見どころ:『最強のふたり』などのフランソワ・クリュゼ主演によるヒューマンドラマ。世界一周単独ヨットレースに出場した男と彼の船に勝手に乗り込んだ少年が育む、絆と友情を見つめる。メガホンを取るのは、撮影監督として数々の作品を手掛けてきたクリストフ・オーファンスタン。『スリープレス・ナイト』のサミ・セギール、『よりよき人生』などのギョーム・カネ、『スウィッチ』などのカリーヌ・ヴァナッスら実力派が共演。感動的な物語に加え、40日以上に及ぶ海上撮影で捉えられた大海原の荘厳な風景も圧巻。
あらすじ:単独で一切寄港せずに世界を一周するフランスのヨットレース「ヴァンデ・グローブ」。同レースに出場したヤン(フランソワ・クリュゼ)は、故障したヨットを修理するためにカナリア諸島へと立ち寄る。修理を終えて出航した彼だったが、こっそり船内に潜んでいたモーリタニア人の少年マノ(サミ・セギール)を見つけ出す。単独航海でなければ失格になってしまうが、海上でマノを降ろすこともできないヤンは彼を連れてレースを続行するが……。
ゴールまで「孤独」な「ひとりゲーム」(これが仏原題)を強いられる実在の世界一周ヨット・レースを題材にした作品だが、皮肉にも感じるのは「太平洋ひとりぼっち」的な孤独は今や存在しない、ということ。主人公は不意の闖入者が現れる前から携帯電話はもちろんiPodやPC使いまくり。救命ボートが着水したら緊急信号が送られヘリが来るし、体調を崩せば衛星通信と電子聴診器のデータで医師が対応してくれる。それで「孤独」とはちゃんちゃらオカシイ気もするが、フォルムを変え続ける抽象画のような海の姿に圧倒されるのは間違いない。でも人間同士の関係は決して湿っぽくならず、スポーツマンシップに則ったスマートな描写で好感。
※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。