『あのコの、トリコ。』吉沢亮 単独インタビュー

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『あのコの、トリコ。』吉沢亮 単独インタビュー

どの現場でも、死ぬほど悔しい思いをしている

取材・文:高山亜紀 写真:高野広美

恋と夢を追いかける幼なじみたちの三角関係を描いたラブストーリー『あのコの、トリコ。』。本作で、幼い頃に「3人で一緒に映画に出ようね!」と交わした約束が忘れられない、冴えないメガネ男子の頼を演じたのは、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を続ける吉沢亮。夢に向かって頑張る「あのコ」のために奮闘する頼を好演した吉沢が、少女コミックを基にした本作での役作りや杉野遥亮との共演、撮影の裏話、自身の子供時代などについて語った。

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杉野遥亮が恋敵だったら……

吉沢亮

Q:これまでも少女コミックが原作の作品に出演されていますが、今回の頼役でチャレンジだったことはなんでしょうか?

「あのコの、トリコ。」は、男性目線で話が進んでいくのはなかなか珍しいなという印象があったので、いろいろな点で挑戦的な作品ではあると思っていました。どうしても少女漫画というと、女子から見たカッコいい男の子のカッコいい部分を追っていくものが多い気がするのですが、男からの視点で、女の子のキラキラした部分やライバルのカッコよさを見ていくので、そこが珍しいと思いました。

Q:一見頼りないメガネ男子でありながら、実はカッコいい頼を演じてみていかがでしたか。

純粋な二枚目みたいな役どころは、実はそんなに経験があるわけではないんです。どちらかといえば、イケてない男子が頑張るみたいな、いわゆる三枚目の役やそれに近い役ばかりをやってきたので、イケてないけど、それが変化していくという頼の設定は、これまでやってきたことに近いことを出す感覚でした。そういう点ではあんまり難しさは感じず、楽しくやっていたように思います。

Q:ライバル・昴役の杉野さんは吉沢さんのきれいな顔を見て「これを超えるのか」とプレッシャーだったようですけど、ライバルとしてはどうでしたか?

杉野くんはキラキラしていましたね。映画では原作以上に昴のピュアさ、真面目さが役に出ている気がして、それがすごくよかった。ライバルとして、完璧だったと思います。実際に恋敵であんなのがいたら、僕は引きますね。普通に譲ります(笑)。

主演としての役割、共演者との距離

吉沢亮

Q:主演としての雰囲気作りを心掛けて現場に臨みましたか。

主演経験もそんなにないですし、雰囲気のいい現場にしたいなと思っていたので、最初は遥亮や(新木)優子ちゃんに自分から意識的に話しかけようとしていたんですが、そんな心配も必要ないくらいに二人ともいい人で、撮影が始まってからはそういう意識は完全になくなって、気を遣うこともなく、楽しみながらやっていました。

Q:ヒロイン役の新木さんとはこれまでにも共演していますが、息もぴったりですね。

空気感は自然と現場で作り上げられていきました。優子ちゃん本人の裏表のない明るさ、人の好さみたいなものが作り出す雰囲気が原作や台本に描かれている雫にすごくぴったりで、一緒に芝居する相手として、安心感がありました。実際、何をやっても受け止めてくれるだろうなという佇まいで、そこもよかったです。

Q:雫相手にレッサーパンダのかぶりものをしているシーンが最高です。

あれはけっこう、悩みました。どのテンションでやるべきなんだろうって。一歩間違えたらまったく面白くないシーンになる危機感があったので、どうしようと思っていたんですが、逆にやりきっちゃった方がいいな、と。むしろ恥ずかしそうにやっていたら、寒いですよね。仮面もかぶっているし、それまでのテンションを無視して、がらっと雰囲気を変えてやったんですけど、あれはあれでよかったのかな(笑)。

Q:頼と昴の対峙している、1カット、長回しの場面もすごい緊張感です。昴のシュートが一つも入ってませんけど(笑)。

実はあれ、なかなか難しかったんです。けっこうテイクを重ねているんですが、監督的にお芝居の流れが、あれが一番よかったのだと思います。だけど、あのテイクに限って、全然、シュートが入ってなかったんです。ほかのは割とスパスパ、入っていたのに、悲しいかな、なぜか入ってないのが使われてしまった(笑)。

Q:長回しでワンテイクというのはすごいですよね。

それまではカット割りも多かったりして、コマ数も刻んで撮っていたので、相当、緊張感がありました。あのシーンは緊迫した雰囲気が大事なシーンでもあったし、そういうことも含め、あの撮影方法になったと思うんですが、それがいい感じに出ていたような気がします。

意外?想像通り?自身の子供時代

吉沢亮

Q:頼のキャラクターのために意識的にしていたことはありますか。

表面的な部分は割と作っていますね。バッグの持ち方、表情もそう。衣装合わせにもかなり時間をかけました。眼鏡の形にもこだわって、たくさん用意していただいた眼鏡のなかから、一番、頼っぽいけど、ダサすぎない、いい感じのぎりぎりのラインを探りながら、選んだんです。見た目的な部分には相当、こだわって、監督と話し合いました。

Q:頼、雫、昴……幼い頃から、俳優になりたい夢を切磋琢磨しながら、かなえていく関係性が面白いですが、どう捉えましたか。

幼なじみで同じ夢を描いていて、恋敵……って、なかなかすごいですよね。

Q:ちなみに吉沢さんはどんな子供だったんですか。

よく覚えていないけど、かわいかったとは思います(笑)。でも、すごく内気だったはずです。いまもそうなんですけど、友だちもそんなに多くなかったし、外で遊んだりもしていましたけど、それより家でゲームしている方が好きというようなタイプだったと記憶しています。仮面ライダーがすごい好きだったんで、ライダーになりたいとはずっと思っていました。なれました!(笑)

同世代の役者、そして現在の活躍について

吉沢亮

Q:『BLEACH』では福士蒼汰さんとの共演が話題になっていましたが、吉沢さん自身にライバルのような存在はいますか。

ライバルという見方をしている人がいないんです。同世代の役者さんに対して、「こういう仕事しているんだ。俺も頑張らなきゃ」と刺激はいっぱいいただきますけど、意識するようなことはあまりありません。ただ、一緒に現場でやっている役者さんに対しては、先輩後輩関係なく「ああすごいな」って思うことはありますし、そういった時は負けたくないなと思いますね。

Q:出演作もヒットしていますが、どんな時に達成感を感じますか。

もちろん、撮影が終わった瞬間は「やっと終わった」って思います。でも、基本的にはやりきったというより、何かが残ったまま、終わることが多いんです。「この役を全うしたな」というより、「もうちょっとあの時、こうしておけばよかった」「もっとこうだった」って、終わってから後悔することがいっぱいある。毎回、どの現場でも、死ぬほど悔しい思いをしているし、そういうことの連続です。実は後悔のなかった現場なんて、いまのところ、ないんです。この仕事をやっていて、完璧だなんて思う人はいないと思っています。


吉沢亮

主演映画『ママレード・ボーイ』の大ヒットや、人気コミックを映画化した『銀魂2 掟は破るためにこそある』の続投など、今年最も活躍した俳優の一人として高く評価されている吉沢亮。主演作も増え、挑戦的な作品が続く。俳優として、ノリにノッている時期。それでも慢心することなく、自分さえ俯瞰して捉えてしまうクールな姿勢は変わらない。「この仕事に完璧はない」という彼の言葉に、常に前進し続けるストイックさの理由が少し見えた気がした。

(C) 2018 白石ユキ/小学館・「あのコの、トリコ。」製作委員会

映画『あのコの、トリコ。』は10月5日より全国公開

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