見どころ:外国人初の杜氏となったイギリス人のフィリップ・ハーパー氏など、さまざまな経緯で日本酒に関わることになった人々を通してその魅力を説くドキュメンタリー。ハーパー氏のほか、ワークショップや執筆などで日本酒の魅力を発信するアメリカ人ジャーナリストのジョン・ゴントナー氏、老舗酒造の蔵元として各国に赴いてその神髄を伝える南部美人・五代目蔵元の久慈浩介氏を取材し、日本酒に開眼したきっかけ、現在の活動などを追う。世界中の人を魅了する日本酒の奥深さを改めて実感することができる。
あらすじ:京都府久美浜の木下酒造で働くイギリス人杜氏のフィリップ・ハーパー氏は、日々日本酒造りに励んでいる。一方、日本酒に関する本を数多く執筆するアメリカ人ジャーナリストのジョン・ゴントナー氏は、ワークショップを通して日本酒の魅力を世界の人々に発信し続けてきた。岩手にある南部美人・五代目蔵元の久慈浩介氏は、自ら海外へ営業をかける。さらに久慈氏は、東日本大震災の際の自粛ムードの中で、YouTubeでメッセージを発信したときの思いを語る。
世界的な和食ブームも手伝ってか、最近は海外でも日本酒を嗜む人が確実に増えた。これは、そんな今のサケ・ルネッサンス最前線を捉えつつ、日本酒に人生を捧げた人々の生きざまを通してその魅力に肉薄するドキュメンタリーだ。
中心となるのは海外進出にも積極的な岩手の五代目蔵元、日本人以上に大和魂を持つイギリス人の杜氏、そして日本酒の魅力を世界に発信するアメリカ人ジャーナリストの3人。難しい専門知識や用語などはとりあえず置いておいて、なぜ彼らがそこまで情熱を傾けるのか、その核心に迫ることで日本酒文化の豊かさや奥深さを分かりやすく伝える。近頃の世界が賞賛するニッポン!みたいな自画自賛とは一線を画す秀作。