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シャーリーズ・セロン『スタンドアップ』単独インタビュー

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シャーリーズ・セロン『スタンドアップ』単独インタビュー

写真:Chris Pizzello / ContourPhotos.com / MediaVast Japan

『スタンドアップ』は、1970年代、ミネソタ州の鉄鉱山で実際に起きたセクシャル・ハラスメント訴訟を基に、男性が優勢の鉄鉱山で働く女性鉱山労働者たちの闘いを描く作品だ。その闘いの先頭に立つシングル・マザー、ジョージーを演じているのは、『モンスター』で実在の死刑囚アイリーン・ウォーノスを演じ、見事、主演女優賞オスカーに輝いたシャーリーズ・セロン。『スタンドアップ』の演技ではゴールデン・グローブ主演女優賞にもノミネートされたシャーリーズが、役作りの苦労や映画作りに対する姿勢などを語ってくれた。

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実在した人物

シャーリーズ・セロン

Q:『モンスター』も『スタンドアップ』も実話に基づいた作品ですが、実在した人物を演じるのは難しいものなのでしょうか?

特にそんなことは無いわ。実在の人物でも架空の人物でも、女優として人間をできる限り誠実に演じることには変わりはないから。ただ、実在の人物を演じる場合は、その人に対して嘘偽りのないように、演じなければいけないという責任は感じるわね。わたしが演じるのは実際に一人の人が生きた人生なのだから、それをずさんに扱うようなことをしてはいけないのよ。

Q:この映画に出演するにあたり、撮影前に映画のモデルになった事件が起きた鉱山町を訪れたそうですね。

ミネソタには撮影が始まる3週間前から行っていたの。ジョージーを演じるには、この話の舞台になったコミュニティの社会的な構成を理解することがとても大事なことだと思ったから。地元の人たちは、わたしたちをとても暖かく迎えてくれたのよ。実際の事件に関わった女性たちは「真実を語って欲しいから、わたしたちに何でも聞いて」と言ってくれた。彼女たちの中にはいまだに鉱山で働いている人たちも居て、一緒に夕食をとっていた時に「夜勤があるから」と言って先に帰ったりしていたわ。地元の人たちとスノーモービルを乗りに行ったり、凍った湖で穴釣りをしたり、各自が食べ物を持ち寄るパーティに招待されたりして、楽しかったわよ。

セレブだって態度はとらない

Q:あなたがオスカー女優のシャーリーズ・セロンだということで、地元の人たちは意識したりしなかったんですか?

まあ、最初はわたしが知っているセレブのことを聞かれたりもしたけど、わたしも自分がセレブだなんて態度をとったりしなかったから、皆もすぐに意識しなくなって、わたしは彼らとすごく意気投合したの。わたしはああいう実直な人たちが大好きだから。

Q:鉱山でも実際に働いたとか?

ジョージーが経験したことを実際に体験できる機会を与えられて、うれしかったわ。でも、すごく重労働だった。事件に関わった女性たちの多くは清掃作業を担当させられていたんだけど、特別な技術は要らないものの、一番汚くて辛い仕事なのよ。1日12時間の勤務時間が終わった時には、言葉も出ないぐらいに疲れ果てちゃったわ。彼女たちが、どうやって毎日、こんな仕事を続けることができたのか、いまだに謎よ。

女性監督との仕事

シャーリーズ・セロン

Q:『モンスター』、この作品、そして次作の『イーオン・フラックス』と女性監督との仕事が続いていますね。

そうね。でも、それは意識して選んでいるというわけではないのよ。たまたま、強く興味を惹かれた作品の監督が女性だったというだけで。わたしにとって一番大切なのは、優れた技量や才能を持ち、そのプロジェクトにふさわしい監督なのかどうかということであって、性別は二の次だから。『スタンドアップ』だって、セクハラをテーマにした女性映画というように観られがちだけれど、実は、ミネソタという厳しい自然の中で、限られた雇用の機会を争いながら、男も女も生き延びていかなければならないという社会状況を描いた人間ドラマなのよ。そういう意味では、「セクハラ」という言葉に拒絶反応を起こしがちな男性たちにこそ、この映画を観て欲しいと思っているの。


『モンスター』でのアイリーン役をほうふつさせるような力演に、公開前からオスカー・ノミネーションがささやかれているシャーリーズだが、そのことにふれると、「オスカーなんて一度、受賞しただけでも途方も無くラッキーなこと。わたしは、2度も受賞することを考えるような、どうしようもない欲深女じゃないもの」と言い切った。30歳にしてこの余裕。シャーリーズが、キレイなだけではない、本物の輝きを持つ女優になりつつあることを、実感させられた瞬間だった。

『スタンドアップ』は1月14日よりサロンパス ルーブル丸の内にて公開。

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