『プロメア』松山ケンイチ 単独インタビュー

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『プロメア』松山ケンイチ 単独インタビュー

この熱さは自分の中で大切なもの

取材・文:中村美奈子 写真:上野裕二

熱いストーリーとパワフルな映像で人気を得たテレビシリーズ「天元突破グレンラガン」「キルラキル」の今石洋之監督、脚本の中島かずきコンビによる、初のオリジナル劇場アニメーション『プロメア』。真っ直ぐな主人公ガロ・ティモスの声を務めるのは、『男たちの大和/YAMATO』『聖の青春』など徹底した役作りで知られる松山ケンイチ。今石×中島作品のファンだという松山が、世界観の魅力を大いに語った。

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あんなに叫んだのは初めて

松山ケンイチ

Q:中島かずきさんの脚本を読んで面白いと思ったポイントは?

かずきさんの脚本は、アツいんです。それを今石監督がアニメーションで表現すると、何百倍にもなって、生身の人間が表現しきれない熱を放つんです。「天元突破グレンラガン」と「キルラキル」を観ると、その熱さに引っ張られて、自分が強い人間になったかのような勇気をもらえる。だから、「蒼の乱」で初めて(中島かずきが座付き作家を務める)劇団☆新感線の舞台に出演した時も、今回のアフレコ前も、「グレンラガン」の最終回のラストシーンを観て臨みました。『プロメア』にも両作品に通じる熱さがあるし、僕がもらった熱を、今度はお客さんに渡せたらと思いました。

Q:大好きな作品と同じ制作陣の作品に参加した感想は?

最初からエンジン全開で、とにかく叫びっぱなし。アフレコは4日間あったんですが、開始2日目でもう燃え尽きてしまって、3日目の休みの日に熱を出して寝込んで、自分でもびっくりしました。あんなに叫んだのは初めてだし、ガロの熱さに体が耐えられなくなったんでしょうね(笑)。

Q:演者をも燃やし尽くす漢(おとこ)、ガロはどんなキャラクターですか?

ガロは、相手と真っ向からぶつかってお互いの裏表を見せ合い、打ち解けるタイプ。だからこそ、クレイ(声:堺雅人)に対して怒りや悲しみを抱きながらも、深く相手の心に踏み込んでいける。そこがガロの良さですが、彼のように、ぶれずに真っ直ぐ力強い自分を維持するのは、体力や気持ち的にすごく大変なことだと実感しました。「蒼の乱」の将門小次郎も、「髑髏城の七人」の捨之介や天魔王も、割と熱いキャラクターだったんですが、僕自身の性格とは正反対というくらい違うんですよ。今石×中島作品が好きという気持ちがないと、ああいう熱いキャラクターを演じることはできない。だから、何とか燃え尽きないように必死でした。

早乙女太一&堺雅人とのセッション

松山ケンイチ

Q:WOWOWの連続ドラマ「ふたがしら」で相棒役だった、リオ役の早乙女太一さんとのアフレコはいかがでしたか?

僕と太一くんと堺さんは、まったく違う表現の仕方をするので、アフレコはセッションみたいな感じかなと思っていました。自分で心がけたのは、2人のトーンに引っ張られることなく自分を常に燃やし、熱を保つことです。太一くんは相手に合わせるのがうまい方なので、僕は好き勝手に暴れさせてもらいました(笑)。

Q:クレイ役の堺雅人さんとは初共演でしたが、間近で堺さんの演技を見てどう思いましたか?

劇団☆新感線の「蛮幽鬼」で堺さんが演じた殺し屋(サジと名乗る男)のすごさは、伝説級。その時の、狂っているのか狂っていないのかよくわからない感じの演技が、すごく印象に残っていて。自分では無理な域にまで到達されているというか、やっぱりすごい方だなと思いました。3人とも子供がいるので、収録の合間に子供の話もしましたが、その時の普通の感じと、マイクに向かっている時のギャップがすごかったです(笑)。堺さんが叫んでいるのを初めて見ましたが、狂っちゃったんじゃないかと思うほどの迫力でした。

目指したのは「天元突破グレンラガン」の池田成志

松山ケンイチ

Q:『プロメア』にはさまざまなガジェットが登場しますが、好きなロボットアニメは?

(1997~1998放送のテレビシリーズ)「勇者王ガオガイガー」がすごく好きです! まったくの別物ですが、『プロメア』に同じにおいを感じました。あの作品も本当に熱いアニメで、主役の獅子王凱を演じた檜山修之さんも、ずっと大工道具に絡んだ必殺技を叫んでいて。僕が、ロボット=熱血アニメと思っているのは、確実にその影響です。(『プロメア』でゲーラを演じる)檜山さんは「グレンラガン」「キルラキル」両方に出演されていますし、ほかの声優さんも大好きな方ばかりなので、出演のオファーを受けた時は、大好きなチームに自分も入れるんだというのが、うれしかったです。

Q:本作での経験で新たに得たものはありますか?

この“熱さ”は、自分の中で大事なものなんだなと再認識しました。熱くないとやっていられないし、演じる側が冷めていたら観ている人にも伝わらないと思いますし。『プロメア』で僕が目指したのは「グレンラガン」で螺旋王ロージェノムを演じた池田成志さんだったんです。「グレンラガン」の最終決戦のシーンが好きで。成志さんのしゃべり方も好きだし、音楽の入り方もすごく良くて。テレビ版と劇場版ではしゃべり方が違っていて、僕は劇場版の方がより熱くて好きです。今回の声優経験を通して「やっぱり成志さんはすごいな」と圧倒されたのですが、本当にたくさんのスタッフや声優さんが積み上げてきた世界観の中で、俳優の成志さんがあそこまでの演技を見せられているということに勇気をもらいました。

相手とぶつかり合うコミュニケーション

松山ケンイチ

Q:公開間近になりましたが、『プロメア』で特に楽しみにしているシーンは?

音楽です。「グレンラガン」も「キルラキル」も、最終回の音楽の入り方がかっこよくて大好きで。僕はまだ音楽が入った映像を観ていないので、お客さんと同じ気持ちで楽しみにしています。

Q:ガロとリオの関係については、どう思いましたか?

ガロの相手とぶつかり合うコミュニケーションの取り方は、相手からすると面倒くさいかもしれないけれど、シンプルで打ち解けやすいのかなと思います。だから、お互いのことがわかりさえすれば協力もできるんじゃないかと。瀕死の状態になったリオにガロが炎を戻すシーンは、「ちょっと大人っぽく言ってほしい」「かっこいい男の人のような感じで」と言われて、僕は全然意味がわからなかったんですが(笑)。

Q:どんな人に観てもらいたいですか?

子供に「火消しの話なんだけど観るか?」と聞いたら、「火消しって何?」と。消防隊の話だと説明してもピンとこなかったみたいですが、一緒に観ていたら面白がっていました。とりわけ、メカのシーンに惹かれていたみたいです。そんな風に小学生でも楽しめる作品なので、いろいろな人に観てもらいたいですね。


松山ケンイチ

大ファンである今石×中島作品への参加とあって、松山の演技の熱量もたっぷり。「グレンラガン」の最終回は繰り返し観ている様子で、映像や音楽の魅力を饒舌に語り、監督と脚本家のみならず、声優から制作スタッフ全てへの熱くて厚いリスペクトを感じた。「性格上、常に全力で役に当たる」と語るに相応しく、声がかれるまで叫んだ松山の熱い演技と、クールな早乙女、そして堺の怪演のアンサンブルは見応え十分だ。

(C) TRIGGER・中島かずき/XFLAG

映画『プロメア』は5月24日より全国公開

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