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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』スティーヴン・スピルバーグ インタビュー

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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』スティーヴン・スピルバーグ インタビュー

インディというキャラクターがいつでもインディであり続けられることが大切

文・構成:シネマトゥデイ

世界中の人々が心待ちにしていた『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』がついに日本でも公開され、現在大ヒットを記録している。オリジナルキャストのハリソン・フォード、そして盟友ジョージ・ルーカスのほかに、インディの冒険に新たに加わったシャイア・ラブーフ、ケイト・ブランシェットら豪華キャスト陣たちと作り上げた、新生『インディ・ジョーンズ』の魅力を監督のスティーヴン・スピルバーグが語った。

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ハリソンが演じたからこそ成功した

スティーヴン・スピルバーグ

Q:インディ・ジョーンズの新作が世界的に期待されていたことについてどう思いますか?

自分が監督した作品の宣伝やマスコミ試写会などがあるときは、どこへ行っても記者から「次のインディの新作はいつですか?」と聞かれるんだ。しかも、それは記者たちが仕事のために聞いているのではなくて、自分が知りたいから聞いてくるんだ。もちろんそれに対してわたしは特に何も答えなかったけど、ハリソンもこれまで同じ質問を受けていたし、ジョージも同じく聞かれていたことは知っていたよ。

Q:ハリソン・フォードのキャスティングについては?

ハリソンこそ、この作品における中心人物なんだよ。第1作目からそうだった。彼がインディを演じることこそ、わたしたちにとって最も重要なことだった。わたしが監督することよりも、脚本家たちが話を練り上げることよりも、ずっと大切なことなんだ。これまでのシリーズでわたしが個人的に思うのは、インディ役がハリソン・フォードじゃなかったら、絶対にここまで成功しなかっただろうということだ。わたしは『インディ・ジョーンズ』の強みというのは、この映画自体をハリソンに合わせて作り上げていくことにあると気付いた。ただ仕掛けやコンセプトを考えるばかりでなく、インディというキャラクターがいつでもインディであり続けられるように作ることこそ、僕たち全員にとって大切だと思ったんだよ。

Q:アクション・ヒーローとしてのハリソン・フォードはいかがでしたか?

今回の作品はハリソンにとって、過去3作よりも体力的にきつい仕事だったと思う。というのも、今回いろいろな安全装置や固定器具やワイヤーなどを使ったが、それらはデジタル処理で消すことができるんだ。そのおかげでハリソン自身が大掛かりなスタントを自分でこなすことができるようになった。しかもいつでも安全にね。だから体力的な面で、もしハリソンが万歩計を持っていたら、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のときよりも今回の方が、歩数が多かったと思うね。

懐かしのキャラクターと新たな仲間たち

スティーヴン・スピルバーグ

Q:インディの相棒にシャイア・ラブーフを抜てきした理由を教えてください。

彼しかいないと思った。わたしは何年も前に、子どもたちと一緒にディズニー映画『穴/HOLES』でシャイアを見たんだが、そのときわたしは「彼こそ、『インディ・ジョーンズ』シリーズにぴったりだ」と口走ったんだ。彼はどこかリヴァー・フェニックスをほうふつとさせていたんだ。それは、わたしがシャイアに注目した瞬間だった。ジョージも『ディスタービア』を観て彼を気に入り、キャスティングを承諾してくれたよ。

Q:マリオン・レイヴンウッド役のカレン・アレンの復活は、ファンにとってうれしいことでした。

こんなに年月が過ぎた後で、再びカレンと仕事ができたのは最高だったよ。この映画を観ればわかるけど、彼女は1981年に製作した第1作のときの元気なマリオン・レイヴンウッドのままなんだ。

Q:悪役スパルコを演じるケイト・ブランシェットの演技はいかがでしたか?

わたしの友人で、以前にケイトと仕事をした監督から「彼女は完ぺきに役に成り切れるから驚くなよ」と言われたんだけど、その通りだった。彼女は完全にイリーナ・スパルコになり切っていた。そしてわたしが「カット!」と言った直後に自分自身に戻るんだ。

インディ・ジョーンズのテーマ曲は天からの贈り物

スティーヴン・スピルバーグ

Q:1957年に時代設定したのはなぜですか?

1957年という舞台設定は、ちょうど冷戦の真っただ中だった。そしてマッカーシズムの時代だ。それに改造自動車がはやっていて、女の子たちはレザーウェアを着てポニーテール、そしてサドルシューズを履いて、音楽はいつもエルヴィス・プレスリーだった。それが1950年代だったんだ。1930年代とはまるで違う、まったく新しい時代だよ。そして最後にインディを見てから20年近く経っているし、彼もより成長したと思う。もっと賢く、そして多分、もっと強くなった。だからすべての装飾を1950年代半ばの美徳に変化させようと思ったんだ。

Q:ジョン・ウィリアムズ作曲のテーマ音楽についてどう思いますか?

毎朝セットに向かうと、必ず誰かがインディ・ジョーンズのテーマ曲を口笛で吹いていたり、ハミングしていたりするんだ。それは単純に、この曲が象徴的存在だからなんだ。もちろん帽子もムチもいいし、それらに身を包んだハリソンも最高だ。だが、何よりもハリソンをインディたらしめているのは、ジョンが作曲したあのテーマ曲なんだ。あの曲調は、まさに天からジョンへ贈られたものさ。ジョンは天才だと思うよ。そして『インディ・ジョーンズ』はあの曲なしでは考えられないし、逆にあの曲もインディがいなければ無意味だといえるね。

Q:観客に向けてメッセージをお願いします。

これはファミリー映画としては究極のものだと思う。本作は過去のシリーズでもそうだったけど、まだインディを知らない人や、DVDやVHS、テレビなどで作品を一度も観たことがない人のために作ったんだ。だからインディがどんなヤツなのか、事前にまったく知らないとしても、映画館では誰でもこのワクワクするようなオリジナルストーリーを楽しめると思う。そしてこの映画は何もファンだけのものではなく、シリーズを知らない人たちのものでもある。彼らは、インディがこれまで何をしてきたのかは知らないだろうが、この映画を通じて初めて彼の冒険を目撃するんだ。そして彼と一緒に冒険に出るわけさ。


スティーヴン・スピルバーグ

一つ一つの質問に、ゆっくりと時間をかけて、丁寧に答えてくれたスピルバーグ。どんな質問にも熱っぽく語る彼からは、『インディ・ジョーンズ』シリーズ、そして映画への熱い思いがあふれていた。小さいころインディにあこがれた親たちが、子どもたちと一緒に映画館で大はしゃぎできるのは、スピルバーグとルーカスが20年たった今でも、冒険心を持ち続けているからだろう。子どもの心を持った天才監督が作り上げた胸躍るアドベンチャー、日常からしばし離れて最高の冒険をインディとともに楽しんでもらいたい。

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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』は全国公開中

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