『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』生駒里奈 単独インタビュー

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『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』生駒里奈 単独インタビュー

主人公になれる女の子を演じたい

取材・文:石塚圭子 写真:尾藤能暢

記念すべき令和仮面ライダーシリーズ劇場版第1作『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』が公開される。令和最初の「仮面ライダーゼロワン」×平成最後の「仮面ライダージオウ」の世界が交差する本作で、物語のカギを握る謎のタイムジャッカー・フィーニスを演じるのが、元乃木坂46の生駒里奈だ。舞台を中心に女優として活躍の幅を広げる生駒が、もともと大好きだったという仮面ライダー作品への出演を果たした思いを語った。

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大人も魅了する仮面ライダーの奥深さ

生駒里奈

Q:生駒さんは仮面ライダーがもとからお好きなんですよね。

すごくマニアというわけではありませんが、私が特に好きなのはフォームがとてもかっこいい「仮面ライダーW(ダブル)」と「仮面ライダービルド」です。あとは、平成生まれなので、平成仮面ライダーシリーズ第1作の「仮面ライダークウガ」はリアルタイムで観ていました。でも、実は小さい頃はスーパー戦隊シリーズのほうに親しみやすさを感じていたんです。仮面ライダーはちょっと大人っぽいなあと思っていました。

Q:仮面ライダーの魅力に改めて気づいたのはいつですか?

大人になってからですね。ドラマの設定や世界観がとても奥深いなあと思いましたし、仮面ライダーが身近に感じられるようになりました。今「クウガ」を観ると、本当におもしろいんですよ。こんなに大人な作品が、日曜日の朝に子供向け番組として放送されていたんだと思うと、しみじみします。お芝居をするようになってからは、アクションとか、「こういう動きのアプローチがあるんだ」と勉強になることも多いです。だけど、小さい頃に観ていたときから変わらない、ただ単純にカッコイイ! というところも大好きです。

Q:今回の映画への出演が決まったときは、どんな気持ちでしたか?

むちゃくちゃ嬉しかったですね。いつかは出たい……と思って、たまに口に出したりもしていたので。「仮面ライダーオーズ/OOO」の渡部秀さんや『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL(エピソード ファイナル)』の加藤夏希さんは、まさに私の地元の先輩なので、私も先輩たちに追いつきたいなっていう気持ちもありました。今回の映画の出演のニュースが出たときは、親友からすぐに「出るの!?」と連絡が来たんです。ふだんはあまり頻繁には連絡を取り合わないんですけど、「ぜったい観る!」って言ってくれたのがすごく嬉しかったです。

単なる悪役ではない不思議なキャラクター

生駒里奈

Q:本作で演じたフィーニスは、仮面ライダーの世界の歴史改変をもくろむタイムジャッカーという役どころ。生駒さんはフィーニスをどんな人物だと思いますか?

最初に台本を読んだときは、フィーニスは何か憎しみを抱えているせいで「歴史を変えてやる!」と考えている子なのかな? と思ったんですけど、だんだん、特にそういうわけではないんだとわかってきて。本人は悪いことだという意識はなく、本当に純粋に「時代の創造者になる」と思っているんです。ただ、それが結果的に今までの仮面ライダーの歴史を変えてしまう。だから、フィーニスをいかに悪いやつに見えないように演じられるかを意識しました。

Q:一人称が“僕”のフィーニスは、少年という設定なのでしょうか?

監督からは“ジェンダーレス”という説明を受けましたが、私としてはフィーニスは“無性別”ととらえていました。でもきっと、人と話すときは、わかりやすく「僕はね」って言う子なんだろうなって。仮面ライダーの多くのキャラクターは、変身する前に感情をブワーッと出すんですけど、この子は感情がそんなに動かないだろうなと思ったので、演じるときは淡々と話すように、できるだけギリギリまで崩さないようにしていました。

Q:本作の共演者の中で印象に残っている人は?

