見どころ:『息子の部屋』などのイタリアの名匠ナンニ・モレッティが、自身の体験を基に親の死を経験する主人公を通して家族や人生について深く掘り下げた人間ドラマ。深刻な病状に陥った老齢の母の世話をしながら、映画監督としての仕事や娘についての悩みを抱えて生きる女性の姿をつづる。主演は『はじまりは5つ星ホテルから』などのマルゲリータ・ブイ。ほかにジョン・タートゥーロやモレッティ監督自身が出演。さりげないユーモアと温かい愛情を交えて描かれた家族の物語と、マルゲリータの好演に心を打たれる。
あらすじ:マルゲリータ(マルゲリータ・ブイ)は恋人と別れた上に、娘のリヴィアが反抗期真っただ中。兄のジョヴァンニ(ナンニ・モレッティ)と一緒に、入院中の母親アーダ(ジュリア・ラッツァリーニ)の世話もしていた。さらには、自身が監督する映画に出演するアメリカ人俳優バリー(ジョン・タートゥーロ)とうまくいかず、ストレスを抱えるようになってしまう。そんなある日、マルゲリータは母親の余命宣告を受け……。
仕事でもプライベートでも深刻なスランプに悩む女性映画監督が、今度は愛する母親の死の宣告という厳しい現実に直面する。ナンニ・モレッティ監督が自らの実体験を投影した作品だ。
いわゆるお涙頂戴の感動ドラマではない。家族とはいえお互いを十分に知っているわけではないし、人生にはままならないことも圧倒的に多い。そんなやるせなさをシビアに捉えつつ、それでもなお家族が支え合うことに救いと希望を見出していく。
教師だった母親の教え子から娘には見せなかった別の顔が語られ、主人公は撮影現場で懸命に闘う自分の赤裸々な姿を思春期の娘に見せる。親だって子供だって一人の人間。そう考えれば理解し合えることも多いはずだ。
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