見どころ:耳が聞こえず口が利けないながらも、明るく生きる主人公が2人の女性の不幸な人生を好転させていく物語を感動的に描いたインド発のヒューマンドラマ。ハンディを抱えながらも豊かな感情を表現する登場人物を通し、言葉はなくとも心を通わせられるさまを活写する。主人公バルフィにランビール・カプールがふんし、愛情を受けずに育った女性をミス・ワールド2000のプリヤンカー・チョープラが演じる。色とりどりの美術や感情を繊細につづった楽曲、『雨に唄えば』『菊次郎の夏』など古今東西の名作映画へのオマージュも見どころ。
あらすじ:バルフィ(ランビール・カプール)は、生まれたときから耳が聞こえないことで会話ができないものの、目線と身振り手振りで感情を表現し、街の人気者となっている。資産家との愛のない結婚に悩むシュルティ(イリアナ・デクルーズ)はバルフィに思いを寄せていた。一方、家族からの愛情に恵まれなかったジルミル(プリヤンカー・チョープラ)も、バルフィにだけは心を開き、次第に惹(ひ)かれていく。
大スターが出ていても歌って踊らない“普通の映画”が増え始めたインド映画だが本作もそのタイプ。“まるでフランス映画のよう”という常套句がぴったりの洗練されたキャメラ。ボサノヴァ等のリズムを用いた可愛い楽曲。聾唖の青年と自閉症少女(「世界で最も美しい顔」にも選出されたプリヤンカーが最後まで本来の美貌を見せずに勝負!)の恋物語ではあるが、微塵も“上から目線”がないのも素晴らしい。しかも青年は絶世の美人妻とも愛し合うのだ! そしてもっとも顕著なのはサイレント映画への偏愛。チャップリンやキートンのパントマイム的表現を用いたいがため、主人公をこの設定にしたと思えるほどの身振り仕草の豊かさがある。
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