『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』波瑠 単独インタビュー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Google +1
  • ツイート
  • シェア
『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』波瑠 単独インタビュー

挫折を経験して見える景色が変わる

取材・文:坂田正樹 写真:高野広美

都内の一流ホテルチェーンに就職が決まり、キャリアウーマンとしての第一歩を華々しく踏み出そうとしていた波平久瑠美(波瑠)が配属されたのは、グループ傘下のローカル遊園地。夢と現実とのギャップに戸惑いながらも、カリスマ上司・小塚(西島秀俊)ら個性豊かな仲間に励まされ、やがて働くことの真の喜びを見出していくイマドキ女性を波瑠が爽やかに好演した。自分の未熟さと対峙しながら成長していく久瑠美の姿に大いに共感したという彼女が、本作に込めた思いを語った。

[PR]

“波瑠”の文字が組み込まれた主人公に驚き

波瑠

Q:原作者の小森陽一さんは波瑠さんを想定して当て書きしたそうですが、オファーを受けたときはどんな気持ちでしたか?

実はオファーをいただいた段階では、そういった経緯を知らなかったんです。だから、私が演じる波平久瑠美に「波瑠」の文字が入っているのを見て、「わあ、すごい偶然だ」って素直に驚きました(笑)。

Q:そうだったんですね(笑)。

撮影が始まってから小森先生にお会いする機会があって、そこで初めて当て書きされていたことをお聞きして。それまでは、あまり意識せずに脚本を読んでいたのですが、改めて原作から読み返してみたら、「なるほど、私ってこんなふうに思われているんだ」とか「こういうイメージを持たれているんだな」って妙に納得したり、ちょっと意外に思ったり、いろいろ感じるところがありました。何より私のことを想定しながら書いていただいたことは、すごく光栄なことです。

Q:そんな本作は働く女性を応援する「お仕事エンターテインメント」となっていますが、原作と脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?

お仕事を頑張るすべての女性を応援することがとても大きなテーマになっていますが、右も左もわからない世間知らずの新卒社員がいろいろな経験を積み重ねながら成長していく姿には、やっぱり素直に感動します。若いときってなぜか「自分はすごくできる」と思い込んでいたり、職場に入ったときも「なぜ、こんなことやらなきゃいけないの?」と駄々をこねたり、そういう驕(おご)りの気持ちって、人が必ず通る道なのかなあと。それが挫折や失敗をたくさん経験していくうちに、見える景色がだんだん変わってくるんですよね。

波平久瑠美という等身大の主人公

波瑠

Q:波瑠さんもデビュー当時、久瑠美と似たような経験をされましたか?

大学を出て就職した久瑠美とは職場も気の持ちようも異なるところも多いのですが、私もデビューしたてのころは、失敗ばかりしていましたし、久瑠美が自分の未熟さを実感するところは、すごく共感するものがありました。

Q:波平久瑠美という等身大の主人公をどう捉え、どのように表現したいと考えましたか?

撮影が順撮りじゃないところが難しかったです。心の成長を描いたりサプライズのような場面があったりと、前後の物語や心情を予想しながら演技するのが大変でした。地方の遊園地で久瑠美が社会人として成長したシーンを撮り終えてから、まだまだ未熟だった東京編を撮っていたりするので(笑)。

Q:主人公が徐々に成長していく物語だけに大変ですね。でも、働く女性の心情がとても自然に表現されていると感じました。

演技でとくに注意したのは、まわりは経験豊富な先輩ばかりなので、自分ができなくて居たたまれなくなったり、挫折を味わったりするのは、「すべて自分に原因がある」という意識を持つこと。久瑠美が真面目に頑張りすぎていると、先輩たちが悪者に見えてしまうので、やる気がなくて与えられたことを渋々やる、でもそれじゃダメだと気付いていく感じを、どういうサジ加減で見せればいいのかをすごく考えました。悪いのはいつも久瑠美、そして自分が気にしていたことがどれだけ小さなことか、そういう心の葛藤を表現しながら、少しずつ成長していく姿を見せられればベストかなと。

