見どころ:ひき逃げ事故をめぐって交錯する3組の家族の人間模様を描き、イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の7部門で受賞したサスペンス。『見わたすかぎり人生』などのパオロ・ヴィルズィ監督が、登場人物の欲望が複雑に絡み合うさまを通して、金と人間の関係について問い掛ける。キャストには『ふたりの5つの分かれ路』などのヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、『ブルーノのしあわせガイド』などのファブリッツィオ・ベンティヴォリオらが集結。
あらすじ:不動産店経営のディーノ(ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ)は娘セレーナ(マティルデ・ジョリ)のボーイフレンドの父親である富豪のジョヴァンニ(ファブリツィオ・ジフーニ)に近づき、大金を得るために借金をしてジョヴァンニが手掛けるファンドに投資する。一方、ジョヴァンニの妻カルラ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は裕福な生活を送りながら、心は満たされない日々を過ごしていた。ある日、町で唯一の劇場が老朽化のため取り壊される予定であることを知った彼女は、劇場再建のために奔走するが……。
ひき逃げ事件を巡って犯人と思われる人が次々と浮上する展開で、主人公を変えながら同じ時間軸を多角的に描く手法はミステリー調。でもセレブの仲間入りを目指す俗物おやじや美貌を武器に富豪の妻となった女性、多感な高校生などの心情が入り乱れる物語は非常に良質な人間ドラマとなっていて、それぞれの思いや言動が心に突き刺さる。登場するのは欲望や夢を心に秘めながら他人からの視線を気にして行動するような人間ばかりで、鬱屈が爆発する様が恐ろしいやら哀れやら。人間はやはり身の丈を知り、自分にとっての「幸せ」とは何かを知っておくべきと心に刻みました。夢を持つのはいいけど、上ばっかり見てても仕方ないからね。
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