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『食べる女』前田敦子 単独インタビュー

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『食べる女』前田敦子 単独インタビュー

恋愛の悩みは自分で解決していくもの

取材・文:磯部正和 写真:上野裕二

脚本家の筒井ともみが企画・原作・脚本・プロデュースを務めた映画『食べる女』。年齢、職業、恋愛に対する考え方、人生観などが異なる8人の女性が「食と性」というテーマのもと、本当の幸せとは何かを追い求めるストーリー。本作で、優しいけれど物足りなさを感じる恋人からのプロポーズに揺れ動く女性・多実子を演じたのが前田敦子だ。豪華女優陣との共演に「とても居心地が良かった」と語った前田が、撮影の裏側や恋愛観などを語った。

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結婚を踏みとどまる気持ちに共感

前田敦子

Q:前田さんが演じた多実子は不倫経験が長く、ようやく優しい男性に出会えたものの、物足りなさを感じてしまう女性でした。どのようにアプローチしていったのでしょうか?

生野(慈朗)監督がリサーチした内容を教えていただきながら、リハーサルで少しずつ調節していった感じです。今時の女の子なのかなという印象もあったので、そこを足がかりにしていきました。

Q:多実子という女性を演じるうえで特に大切にしたことは?

彼からプロポーズをされるのですが、特に仕事で忙しくしていると、結婚というものに煮え切らない女性は多いのではないかなと思いました。結婚のタイミングを自分で見つけようとすると、踏みとどまってしまうという気持ちにはすごく共感できたので、その部分を大切にして形作っていきました。「もしかすると、他にもっといい人がいるんじゃないか」という気持ちが出てきてしまうことだって、あるんじゃないかなと思うんです。

またとない豪華女優陣との共演

前田敦子

Q:小泉今日子さん、沢尻エリカさん、広瀬アリスさん、山田優さん、壇蜜さん、シャーロット・ケイト・フォックスさん、鈴木京香さん……と、豪華な顔ぶれでしたね。

みなさんすごく自然体なので、一緒にいて本当に居心地が良かったです。食卓を囲むシーンがあるのですが、「ご飯には自然と距離を縮める力がある」と撮影をしながら感じました。「食」は本当に良いコミュニケーションツールですよね。

Q:前田さんも、とても自然体でした。

そう言っていただけると嬉しいです。登場する8人の女性たちはさまざまな事情を抱えていますが、基本的にはキャラクターの特異性を押し出した作品ではないので、役を作り込むものでもないのかなと思いました。現場に入って、そのときの空気感で演じられたのが良かったのかもしれません。

Q:多くの女優さんがいる現場だけに、気疲れはありませんでしたか?

各女優さんのパートがオムニバス的に描かれているので、撮影も個別で行っていました。なので、あまり誰かに気を遣う環境ではなかったんです。物語自体が、年齢も環境も立場も全然違う女性たちの集まりを描くものだったので、その設定が撮影現場でも生きていたような気がします。だからこそ、食卓のシーンもすごく良い距離感で臨めました。

好き嫌いがないのは母のおかげ

前田敦子

Q:「食」がテーマの一つですが、前田さんにとって忘れられない味はありますか?

嫌いな食べ物はなくて、何でもおいしいと思えるんです。本当に何でも食べられるので、人にも合わせられます。それは母に感謝しています。とても料理が上手だったので、味音痴になることもなく、食べるだけではなく、作ることもすんなり始めることができたのも母のおかげだと思います。

Q:劇中には50品以上の料理が登場していますが、特に印象に残っているのは?

特に「鯵のサワークリーム和え」はおいしかったです。今回の料理は、おいしいだけでなく、簡単に作れるレシピがすごく多くて、しかもお洒落。筒井さんはすごいなと思いました。

Q:前田さんの豪快な食べっぷりは、撮影現場で評判だったようですが。

そうですね(笑)。もちろん映画なのでマナーを守りつつ、おいしくガッツリと食べられればいいなと思っていました。

「そんな男やめた方がいい」の助言は意味がない

前田敦子

Q:さまざまな女性の恋愛観や結婚観が描かれています。前田さんご自身、撮影中と現在では、結婚などもされ環境が変わったと思いますが、それに伴い作品の見方やキャラクターへの考え方が変化するようなことはありましたか?

環境は変わりましたが、恋愛や結婚に対する考え方は特に変わっていません。だからこそ、結婚して良かったなとも思っています。友達としゃべっていても、恋愛や結婚に対する考え方ってそれぞれ違う。誰しも悩みはあるものだと思いますが、それは当人同士の問題。他人に分からないことはたくさんあると思うので、どんな考えでも肯定も否定もしません。この部分は全くブレることはないです。

Q:とてもすがすがしい考え方ですね。

人の恋愛にとやかく言うことに意味がないと思うんです。男女の関係は当人しか分からないことが多いので、結局は自分で解決していくしかないんですよね。「そんな男やめた方がいいよ」「他にもっといい人がいるよ」みたいな言葉って一番いらないんじゃないかなって。

Q:その意味では、この映画に出てくる女性たちは皆魅力的ですね。

そういうことをちゃんと分かっている、自立した女性たちの集まりだなと思います。みんなで幸せ話をおつまみにしている。女子会としてはすごく素敵なメンバーですよね。


前田敦子

AKB48を卒業してから約6年の歳月が流れた前田敦子。「芸歴的にはもう“新人”とは言っていられないですよね」と苦笑いしていたが、その言葉通り、近年スクリーンで見せる存在感は、意識していなくても目で追ってしまうほどだ。本作では、小泉今日子、鈴木京香、沢尻エリカら主役級のキャストが集っているなか、目立ちすぎることなく、かと言って埋没することもなく、絶妙なバランスで演じ切っている。

(C)2018「食べる女」倶楽部

映画『食べる女』は公開中

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