔っぽいやん。
中川:僕は日本の感じがめっちゃ好きやからさ。家族の感じとかもそうやん。アメリカのおかんとはちょっと違うっていうか、なんか怪しいというか変な感じのおかんがまた日本ぽくて。
村本:長澤まさみさんやけどな。僕は長澤まさみ好きやってん。『モテキ』っていう映画が好きやったんやけどさ、オレたちをときめかせる感じやったのに、こういうちょっと変わったやばい母親を演じるようになったんやな。長澤まさみは世界の中心で愛を叫んでたのに、この映画では、おうちの中心で恐怖を叫んどったな。
中川:これから観る人たちがいるからあれやけど、僕的にはやっぱりポラロイドのがめっちゃ怖かったな。こんなふうに来るんちゃうかなって思っていたら、全然思っていたのと違う恐怖が襲って来た気がして。それがめっちゃ怖かった。
村本:真面目な話をするとお笑いとスリリングな映画って似ているって思うねん。例えば、こっちからくるとみせかけて違う方向からいく。どっちも、大事なのは裏切りやと思うねん。
中川:確かにそう考えると、この映画は“令和ロマン”のお笑いよりも“和牛”の笑いの作り方やったな。おどかしっぱなしで、いろんな伏線を一気に回収する感じ。
村本:和牛スリリング、ぜひお楽しみに~。
※記事内容には個人の意見が含まれています。
『ドールハウス』6月13日公開
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ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。