見どころ:日本でも寺尾聰主演で映画化された東野圭吾のベストセラー小説を、『殺人の告白』などのチョン・ジェヨンを主演に迎え韓国で映画化した衝撃の復讐(ふくしゅう)劇。大事な一人娘を少年たちに陵辱(りょうじょく)された揚げ句に殺害された父親の煩悶(はんもん)と、血も涙もない事件にまつわる人々がそれぞれ抱える苦悩に迫る。ベテラン刑事を、『凍える牙』などのイ・ソンミンが熱演。加害者と被害者、罪と罰という単純な構図とかけ離れた人間の深い業と宿命に涙する。
あらすじ:織物工場に勤務するごく普通のサラリーマンのサンヒョン(チョン・ジェヨン)は、数年前に妻をガンで亡くして以来娘のスジン(イ・スビン)を男手一つで育ててきた。残業ばかりの父親に対し娘は不満顔で、ある朝、不機嫌な顔のまま朝食も食べずに登校してしまう。その夜、土砂降りの雨の中サンヒョンが仕事から戻っても家にスジンの姿はなかった。
体面を守ることが最優先の警察組織、自分の利益や立場しか考えない身勝手な人々、そんな大人を舐めきった甘やかされ放題の少年少女。日本版にあった情けや哀れみの介在する余地すらない殺伐とした世界は、日本と韓国の社会的背景の違いにも起因するのだろう。
だが、それだけに一人娘を殺された平凡な父親、法律や社会の偽善に不満を抱くはぐれ者刑事(日本版とは刑事のキャラ設定が異なる)、それぞれのやるせない無力感と怒りが見事に際立つ。
誰もが己の感情をむき出しにして突っ走る。それもまた日韓の国民性の違いだろうが、少年法の問題だけにとどまらない批判精神や壮絶な暴力描写を含め、社会派復讐劇としての説得力は抜群だ。
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