見どころ:『サイダーハウス・ルール』などの名匠ラッセ・ハルストレムが監督を務め、リチャード・C・モライスの小説を映画化した心温まるヒューマンドラマ。南フランスを舞台に、格式あるフレンチレストランと新勢力のインド料理店のバトルを絶妙なさじ加減で描写する。高慢なフレンチマダムを名女優ヘレン・ミレンが演じ、その宿敵をインドのベテラン俳優オム・プリが好演。食欲をそそる数々の料理はもとより、異文化の共存共栄の物語が共感を呼ぶ。
あらすじ:インドのムンバイでレストランを営むカダム家の次男として生まれたハッサン(マニシュ・ダヤル)は、名料理人の母から絶対味覚を受け継ぐ。だがある晩、彼らの店は選挙絡みの暴動により全焼し、母親まで失ってしまう。失意の父(オム・プリ)は子供たちを連れてヨーロッパに移住し、南フランスにある自然豊かな山間の小さな町にたどり着く。
スノッブなフレンチVSスパイシーなインド料理、というレストラン戦争を軸に料理に関わる人々や異文化が融合していく展開は予想通り。でもラッセ・ハルストレム監督の浪花節っぽい演出や南仏の美しい街並みが魅力となり、最後まで画面に目が釘付け。登場する料理や食材が美味しそうなのも強みだ。ミシュランの星付きレストランで働くマルグリットが自宅キッチンでサッと用意する軽食から絶対味覚を持つハッサンが作るハーブ入りオムレツ、星持ちになった彼が挑戦する分子料理の味を想像するのは食いしん坊さんの楽しみ。とはいえ本作の隠し味はやっぱりオム・プリとヘレン・ミレン! 敵対する2人が徐々に距離を縮める姿がにごっつぁん。
※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。
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