『旅猫リポート』福士蒼汰 単独インタビュー

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『旅猫リポート』福士蒼汰 単独インタビュー

動物の持つ力を感じた

取材・文:高山亜紀 写真:高野広美

ちょっと気まぐれな愛猫ナナと共に車に乗って、旅を続ける悟。強い絆で結ばれている一人と一匹だが、これはナナの新しい飼い主を探す旅だった。涙なくしては観られないハートフルな作品『旅猫リポート』で主人公・悟を演じたのは福士蒼汰。周囲を優しく見守る穏やかなキャラクターがこれまでにないほどぴったりだと公開前から評判は上々だ。「福士君の素の感じでいい」という監督の言葉を信じて挑戦した役づくりとは。

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素の自分で挑んだ役づくり

福士蒼汰

Q:穏やかな悟は福士さんのイメージにぴったりですね。

悟は何より優しくて、こんな人がいるのかというぐらいなんです。だからまず、その優しさはどこから来たんだろうと探っていきました。過去だったり、境遇だったり、歩んできた人生が彼をそう作り上げたんだと感じたので、そこは忘れずにベースに持っていたいと思っていました。あとは動物が好きなところは本当に自分と一緒です。愛情の表し方が自分と悟はすごく似ていると思ったので、自分の要素を入れながら、悟を作っていきました。

Q:動物への愛情の表し方ですか?

猫ちゃん、ワンちゃんもそうですけど、動物と一緒にいると、ちょっとデレっとしてしまうんです。好きだという気持ちが出すぎちゃって、話しかけてしまったり。もちろん、話しかけても答えはもらえないですが、自分もそういうところがあります。実際、悟以上かもしれません(笑)。

Q:三木康一郎監督から「素の福士さんで」と言われたそうですね。その時はどう思いましたか?

監督と初めてお会いした時に、ナナとも初めて会ったので、自分がナナに接している姿や、監督とお話をさせてもらった時の様子を見て、そう言ってくださったんだと思うんです。撮影中もナナと一緒にいる時は、本当に普段の自分っぽい感じで話していたので、ずっと「これでいいのかな」と不安でしたが、監督の言葉を信じて心から素直に演じていました。

友情より恋愛を選ぶ幸せもあるはず

福士蒼汰

Q:『BLEACH』の際はスタートのかけ声とともに役柄に意識が切り替わると言っていましたが、これだけご自身と近い役どころを演じるのはどんな感覚でしたか?

キャラクターづくりというものをほとんどしていないんです。アニメや漫画原作の作品だとキャラクタービジュアルをすごく意識したりしますが、今回は見た目より心の中身の方が大事だなと思ったので、そこを最重要視しました。

Q:完成した作品を観て、いかがでしたか?

不思議だったのは、これまでの作品と違ってなんの違和感もなく観られたことです。悟が悲しい時は自分も悲しくなって、すっかり感情移入していました。自分が演じているので、撮影当時のことが思い出されるせいも多々あるとは思いますが。こういう芝居の仕方は初めてで、新鮮でした。

Q:悟の人間形成の過程も描かれていますが、子供時代の悟、高校時代の悟は福士さん自身のそれぞれの時代と比べてどうでしょうか?

小学校時代の悟は明るくて、周囲の人を引っ張っていくようなタイプです。自分はどちらかというと内向的で、大人数でいることもないし、いたとしても後ろから見ているようなタイプでした。

Q:親友に好きな女性を譲る高校生のエピソードはどうですか?

自分はそうはしないと思います。恋愛映画などで、似たようなシチュエーションがありますが、恋愛を選ぶ幸せもあるのかなと思うんです。それで途切れるような友情なら、大したものじゃないと思う。友情は何があっても崩れないと信じているので、そういう意味では悟とは違うかもしれません。

猫の魅力はもちろん「ツンデレ」!

福士蒼汰

Q:高畑充希さんがあてたナナの声がとても印象的ですが、撮影現場ではどのように撮影していたんですか?

助監督さんがナナの台詞を読んでくださったり、自分でナナがしゃべっている間を空けて、次の台詞をしゃべったりしていました。高畑さんがナナのお芝居をする声はイメージでしかなくて、完成した作品で初めて聞いたので「あ、ナナ、しゃべってる」と思いました(笑)。

Q:実際にナナの声がしない状態で感情をのせるのは難しかったのでは?

