『ゴースト・イン・ザ・シェル』スカーレット・ヨハンソン 単独インタビュー

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『ゴースト・イン・ザ・シェル』スカーレット・ヨハンソン 単独インタビュー

スタントなしで挑んだアクションシーン

取材・文:よしひろまさみち 写真:金井尭子

ハリウッドでの実写化企画が出ては消え……という日本の原作は数知れず。しかも、実現してもファンが納得いく作品はほぼゼロに近い。そんな状況下、原作・士郎正宗、監督・押井守による『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が完全実写化され、期待と不安が半々というファンが多いことだろう。本作に関して賛否のほどは個人差あるだろうが、ハリウッドでの日本アニメの実写化では最初の成功例といっていい。むしろこれを日本でやれと言われてもできない、ビッグな新作について、主演のスカーレット・ヨハンソンが語った。

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わからない、ではすまされない少佐役

スカーレット・ヨハンソン

Q:少佐を演じるにあたっての準備はされましたか?

オリジナルのアニメ版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を観たときに、なにがなんだか、よくわからなかったのよ。とても抽象的な物語とキャラ設定だし、これを実写で演じるにはどうすればいいのかを考えたわ。そのためにルパート・サンダーズ監督とはたくさんディスカッションをしたし、監督からはどさっと山ほど資料が送られてきたから、それが役づくりの助けになったと思う。こういう複雑なキャラに悩んで監督から資料を受け取ったのは、『LUCY/ルーシー』のときとまるで同じなんだけど。わからない、ではすまされないのよ。だって、オリジナル版にはたくさんのファンがいるし、それを実写で演じるには責任が伴うんだもの。だから、撮影に入る前にとにかく資料と脚本を読み込み、自分なりの解釈をしたわ。シンプルに考えると、今作はサイバーテロとの戦いを経て、少佐が成長する物語。それが自分の女優としての成長とシンパシーを感じたの。そう考えることで、とてもやりやすくなったと思うわ。

Q:アクションもかなりハードでしたね。体作りについて、特別なトレーニングは?

フィジカルなトレーニングに関しては、もともとわたしはパーソナルトレーナーと毎朝一定のトレーニングをしているので、体作りという面では特別なことはしてないの。ただ、それは自分の時間を使ってやっていることなんだけど、撮影に入ると自分の時間は自ずと減ってしまうでしょ? だから、朝、撮影現場に入ってからワークアウトをするなんてこともあったわね。あと、どんなアクション映画でもそうなんだけど、そのセットに入ってみないと、実際の空間のサイズでの振り付けや、ワイヤーワークがどうなっているのかが、わからないものなのよ。だから、今回もスタジオに入ってから、コリオグラファー(振付師)と一緒に、シーンの確認をしたわ。一番苦労したのは、ナイトクラブでの乱闘シーンね。とても狭い場所で、3人の男性をまとめて相手にしないといけなかったから本当に大変だった。ちょっとでもタイミングを外したら成立しないし、わたしはポールに手錠でつながれたままだし(笑)。しかもスタントなしで、あのシーンは全部自分で演じたのよ。とても誇らしいシーンだわ。

自分を見つめ直すきっかけを作ってくれた少佐役

スカーレット・ヨハンソン

Q:全身を義体化された少佐は、自分が自分でないような感覚を持ってしまう、というのがこの作品の大きなテーマです。抽象的なことだけに、どうやって解釈し、演じたのでしょう。

まさにこれがこの役で一番難しかったこと。最初はどうやってアプローチすればいいのか、全然わからなかった。でも、いろいろと資料を読んでいくうちに、フロイトの精神学説が役に立つことに行き着いたの。人の心を構成する3つのもの「イド(我欲)、エゴ(我欲をコントロールする)、スーパーエゴ(道徳的、倫理的概念)」を考えたら、少佐以前に、わたし自身のことが見えてきたのよね。わたしはどういう存在なのか、どういう行動原理を持っているのか、ってことを見つめることができたの。その結果、得られた答えは、人はこれまでの経験や体験による産物だっていうこと。少佐にも過去の記憶や体験があり、それがこの物語で大きなトピックになっていくからね。それに、彼女は義体化した体と、過去を記憶している頭脳を持っているでしょ。普通の人間ならば考えたことはすぐに行動に移せるけど、彼女の場合、脳の命令と体のアクションの間に、何かしらのクッションになるものがあるはず。そういうふうに考えると、「自分が自分ではないような感覚」を持つ少佐を演じることに対する恐怖感は薄れたし、数週間そこに気をつけて演じたことで、すっかり慣れてしまったわ(笑)。

ファンの熱い思いに応える完成度

スカーレット・ヨハンソン

Q:ファンが多い作品として知られていますが、その一方、オリジナル版を知らない若い人も数多くいます。

それってむしろ好都合よ(笑)。今の若い人たちは、古い作品を知らないことに対してなんの罪悪感もないし、固定概念もほとんどないはず。とてもフレキシブルに物事を見ることができるから、この作品を新鮮な体験として受け止めてくれると思うわ。それとともに、この実写版を観て興味を持ってくれた人は、オリジナルのファンがどれだけの思い入れを持っている作品かを知ってほしいし、それに答えるだけの完成度を持った作品だということを知ってほしいわね。


スカーレット・ヨハンソン

来日以前に行われた各国のインタビューでは軽やかに取材をこなしていた彼女だが、このときは離婚発表直後ということもあって、個人的な質問にはとてもナーバス。とはいえ、映画のこと、こと日本の“攻殻”ファンへの気遣いは満点だ。過去に「東京が大好きで、ニューヨーク以外に住むとしたら東京を選びたい」と語っていたほど日本好きの彼女。それだけに、日本発のこのエンターテインメントでの主演ということに対する責任感がひしひしと感じられた。

(C) MMXVI Paramount Pictures and Storyteller Distribution Co. All rights Reserved.

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』は4月7日より全国公開

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