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『ユートピア』レオナルド・スバラグリア独占インタビュー

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『ユートピア』レオナルド・スバラグリア独占インタビュー

取材・文:渡邉ひかる

予知能力を持ちながらも、悪い未来を変えることができない現状に苦悩する青年アドリアン。彼は自分の夢にたびたび現れる謎の女性アンヘラを探す旅に出る。本国スペインで話題となった『ユートピア』は、1人の男の過酷な運命と愛を描いた衝撃のサスペンスだ。主人公の青年アドリアンを演じたレオナルド・スバラグリアが来日! 『10億分の1の男』、魔性の美女カルメンに翻弄されるホセ役を好演した『carmen. カルメン』、そして『ユートピア』と、昨年から今年にかけて主演作の日本公開が続くラテン系美形俳優の素顔とは?

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■日本の観光地を満喫!

Q:はじめまして。今回が初来日ですよね。

そうなんだ。だから滞在をすごく楽しんでいるよ。昨日、自由時間があったから六本木ヒルズの森美術館に行ったのだけれど、いろいろな衣装が展示してあってすごく素敵だった(「ファッションと色彩展」開催中)。週末にはぜひ京都に行ってみたいね。

Q:『ユートピア』は様々な要素が詰まった作品ですが、どこに一番惹かれましたか?

僕が演じるアドリアンは予知能力を持っているがゆえに自分の殻に閉じこもっている青年だけれど、彼は自分の能力を受け入れることによって自己を解放していく。そのプロセスが気に入ったんだ。

Q:マリア・リポル監督は『ユートピア』を「サスペンスとアクションの間を動き回る映画であり、ラブストーリーでもある」とおっしゃっています。あなたはどう思われますか?

僕は人間ドラマの要素が濃いサスペンスだと解釈している。映画への出演を検討する時、僕は必ず「何を伝えたい映画なのか。それに共感できるのか」を考えるのだけれど、『ユートピア』では人間の可能性を問うテーマに興味を抱いたし、それが物語の中で一番重要な部分だと思う。

Q:昨年日本公開された『10億分の1の男』もそうですが、あなた自身、人間の運や運命といった感覚的なものを題材にした作品に惹かれる傾向があるのでしょうか。

どうだろう……。というよりは、自分が演じて表現することによって誰かに貢献できる役に惹かれるといった方がしっくりくるかな。『10億分の1の男』は「人間は感情によって結ばれなくてはならない」ということを語った映画だと思うし、先程言ったように『ユートピア』にも「人間は自分で人生を切り開かなくてはならない」というテーマがある。僕はそれぞれの題材の裏側にあるヒューマンな部分を表現して、人々に伝えたいんだ。

■僕は運命を信じない

Q:では、あなた自身は運命を信じるタイプではない?

そう(笑)、信じないよ。人間はいろいろな可能性を選択して生きる生き物だと思うんだ。僕は常に“選択”を意識して人生を歩んでいる。選択できる立場にいられて幸運だとも思うしね。今、僕がこうして日本にいるのを運命だと言うこともできるかもしれない。でも、僕が『ユートピア』に出演することを選んだから、日本に来ることができたんだ。いい選択だったよね!

Q:こうしてお話をさせていただいた印象では、あなた自身とは全くタイプのような……?

もちろん(笑)。僕と彼に共通項はないよ。自分とは全く違うタイプの役を演じることが楽しみだし、挑戦でもあるからね。でも、自分と似た役を演じることもまた挑戦なんだよ。表面的には似ていても本質的には違っていたり、本質的に共通する部分があってもどこか違う考え方を持っていたり、そういった構造を探るのが演技の楽しさなんだ。

Q:『ユートピア』はアドリアンとナイワ・ニムリ演じるアンヘラのラブストーリーでもあります。私はその部分がすごく好きなのですが、2人の関係はどうとらえましたか?

僕もその部分が大好きなんだ! 閉鎖的だったアドリアンが自己を解放していくのは、まさにアンヘラのおかげだからね。アンヘラとの出会いによって、無表情だった彼が変わっていく過程はすごく演じ甲斐があったし、見どころだと思うよ。

■美人女優との共演ばかり

Q:アドリアンとアンヘラはある意味、運命で結ばれた、出会うべくして出会った恋人同士だと思います。先程、運命は信じないとおっしゃいましたが、恋愛における運命も信じない?

やっぱり信じないな。だって、関係っていうのは自分たちで築き上げなくてはいけないものだよね? たとえ出会いが運命的だとしても、その先は本人次第。運命という言葉に頼ってしまうと、努力しなくても2人の関係を築き上げることができてしまいそうだけれど、そんなのありえないし、あるとしたら羨ましすぎるよ(笑)。

Q:この映画のナイワ・ニムリをはじめ、『carmen. カルメン』のパス・ヴェガ、“Deseo”のレオノール・ワトリングと、日本でも人気のある美人女優との共演が続いていますが、羨ましがられたりしませんか?

だろうね(笑)。フフ。

Q:でも、彼女たちもあなたと共演できて羨ましがられていますよね。

ハハハ、そう願うよ。

Q:スペイン語圏の俳優がハリウッドで活躍することはもはや珍しいことではなくなってきていますが、あなた自身はハリウッド進出を考えていらっしゃいますか?

面白い企画があって、それに僕を必要としてくれるのならばいつでも行きたいね。でも、その前にフランス映画に参加する予定があるから、今はそっちの方が楽しみだな。

上記の質問の後、「ねえねえ、何でハリウッドに行ってほしいの?」といたずらっぽく問い返す彼に対し、「ハリウッド映画の方が日本公開されやすいから。あなたの出演作を1本でも多く観たいんです」と答えると、どんなコメントも100%真摯に受け止める彼は、「なるほど! じゃあ、頑張らなきゃね」と満面の笑みを見せた。そんな思いがけないやりとりからも、彼の生真面目すぎるほどの性格(それゆえ、ハリウッドスターならばウィットを絡めてサラリと切り返すであろう質問とも本気で向き合う)と思慮深さ、そして人柄のよさが見てとれた。

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