奥野壮(常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役)さんは、共演シーンが一番長かったんです。私より年下なんですけど、「『ジオウ』のときは、こんなことがあったよ」とか、いろんな興味深いエピソードを話してくれました。いきなり日本の日曜日の朝を背負って仮面ライダーを演じることになった若者の苦労みたいな話もちょっと聞けて。私はヒーローとして毎週見ていたけど、ヒーローたち本人も闘っているんだなあ、そうやってファンを喜ばせてくれるんだなあと思って、とても尊敬しました。ツクヨミ役の大幡しえりちゃんも可愛くて。目が大きいなって思いながら、ず~っと見てました(笑)。テレビで見ている人たちに会えて、本当に嬉しかった(笑)。

アイドル卒業後の人生のほうが長いとわかっていた

生駒里奈

Q:乃木坂46を卒業した後、自分の意識としても「アイドルを卒業」できましたか?

はい、気持ちもすぐに切り替えられたと思います。ずっとアイドルという存在ではいられない、その後の人生のほうが長いとわかっていたので、アイドルでなくなった自分をいつも冷静に考え、想像していました。グループにいた頃はアイドルとしての位置にこだわりは持たない、だけど一生懸命がんばる! という気持ちでやっていました。

Q:そういうふうに思えたのには、誰かの影響があったのでしょうか?

乃木坂46を始めるときに、お母さんから毎日「今日はレッスンに行くの? やめるの?」って聞かれていたんです。「行く」って答えると、「やるからには、3年は続けてね。3年間続けられるんだったら、やってもいいよ」って言われて。あとは、たぶん私のもともとの性格から、本当に今だけ許されている仕事だというのを感じていて。二十歳くらいの頃から「ずっと続けられる仕事をしなきゃ!」と思っていました。

Q:卒業から約1年半。乃木坂46の看板を背負わなくなって、一番変わったことは?

きっとみんな卒業しても看板は一生背負っていくと思うんです。だけど、実際はもう自分ひとりだけですよね? だから、何かあっても「私ひとりの問題で、私ひとりの責任だから」。そう言えるようになったことが変わりましたね。

常に意識は“再来年”

生駒里奈

Q:自分の強みにしていきたいことは?

主人公になれる女の子を演じることです。(主人公に対する)ヒロインではなく。ヒロインのように支える側の人も必要だし、いつかは演じてみたいけど、今は私がみんなを守りたいという気持ちが強くて。それは役だけでなく、自分自身もそうだから。弱虫だけど……だからこその強がりで。主人公になって、物語を自分で動かしていくのが好きなんです。

Q:今後どんな作品に挑戦してみたいですか?

役としては、ジャンヌ・ダルクになりたいです。あとは、一度、お芝居で自分をボコボコに壊してみたい。そのとき、自分はどういう表現をするんだろう? とすごく気になるので。そこまで堕ちることができる作品に出会いたいですね。今はやっぱり舞台が好きかな。もちろん映像でもそういう出会いがあると思うし、映像だからこそできる魔法もあります。だけど今の私は舞台でがむしゃらに身を削るのが好きですね。今の時代だからこそ、お客さんに希望と夢がつまったエンターテインメントをちゃんと届けたいなと思っています。

Q:女優として成長していくために心がけていることは何ですか?

たぶん私は、王道といわれるような道をのぼっていくタイプではないんじゃないかと思うんです。だから、そうじゃないやり方でトップを目指してみたいなと。いつかはそこを取りたいけど、特に型にはめずにやりたいと思ったことをやる。そのためには、常に“再来年”の自分にプラスになることをしなきゃいけない。仕事柄、来年のスケジュールは決まっているけど、再来年のことはまだ決まっていないということが多いので。だから、意識は常に再来年。たぶんその繰り返しだと思うんです。そのためには、再来年に直接的につながるものをやることも大切だけど、純粋に今の自分が命を懸けられる演劇をすることも大切だと思っています。


生駒里奈

10代半ばから、乃木坂46の顔ともいえる存在として、グループを牽引してきた生駒里奈。いわゆるアイドルらしいアイドルとは一味違う中性的な雰囲気、華奢な身体に秘めた芯の強さと、見る者の共感を呼ぶ繊細さ、漫画やアニメを深く愛するオタク気質ゆえの作品に対する洞察力など、多くの魅力を備えたユニークな存在だ。「役を演じているほうが自由でいられる」と女優業に邁進中の彼女の視線は、今ここよりも、ずっと先を向いている。

映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』は12月21日より全国公開

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