「魔法使い」は西島秀俊さんにしかできない

波瑠

Q:劇中では「なみひら」ではなく「なみへい」と呼ばれていました。サザエさんのお父さんと波瑠さんのイメージがあまりにもミスマッチなので笑ってしまいましたが、撮影現場の舞台裏でも呼ばれていたと聞きました。

みんな、すごく大きな声で呼んでいましたよ。まあ、「なみひら」でも「なみへい」でも、私はどちらでもいいんですが……(笑)。ただ、波多野(貴文)監督だけは「僕は撮影中、ずっと『なみひら』と呼びますから。そこは気をつけていきたい」とおっしゃっていて、私も「なるほど、監督の中では『なみへい』ではないというこだわりがあるんだな」と思っていたんですが、ふと気付いたら「なみへい」と呼ばれていました(笑)。ただ、劇中でも象徴的なシーンがあるんですが、「なみへい」という呼び名を受け入れるということが、この遊園地で頑張っていくぞという決意表明みたいなところがあるのだと思います。

Q:小塚役の西島さんが、毎朝「波平ー!」と大声で呼びかけるシーンも印象的でした。今回、初共演の西島さん、いかがでしたか?

ほんとに優しい方で、撮影現場ではとても頼もしかったです。これからも、いろいろな作品でご一緒したい大好きな先輩です。企画を次々と成功させて「魔法使い」と呼ばれる久瑠美の上司役としていろいろサポートしてくれるのですが、まっすぐで思いやりのあるこの役は、西島さん以外には考えられません。

お化け屋敷で鼻血……遊園地での苦い思い出

波瑠

Q:熊本県に実在する遊園地「グリーンランド」でのオールロケはいかがでしたか?

とても暑かったですが、エキストラのみなさんがよくあんなに集まってくれたなと思います。とくに花火大会のシーンは絵的に大人数が必要だったので、熊本のみなさんの温かさと手厚い協力に助けられました。私もあのユニフォームを着て、グリーンランドのスタッフのように園内を動き回っていたんですが、本物のスタッフさんも同じユニフォームでいらっしゃったので、気付かれていなかったかもしれません。

Q:『SP』シリーズの波多野監督がメガホンを取っているだけに、遊園地の立地や特性を生かしたアクションやサスペンスシーンも満載でした。

池に飛び込んだり、ヒーローショーで走り回ったり、爆弾騒ぎに翻弄されたり……たしかにアクションも多かったですね。とくに爆弾騒動の場面は波多野監督ならではの緊張感あふれるシーンになりました。今までに体験したことがない暑さの中で、しかも多くが野外での撮影だったので熱中症寸前でしたが、なんとかやりきりました。

Q:恋人役の中村倫也さんと水しぶきを浴びるシーンもすごかったですね。

思いっきり浴びましたね!(笑) 濡れちゃうからワンチャンスでやろうということで、水しぶきのタイミングに合わせて準備していたんですが、バシャーってきたら、私だけ風の流れに守られて、ちっとも濡れてなくて。水の量を増やしてもう一度やったんですが、中村さんは結局2回浴びることになりました(笑)。

Q:波瑠さんご自身は遊園地での思い出などはありますか?

私は東京出身なので、子供のころ、後楽園やとしまえんとか、都内にある遊園地は家族でよく行きました。印象に残っているのはお化け屋敷です。怖くてグっと力が入っていたみたいで、明るいところに出てきたら、鼻血がドバーって出ていて……。たしか中学校の高学年くらいだったと思います。父親と母親と3人で行った遊園地だったのですが、それが子供時代の最後の思い出かもしれません(笑)。


波瑠

波平久瑠美として過ごした時間の中で「自分自身を改めて見つめ直すことができた」という波瑠。社会の厳しさを知り、自分の未熟さを痛感しながら働くことの意義や素晴らしさを理解し始める久瑠美の生きざまが、波瑠というフィルターを通して社会で奮闘するすべての人に勇気を与える。自分の心にちょっぴり「魔法」をかけるだけで世界が変わっていくような、そんな生きるヒントがいっぱい詰まった本作で、新しい波瑠の魅力が躍動している。

(C) 小森陽一/集英社(C)2018 映画「オズランド」製作委員会

映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』は10月26日より全国公開

最新インタビュー

インタビュー一覧 »

[PR]