見どころ:第16回小説すばる新人賞を受賞した山本幸久の青春小説を実写映画化。結成5年目のパッとしない女性漫才コンビがお笑いの世界で奮闘し、挫折を味わいながらも友情を糧に夢を追う姿を描く。メガホンを取るのは、『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズや『大人ドロップ』などの飯塚健。夢を諦めない漫才コンビには、NHKの連続テレビ小説「まれ」などの清水富美加と元SKE48で『名古屋行き最終列車』シリーズなどの松井玲奈がふんし、息の合った掛け合いを披露する。
あらすじ:結成5年目の漫才コンビ「アカコとヒトミ」の高城ヒトミ(清水富美加)と本田アカコ(松井玲奈)は、小劇場で常連客に漫才を見せる日々を送っていた。ある日、ネタ合わせをする河川敷で自転車泥棒を捕まえてから、二人の状況が変化し始める。バラエティー番組に初めて出演し、それをきっかけに学生時代の旧友と再会。コンビとして売れそうになった矢先に……。
主演女優のゴタゴタによって、違う意味で注目されがちなのが惜しまれる小品佳作。基本的には売れない若手女芸人コンビの悲喜交々な友情を描く青春映画なのだが、夢を追うことの意味を問う人間ドラマとして、女の生きづらさを描いた女性ドラマとして、そしてお笑い業界の厳しい現実を突き付ける内幕物として、なかなか鋭い視点で斬り込んで来るのだ。
やはり要となるのは主演コンビの軽妙な演技だろう。これは失礼ながら意外な驚きだった。まるで漫才のような間の面白さやセリフの妙を存分に生かした飯塚健監督の演出、どこにでもいそうでいない風変わりな人々を演じる芸達者な脇役陣も功を奏している。
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