見どころ:シッチェス・カタロニア国際映画祭など、各国の映画祭で話題となったバイオレンスムービー。ギャングたちに暴行されて生死をさまよっていた女性が奇跡的によみがえり、リベンジを果たすべく壮絶な戦いを繰り広げていく。メガホンを取るのは、テレビドキュメンタリーなどで活躍してきたマイケル・S・オヘダ。ヒロインにふんしアマンダ・エイドリアンは9か月に及ぶ格闘訓練を経て、体を張ったアクションを次々と披露する。ショッキングな展開はもちろん、有刺鉄線で縛られる手足や至近距離から弓矢で射抜かれる体などむごたらしい暴力描写にも息をのむ。
あらすじ:結婚式を目前に、自動車に乗ってニューメキシコの砂漠を一人で旅していたゾーイ(アマンダ・エイドリアン)。その途中で彼女は、ギャングたちが少年をなぶり殺しにしようとする現場に出くわしてしまう。少年を助けようとするゾーイだったが、ギャングに連れ去られて、激しい暴行を受けた果てに生き埋めにされてしまう。夜が明け、ひん死の状態であった彼女は奇跡的に命を取り留める。激しい復讐(ふくしゅう)心に駆られた彼女は、ギャングたちを一人ずつ血祭りに上げていくが……。
『ウィークエンド』『発情アニマル』にも似た、レイプ・暴行グループへの女性の復讐劇を踏まえつつも、それらとは異なる次元へ突き抜ける。このヒネリが本作の魅力。
人種差別的な白人グループに暴行されたヒロインの死体に、アパッチ族の酋長の霊が乗り移るという発想が、まず面白い。復活したヒロインの死闘はやがて200年前のアメリカ先住民VS白人の代理戦争と化す。バイオレンスやゴアはもちろん、ドラマのダークなトーンも鮮烈だ。
スレンダーな肢体をアクティブに躍動させるヒロイン、アマンダ・エイドリアンの戦闘の熱演にも目を奪われること必至。ジャンル映画のファンとして満腹感を味わった。快作!