でも実際にはナナと会話をしているわけではなくて、「ナナがしゃべってるんだろうな」とイメージしていることですから、実際にしゃべられると逆に驚きます(笑)。「ナナがなにか猫語でしゃべってるな」と悟は思っていて、それがナナの本心とは全く違っても、それはそれで面白かったりするので、そこは意識せずに演じていました。

Q:ナナと一緒にいて、猫の気持ちがわかってきましたか?

完全にわかってるとは言えないですが、なんとなくわかってきてるんじゃないかなと思うことはあります。この抱き方は嫌なんだろうなとか、この抱き方ならちょっと落ち着くなとか、さっきは落ち着いたけど、今は違うなとか。そういうナナのちょっとした「嫌」の感じは動きでわかってきました。

Q:一緒にいて感じた猫の魅力は?

ツンデレというか、普段はそっぽを向いていることが多いんですが、たまにすっとこっちを向いて、顔をすり寄せてくる。そういうことをされるとドキっとしてしまいます(笑)。

福士蒼汰は犬の皮をかぶった猫

福士蒼汰

Q:福士さんにとって、ナナのような癒やしの存在は?

動物の動画を観たりします。赤ちゃんワンコや、猫ちゃんをお風呂に入れてみるとか、そういうのを観て癒やされています(笑)。今回の役とか関係なく、昔からよく観ていますね。

Q:例えば最近の『猫は抱くもの』では俳優が猫を演じていましたが、福士さんも猫役はどうですか?

猫役ですか。実は自分は猫っぽい性格も持っているので、いけるかもしれないです。なんかワーっといく瞬間とふっと冷める瞬間が自分にもあるんです。「ワーっ」となっている一面しか知らない人は自分を犬っぽいと思ってると思うんですが、実は冷めるところまで見せられるのは限られた人で。仲がいいからこそ、自分の気分のままでいられる。そこは猫っぽいのかなと思ったりします。犬と見せかけておいて、犬の皮をかぶった猫なんです(笑)。

Q:本作でいろんなことに挑戦したと思いますが、新たな発見はありましたか?

人と人だけじゃ交わらないところも、動物がつなげてくれるということです。実際にその場に動物がいなくて、会話するだけでもそうで。犬や猫の話題で仲良くなったりするじゃないですか。実際に動物を飼っている人同士なら、すごく盛り上がるだろうし、そうじゃなくても、例えばこの作品がつなげてくれることもあると思うんです。そういう動物という生き物が持つ力みたいなものをすごく感じました。

Q:現在は25歳。大人の男性になっていく年齢ですが、意識していますか?

自分はそんなに意識していません。背伸びするのが一番大人っぽくないなと思うんです(笑)。背伸びもしなくてもいいし、ありのままの自分でいられることが一番だと思います。そういう風にいられないからこそ背伸びしたりとか、必要以上にへりくだったりしてしまうのだと思うんです。なので自分はあんまりかっこつけたり、飾りをつけたりせずにそのままの状態の自分でいられたらいいなと思いながら生きています。

Q:等身大でいるということは自信を持っていないとできないことですね。

そうです。本当に生身だから、「突かれたら痛い」とかいろいろあると思うんです。でも等身大でいられた方がすごく輝いて魅力的な人間でいられるんじゃないかなと思っています。自分自身は全然そういられているわけじゃないですが、そういう風になろう、それに向かって生きていこうとは思っています。


福士蒼汰

ナナを見つけるなり「今日は人がいっぱいだから、ちょっとびっくりしたね」と優しい声で話しかけていた福士蒼汰。落ち着きのなかったナナも福士の腕の中では安心したのか、うずくまっていた。トレーナーも顔負けの仲の良さだ。福士が愛おしそうにナナを見つめる姿に、思わず「猫になりたい」と漏らす女子もいたほど。本作には動物好きな福士のまっすぐな思いがこもった表情がめいっぱい収められている。

協力:ZOO動物プロ

映画『旅猫リポート』は10月26日より全国公開

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